新築の打ち合わせで「給湯器はどうしますか?」と聞かれて、「お湯が出れば、正直どれでも、、、」と思った経験はありませんか?
キッチンや外壁とちがって、給湯器は完成見学会でもほとんど注目されない設備です。しかし実は、家庭で使うエネルギーのうち、給湯が占める割合はかなり大きいと言われています。つまり給湯器選びは、10年後・20年後の光熱費を左右する大切な選択なのです。
とはいえ「エコキュート」「エコジョーズ」と名前は似ているのに、仕組みはまったくの別物。カタログを見比べても、どこが違うのか分かりにくいのではないでしょうか。
この記事では、エコキュートとエコジョーズの違いを、専門知識ゼロの方にも分かるように解説します。ぜひ最後までご覧ください。
⇒これから家を建てる予定で、給湯器の種類をこれから決める方
⇒エコキュートとエコジョーズの名前は聞いたことがあるけれど、違いを説明できない方
⇒エコキュート・エコジョーズ・ハイブリッド給湯器の仕組みの違い
⇒初期費用・光熱費・設置性など、自分の家に合う給湯器を選ぶ判断基準
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エコキュートとエコジョーズの違いをざっくり言うと
ひとことで言えば、エコキュートは「電気」、エコジョーズは「ガス」でお湯をつくる給湯器です。名前は兄弟のようですが、使うエネルギーからして別物です。
エコキュートとは 空気の熱でお湯を沸かす「電気の魔法瓶」
エコキュートは、電気でお湯を沸かす給湯器です。正確には「ヒートポンプ給湯機」と呼ばれ、電気ヒーターで直接沸かすのではなく、空気中の熱をくみ上げてお湯をつくる仕組みです。
たとえるなら、エアコンの暖房と同じ原理です。エアコンが外の空気から熱を集めて部屋を暖めるように、エコキュートは空気の熱を集めてお湯を沸かします。だから少ない電気で効率よくお湯がつくれるのです。
もうひとつの特徴が、大きな貯湯タンクです。電気料金が割安になりやすい夜間にまとめてお湯を沸かし、タンクに貯めておいて日中に使う。いわば「巨大な魔法瓶に、お得な時間帯のお湯を作り置きしておく」のがエコキュートの基本スタイルです。
エコジョーズとは 捨てていた熱を拾う「ガスの節約上手」
一方のエコジョーズは、ガス給湯器の進化版です。従来のガス給湯器では、お湯を沸かしたあとの排気熱はそのまま外に捨てられていました。エコジョーズは、この捨てていた排気の熱をもう一度回収してお湯づくりに使うことで、ガスの消費量を抑えています。
お鍋の湯気がもったいないからと、その湯気で別の食材を蒸すようなイメージですね。仕組み自体はシンプルで、タンクを持たず、蛇口をひねったその瞬間にお湯を沸かす「瞬間式」です。
エコジョーズは「必要なときに、必要な分だけ沸かす」タイプの給湯器です。
第3の選択肢 ハイブリッド給湯器とは
実はもうひとつ、電気とガスの「いいとこ取り」をするハイブリッド給湯器という選択肢があります。
普段はエコキュートと同じヒートポンプ(電気)で効率よくお湯をつくり、お湯が足りなくなりそうな場面ではガスが瞬時にバックアップする、二刀流の給湯器です。タンクはエコキュートより小ぶりで済みます。
ただし、電気とガスの両方を契約し続ける前提のため、オール電化にしたい方には向きません。また機器の構成が複雑なぶん、本体価格は高くなる傾向があります。
「湯切れの心配は減らしたい、でも光熱費も抑えたい」という方に検討価値のある第3の選択肢です。
4つのポイントで比較する
ポイント1 初期費用
一般的に、本体と工事を合わせた初期費用はエコジョーズがもっとも安く、エコキュート、ハイブリッド給湯器の順に高くなる傾向があります。エコキュートは貯湯タンクとヒートポンプの2つの機器が必要になるためです。
「最初の見積もりが安いから」という理由だけでエコジョーズを選ぶと、毎月の光熱費で逆転される場合もあります。給湯器は初期費用とランニングコストをセットで考えることが大切です。
ポイント2 毎月の光熱費
光熱費は、契約している電気・ガスの料金プランによって大きく変わるため、一概にどちらが安いとは言えません。
傾向としては、夜間の電気料金が割安なプランと組み合わせられるエコキュートは、ランニングコストを抑えやすい給湯器です。一方でエコジョーズは、プロパンガスのエリアではガス単価が高くなりやすく、ランニングコストがかさむ可能性があります。都市ガスかプロパンかで答えが変わる点は要注意です。
「今の(または新居の)エネルギー契約で計算するとどうなるか」を数字で比較してから決めるのが、後悔しない選び方です。
ポイント3 設置スペースと水圧
エコキュートは貯湯タンクの置き場所として、冷蔵庫1台分ほどのスペースが屋外に必要です。敷地に余裕のない都市部の狭小地では、そもそも置けないケースもあります。薄型タンクという選択肢もありますが、設置計画は間取りと同時に考えたいところです。
また、タンクに貯めたお湯を減圧して届ける仕組み上、エコキュートは瞬間式のガス給湯器に比べてシャワーの水圧が弱く感じられる場合があります(高圧タイプで改善できることもあります)。エコジョーズは水道直圧なので、水圧を重視する方には有利です。
ポイント4 お湯の使い方との相性
エコキュートは作り置き方式のため、来客時などにお湯を使いすぎると「湯切れ」してお湯が沸き上がるまで待つ場面が起こり得ます。逆に、湯量が読みやすい規則正しい暮らしの家庭とは相性が良い方式です。
エコジョーズは瞬間式なので湯切れの心配はありません。ハイブリッド給湯器は、普段は電気・いざという時はガスという構成で、この弱点を補い合う設計です。
家族の人数やお湯の使い方によって最適解が変わるため、万人共通の正解はありません。
補助金はどうなっている?(2026年8月時点)
給湯器選びでは、国の補助金も判断材料になります。2026年8月時点では、国の「給湯省エネ2026事業」により、エコキュートで1台あたり7万円〜、ハイブリッド給湯器で10万円〜の定額補助(性能に応じて加算あり)が用意されています。
一方、意外に思われるかもしれませんが、エコジョーズは戸建て住宅向けのこの補助金の対象機器に含まれていません(対象はエコキュート・ハイブリッド給湯機・家庭用燃料電池)。初期費用の差が、補助金で一部縮まる可能性があるということですね。
補助金は予算がなくなり次第終了となり、要件も年度ごとに変わります。検討の際は、必ず資源エネルギー庁など公式サイトで最新情報をご確認ください。
名古屋・愛知で選ぶときの視点
愛知県は都市ガスのエリアとプロパンガスのエリアが混在しています。同じエコジョーズでも、建築予定地がどちらのエリアかでランニングコストの前提が大きく変わるため、土地選びの段階からガスの供給種別を確認しておくと安心です。
また、エコキュートには寒冷地仕様というグレードがありますが、名古屋周辺の冬の冷え込みであれば標準仕様で対応できる場合がほとんどです。豪雪地帯向けの情報をそのまま真に受けて、オーバースペックな機種を選ぶ必要はないと言えるでしょう。
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Q&A
Q1. エコキュートとエコジョーズ、結局どちらが人気ですか?
オール電化住宅の広がりとともにエコキュートを選ぶ方は多い一方、ガス併用の家庭ではエコジョーズが定番です。人気よりも「自分の家のエネルギー契約と暮らし方に合うか」で選ぶことをおすすめします。
Q2. エコキュートはお湯が切れたらどうなりますか?
タンクのお湯を使い切ると、沸き増しが完了するまでお湯が使えない時間が生じます。最近の機種は使用量を学習して自動で沸き上げるため、日常生活で頻繁に湯切れするケースは多くありませんが、来客や連休は注意が必要です。
Q3. 給湯器の寿命はどれくらいですか?
方式を問わず、給湯器はおおむね10年前後が交換の目安と言われています。「一度選んだら一生モノ」ではなく、10年後にもう一度選び直す設備だと考えておくと、初期費用の考え方も変わってくるのではないでしょうか。
Q4. 太陽光発電をのせる予定です。相性の良い給湯器はありますか?
昼間の太陽光の電気でお湯を沸かす運転に対応したエコキュートやハイブリッド給湯器があり、補助金でも昼間の再エネ活用機能が評価される流れになっています。太陽光を検討中の方は、給湯器とセットで計画すると効果的です。
Q5. 迷ったら何から決めればいいですか?
まず「オール電化にするか、ガスを引くか」を決めることが第一歩です。エネルギーの方針が決まれば、給湯器の選択肢は自然と絞られてきます。
まとめ
エコキュートは空気の熱を使う電気の給湯器、エコジョーズは排熱を再利用するガスの給湯器、そしてハイブリッド給湯器はその両方を組み合わせた方式です。名前は似ていても、仕組みも得意分野も異なります。
初期費用だけを見ればエコジョーズ、夜間電力を活かしたランニングコストならエコキュート、湯切れ対策と効率の両立ならハイブリッド給湯器と、それぞれに強みがあります。だからこそ、見積もりの金額だけで判断せず、ご家庭のお湯の使い方とエネルギー契約に照らして比較することが大切です。
給湯器は毎日使うのに、普段は存在を忘れているような設備です。それでも、光熱費と入浴の快適さという形で、10年後・20年後の暮らしに静かに効いてきます。
完成した瞬間ではなく、住み始めてからの毎日が心地よい住まいを目指して、後悔しない給湯器選びをしてみてはいかがでしょうか。





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