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Interview

2026.04.25
建築費が高騰する今伝えたい。頑丈で暖かいシンプルな箱「コアハウス」。

円安やインフレを背景に建築費高騰が続く昨今。
以前と比べて高性能住宅が手の届きにくい価格帯に移行しつつあります。

そんな中、「どうしたら多くの人に高性能住宅をお届けできるだろうか?」と私たちエンズホームは考えました。

今後の家づくりにおいて、何を残して何を削るべきなのか?本当に大切なものを以前よりもシビアに見極めなければなりません。
そう考える中で生まれたのが、新たなモデルハウス「コアハウス」です。

コアハウス誕生の経緯やこだわっているポイントを、
ライターによるインタビュー形式で代表の小縣が詳しく解説します。

高性能住宅を手の届きやすい価格で。

―はじめにコアハウスをつくることにした経緯を教えて頂けますか?

建築費が高騰する中で、住宅会社側がお客さんの経済状況を見て足切りをするような動きが出ています。でも、僕たちはそういう感覚を持ちたくないと思っていて。

そのために、キッチンや空調などの設備を必要最低限のものにしたり、家のサイズを抑えたり、つくり込み過ぎないようにしたりすることで、高性能な家を手の届きやすい価格で提供したいと考えました。

―「高性能な家を手の届きやすい価格で提供する」。そのために工夫していることを具体的に教えて頂けますか?

例えば、「つくり込み過ぎる」というのは、造作ソファや造作家具ですね。一点物で特別感はありますが、それゆえにコストが掛かってきます。満足度が高いものですけど、そこに力を注ぐのではなく、シンプルに「頑丈で暖かい箱」をつくることに重きを置くことにしました。

将来空き部屋になる可能性が高い子ども部屋にもあまりお金を掛けないようにしています。コアハウスでは2階に子ども部屋がありますが、あまり間仕切りを設けていないので廊下やホールとつながっています。

子どもが成長していく過程で、必要に応じて必要な間仕切りをつくっていこうという考え方です。それは必ずしも壁やドアでしっかり仕切るのではなく、本棚などで曖昧に仕切るという方法もあるかもしれません。

そして、手に負えない高価な設備にイニシャルコストを掛けてしまうのももったいないと思いますので、設備も最低限のものにしています。

例えば、冷暖房は床下エアコンと壁掛けエアコンでまかなう考え方で、特殊な全館空調システムなどは採用していません。断熱性能を高めてシンプルな間取りにしておけば、特殊な設備に頼る必要がないからです。

そのようにして必要最低限の箱をつくってあげて、あとはその時々で手を加えていく暮らし方をイメージしています。

凹凸がないシンプルな形状。規格住宅にはない自由度も。

―建物の基本性能をしっかりと確保しつつ、オプション的な要素を削ぎ落しているんですね。家の広さはどれくらいありますか?

「どれくらいが最適な大きさなのか?」を考える中で、延床面積は約30坪にしました。

吹き抜けを設けなければ32坪くらいになります。計画時には延床面積28坪くらいに抑えることも考えましたが、それよりも少し余裕を持たせています。

また、凹凸がないシンプルな形状にすることで施工がしやすく、材料の歩留まりが良くなり、イニシャルコストが抑えられています。

シンプルな形は気密も取りやすいですね。屋根の形状は、長期的に外壁が傷みにくく雨漏りリスクが少ない切妻屋根にしています。


―狭小住宅を目指すのではなく、暮らしていく上で「少し余裕を感じられる広さ」を最小限で実現している。そんな印象の建物です。ところで、コアハウスは規格住宅として販売していくものなのですか?

いえ、そうではないです。「コアハウス」というのはあくまで考え方なんですね。基本的には長方形か正方形になると思いますが、土地によって寸法や比率が変わっていくイメージです。

それから、ここではダイニングがある南側に大開口を設けていますが、住宅密集地で広い景色が望めない場合は違う窓の取り方を提案します。

規格住宅のように決まったプランで建てるわけではありません。

―コアハウスを見て頂いて、「同じような考え方の家を建てたい」となったら、その土地やお客さんの要望に合わせて間取りを決めていく感じですね。ちなみに使用する建材について、例えば床をオーク材にしたければオーク材を選べたりするのでしょうか?

はい、それでいいと思っています。最初はもっと選択肢を少なくすることも考えたんですけど、「つくり込み過ぎない」というコンセプトをぶらさなければ、ある程度好きな材料を使って頂くのが良いと思います。

この建物では焼杉を見て頂きたくて外壁に焼杉を使っていますが、ガルバリウム鋼板を使うことで建築費を抑えることもできます。


―「つくり込み過ぎない」というコンセプトをベースにしつつ、一定の自由度もあるのがいいですね。ちなみにこちらのキッチンは造作キッチンですか?

はい、これは造作をしています。造作キッチンというと「既製品キッチンと比べて高いもの」と思われるかもしれませんが、これはシンプルな設計なので住設メーカーが出している低価格なモデルと同じくらいの価格なんですよ。



等級6の断熱性能。耐震等級は最高等級の3をクリア。

―「つくり込み過ぎない」と言いつつ造作キッチンを提案できるのは、やはり数多くの注文住宅で培ってきたノウハウがあるからこそですね。ところで、断熱性能・気密性能・耐震性能はどれくらいでしょうか?

UA値を細かく決めてはいないですが、普段のエンズホームの仕様でつくっていますので、UA値0.3台前半になります。

気密性能はC値0.2。

耐震性能はエンズホームとしては当たり前の仕様ですが、許容応力度計算を行った上で耐震等級3をクリアしています。



階段を中心にした回遊できるプラン。

―次に間取りの特徴について教えて頂けますか?

東側に玄関があり、そこから左手に行くと南向きのLDKがあります。

逆に右手に行くと北側にトイレ、洗面、脱衣室兼クローゼット、サウナがあり、
階段を中心にぐるりと1周できるプランになっています。

あとは、極力仕切らないようにしているのも特徴ですね。
1階はトイレとサウナ(基本プランは浴室)にしか建具がないですし、2階は1室を事務所として使うために建具を設けていますが、それ以外の建具はありません。

一般的に家は仕切られているのが当たり前になっていますが、必要に応じて仕切っていくという暮らし方をイメージして頂けたらと思います。
あとは、外観があまり縦長にならないように全体の高さを落とすようにしています。普通は2階の一番端でも天井高は2,400mm取りますが、コアハウスの2階の端の天井高は1,800mmです。

それから、1階の天井高も梁下で2,200mm程度に抑えています。あえて天井を仕上げずに2階の床下地の合板を現すことで経済合理性を重視しています。
高さを抑えることで内部の気積(室内の空間の総量)も抑えられ、冷暖房効率が良くなるというメリットもあります。


―とても開放的なつくりで、1階はぐるりと回遊できるので延床面積の印象よりも広く感じますね。
壁に注目してみると、1階と2階で仕上げが違いますが、それぞれ何を使っていますか?

1階は柱が見える真壁(しんかべ)にしていて、壁と壁の間には調湿効果がある内装仕上げ材のモイスを使用しています。
2階は大壁(おおかべ)で石膏ボードを貼った上に珪藻土クロスを張って仕上げています。価格は2階の大壁の方が安くできますが、両方を見てもらいたいと思い2種類の仕上げにしました。

床は1階・2階とも杉の無垢材ですが、1階には無節を、2階には節ありを使っています。階段は杉のパネル材で表面になぐり加工を施したものを使いました。

人生の足かせにならない家を目指す。

―ではそろそろ締め括りに入りたいと思います。コアハウスにはどんな人に来てもらいたいですか?

いろいろな住宅会社さんを回ったけど「何かしっくりこない」という人に見て頂きたいですね。

このような、つくり込みが少ない素のモデルハウスはあまりないと思いますし、カスタマイズしていける余地がある楽しさを感じてもらえたらいいなあと考えています。

そもそも人生を豊かにするものは家だけではないと思うんですよ。かつては家を建てることがステータスで、そのために働くという考え方が強かったように思いますが、時代は変わっています。

高価な家を取得したがために旅行や外食、趣味や習い事などを我慢するのではなく、自分たちがやりたいことを我慢しないで済む予算で家を手に入れることが人生の豊かさにつながると思います。

だから、人生の足かせになるような家ではいけないと思うんです。メンテナンス費用が大きくなる家も足かせになりますし、機械が故障ばかりする家も足かせになります。冬に寒い家も夏に暑い家も光熱費が足かせになるでしょう。

私たちは、そうではない家を提案していますが、コアハウスにはさらにイニシャルコストを抑える工夫が詰め込まれています。

家づくりの予算で悩んでいる人だけでなく、潤沢な予算がある人にも共感して頂ける考え方だと思っています。

―「人生の足かせにならない家」。これはとても大切な考え方ですよね。そして、コアハウスはのどかな景色を望めるロケーションも魅力です。この景色には四季折々の表情がありそうですね。

はい、周りは田んぼなので、春の田植えの時期には水が張られ、夏には一面が緑色になり、秋には稲が黄金色になる。

季節ごとにすごくきれいな景色が見られます。

庭に植えた木にはこれからハンモックをかける予定ですし、バーベキューができるように外にシンクも設置する予定です。 

建物はもちろんですが、植栽や庭、景色も含めてコアハウスの魅力を感じて頂けたらと思います。 



▶︎コアハウスの詳細はこちら

▶︎【インタビュー】小縣が語る。エンズホームが大事にしていること。



〈ライター/カメラマン〉
鈴木亮平
新潟県在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。取材・撮影で訪れた住宅は累計1,000軒以上。

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