名古屋の工務店として注文住宅の相談は体感型モデルハウスがある丸協。名古屋のスノーピーク代理店として心地よさとスノーピークの遊び心を併せ持つ提案をしています。 

切妻屋根に三州瓦。趣ある住まいに流れる心地いい家族の時間。

断熱性能に力を入れている工務店を探してエンズホームに辿り着く。

2023年の2月に完成した住まいに暮らし始め、ちょうど丸3年が過ぎたというSさん家族。夫婦と2人のお子さんの4人で暮らしている。

S邸が立っているのは豊田市内の住宅街で、ご主人の実家の一部だった場所を譲り受けて延床面積35坪の家を新築した。

三州瓦を載せた切妻屋根の建物は赤みのあるそとん壁で覆われており、建物の表情をやわらげるように、手前には落葉樹と常緑樹、高木と低木をバランスよく組み合わせた植栽が施されている。

ポーチを隠すように建てられたコンクリート塀は杉の型枠を転写した仕上げ。細部にもこだわりと美意識が感じられる。

日当たりのいい南側にはゆったりとした濡れ縁(ウッドデッキ)があり、伝統的な日本建築の要素が散りばめられた住まいは、通りに対して優しく佇んでいる。

「以前はマンション住まいでしたが、子どもが生まれると手狭に感じ、家づくりを検討し始めました。はじめは総合展示場に行ってハウスメーカーさんの家を見て回っていたんですが、決められたものをカタログから選ぶような家づくりに違和感があって…」とご主人は話す。

また、YouTubeで家づくりの知識を深めていく中で断熱の重要性を知り、断熱性能に力を入れている地元の工務店を探し始めたという。

「エンズホームさんは動画やホームページを見て興味を持ちました。性能にこだわりがあり、その一方で施主の好みや要望をくみ取った家づくりをしてくれそうだと思ったんです。オフィスを訪ね小縣さんに会って話してみると、こちらの要望であっても、やめた方がいいことははっきりと止めてくれそうだという印象を受けました。『ご用聞き』ではないということも感じられ、安心してお願いできそうだと思ったんです」とご主人。

エンズホームを訪ねた帰りの車内で夫婦で話し合い、その日のうちに申し込みの電話をしたという。

内外をつなぐ大きな木製サッシ。外側には美しい格子戸も。

エンズホームとの打ち合わせが始まると、Sさん夫婦は完成見学会にも足を運んだ。

「住宅街の中に周囲の建物とはちょっと雰囲気が違うおしゃれな家があって『あそこじゃないかな?』って話しながら近づいていくと、『やっぱりこの家だった!』となるんです」と奥様。

「打ち合わせが始まってから着工するまでの間に行われていた見学会は構造見学会も含めて全部行きましたね」(ご主人)。

そして、打ち合わせではお二人が住みたい家のイメージをピンタレストなどの画像を見せて共有していった。

「例えば『一枚板を使ったダイニングテーブルを入れたい』とか『和風の外観にしたい』といったことを伝えるんですね。そうすると小縣さんから『和風の外観にするなら、隣に立つご実家の建物と同じ瓦屋根にするのもいいかもしれないですね。地域的に三州瓦がありますし』とご提案を頂いて、具体的に詰めていくような感じでした」とご主人。

ダイニングとウッドデッキの間にある大きな木製サッシもご主人がこだわったことの一つ。「小縣さんからはLIXILのLWという大開口スライディング窓をお薦めされたんですが、『やっぱり木製サッシにしたい』と言って。全体の予算を見てまとめていく小縣さんの表情がちょっと険しくなったようにも思いましたが、実現して頂きました」とご主人は笑う。

大きな木製サッシの外側には3枚の格子戸が戸袋に隠されており、それらを引き出せば外からの視線を品よく遮る目隠しができ上がる。

「県外のとある工務店さんのモデルハウスの写真で見た格子戸がいいなあと思い、同じような建具を付けたいと思ったんです。そうすると小縣さんがわざわざその工務店さんに寸法などを聞いて造ってくださったんです」(ご主人)。

「内側にロールスクリーンも付けようかなと思っていたんですが、格子戸を閉めるだけで通りからは中が見えなくなるので、内側には何も付けていないんです」(奥様)。

夜になると格子から漏れる光がまた味わい深いのだそう。「家に帰ってくる時にきれいだなあと思いながら眺めています」(ご主人)。

オークの床と調和するウォールナット材の家具。

LDKの床は落ち着いた雰囲気をつくり出すオークの無垢フローリング。最初は杉の無垢材も候補に上がっていたが、奥様が節に抵抗があったことから、見学会で訪れた家で使われていていいなと思っていたオーク材を採用した。

「エンズホームさんが手掛けたいろいろなお宅を見て、『これいいよね』という素材を集めていった感じですね。壁は水回り以外は珪藻土クロスを使っています」(ご主人)。

キッチンは空間全体を見渡せる対面型。その目の前には、ウォールナットの一枚板を使ったダイニングテーブルがあり、同じウォールナット材のCH24やUUチェア、No42といった名作椅子が並んでいる。

ピットリビングと大きな造作ソファの組み合わせ。

ダイニングの奥は少し下がったピットリビングがあり、黒いレザーが張られた造作ソファが空間にピタリとはまっている。

「以前も黒いレザーのソファを使っていて、新しい家でも家具は暗い色で統一したいと思っていました」とご主人。

ソファの横から正面の壁までTVボード兼ベンチがL字に造作されていて、そこにはテレビの他に観葉植物や小物が並んでいる。オープンな収納部分には収納ボックスを置いてお子さんのおもちゃなどを収納しているという。

TVボードの右手には季節の飾りをしつらえるスペースもあり、端午の節句に向けて息子さんの健やかな成長を願う兜が飾られていた。

お昼寝にも重宝する、茶室のような作業スペース。

ピットリビングの隣にある小上がりはあえて入口を小さくして茶室の躙り口のようにしている。これはちょっとした遊び心から生まれたものだが、それにより籠り感があって落ち着ける空間ができ上がった。

「ここはミシンを使った作業とか、私が何か集中して作業ができる場所が欲しくてつくってもらった場所です。あと、畳のスペースも欲しいなあと思っていましたので。下の子が生まれたばかりの頃は、ここに布団を敷いて一緒に寝ていましたし、今は子どものお昼寝の場所として重宝しています」(奥様)。

躙り口のアイデアは最初からあったわけではなく、大まかなゾーニングをした後の打ち合わせで対話を繰り返す中で生まれたものだという。「小縣さんと一緒にアイデアを出してつくり上げていったという感でしたし、毎回打ち合わせに行くのが楽しかったですね」(ご主人)。

2階はホールを中心に寝室と子ども部屋をレイアウト。

小上がりの横にある階段を上がると、造作の本棚がある2階のホールに辿り着く。床の一部は空気が循環するようにスノコが置かれていて、1階の光がスノコの隙間から漏れるように広がっていた。

ホールの左側は主寝室で、右側は子ども部屋。建具を開け放てば、寝室・ホール・子ども部屋がつながり、大きなワンルームのように感じられる。

子ども部屋は将来2室に分けられるつくりだが、現在はひとつながりにして広々と使っているのだそう。子ども部屋の一角には造作デスクがあり、床の近くにはエアコンが設置されていた。

これは「階間(かいかん)エアコン」と呼ばれるもので、1階天井と2階の床の間に設けられた空間に冷気や暖気を流し、その空気を1階・2階へと吹き出すことで室温をコントロールする仕組みになっている。

床下エアコン1台で寒さ知らずの冬を過ごせる家。

Sさん夫婦にこの家に3年住んでみての感想を伺った。

「使いやすいし、冬は暖かいし、夏は涼しい。何も気になることがありません。特に床下エアコンによる冬の暖かさは以前のマンションとは比べ物になりません。この家に住んでから、冬に着る服が1枚少なくなりました。長袖のTシャツで快適に過ごせますし、家の中では靴下を履かなくなりましたね。あと、布団は1年を通して肌掛け布団1枚だけ。もう冬用の布団を出すこともありません」とご主人。

「マンションではジェラートピケのモコモコが必須だったんですけど、今は全く着なくなりましたね」(奥様)。

冬の間は床下エアコンを22℃設定にして連続運転をするため、家の中の温度は常に一定。外がどれくらい冷え込んでいるのか分からなくなるという。

「ダイニングからウッドデッキに出ると、思った以上に外が寒くて驚くことはしょっちゅうです」(ご主人)。「子どもが冬に幼稚園に半袖で行こうとするので、慌てて止めたりしますね」(奥様)。

一方夏は2階に設けられた2台の階間エアコンを稼働させて家全体に冷気を送り込む仕組みを採用している。

「2階のウオークインクローゼットと子ども部屋に設置された階間エアコンを使っていますが、1階の天井の吹き出し口から冷気が流れてきて、ものすごく涼しくなります。どうしても真夏は2階が暑くなりやすいので、2階の床に埋め込んであるブースターファンを強めに回して冷気が2階にも行き渡るようにしています」(ご主人)。

長く使えるものと共に、日々の暮らしを楽しむ。

ウッドデッキもSさん一家のお気に入りのスペースだ。「ウッドデッキでは、お昼ごはんを食べてピクニックのような時間を楽しんだりしていますね」(奥様)。

「日当たりがいいので、春や秋はとても気持ちよく過ごせます。最近はいい時季が短くなりつつありますが、窓を全開にして家の中に風を通すのも気持ちいいですね。軒がしっかり出ているので、冬はダイニングに日差しが入りますが、夏は日陰になるので快適に過ごせます」(ご主人)。

この家に住み始めてから新しく始めたことは?と伺うと、「観葉植物を集めるようになっりました」とのこと。

「植物はちょっとずつ増やしているところですね。それから、家づくりをしている時に『いい家具は長く使えるし、年月を経て味わいが深まっていきますよ』と小縣さんに教えてもらい、家具にも興味を持つようになりました。この1枚板のテーブルも、汚れや傷が目立ってきたら表面を削ってオイル塗装をやり直すことができます。最初にお金が掛かっても長く使えるものを選びたいと思うようになりましたね」(ご主人)。

寒い冬や暑い夏でも快適な温熱環境に包まれ、春や秋は大きな木製窓を開けて外とのつながりを味わうSさん一家。昨年には家族が増え、一層明るく賑やかになった日常を楽しんでいる。

〈ライター/カメラマン〉
鈴木亮平
新潟県在住の編集者・ライター・カメラマン。1983年生まれ。取材・撮影で訪れた住宅は累計1,000軒以上。