キッチンコンセント位置は大切に

キッチンのコンセント位置は大切!!
今日はキッチンコンセントについて。
家を建てた後に、【ここにコンセントが欲しいな~】【ここにも欲しかった!】と思ってもコンセントを増やす為の工事が必要になったり、高気密高断熱の家では気密層が破れるなどの関係で、≪できません≫とか≪それ相応のリスクを伴う≫事があったりと・・・なかなかスンナリとは行かないものです。そうなる前にしっかりと計画し、確保しておきたいキッチンコンセント。キッチンのコンセントって思ったよりも多めに設置しておいた方が良いかもしれません。。が、あまり多過ぎても工事費用が嵩んだりしますので今回はそのコツを書いてみたいと思います。
この記事のもくじ
「家族も増え、手狭になってきたし、そろそろ我が家が欲しいな~」「自分に万が一があっても家族には住む場所だけは残せるようにしておこ」「同僚も新築に引っ越したし、ウチも家が欲しい!」と考えたとき、その選択肢はいくつか挙げられると思いますが、大きく分けるとその選択肢は2つに分けられます。
一つはすでに完成した家を購入する「建売分譲住宅」、もう一つは土地を購入して間取りから設計士と一緒に計画を進めていく「注文住宅」です。
注文住宅では、間取りや仕上げ材はもちろん、スイッチやコンセントといった電気配線についても細かく計画していきます。もっと言えば高さや個数、もう少し発展すると家具との関係やダイニングテーブル設置場所との関係や考えだしたらかなり奥の深い事となります。
今回は、その中でもキッチンのコンセントについて、どのように設置をすればアトアト後悔することのない快適なキッチンスペースを作ることができるのか、ミキシングなどの効率等々書いていきますので最後までお付き合いをm(__)m
キッチン壁のコンセントは何処がいい?
今の時代の住宅の壁は、「大壁」という造りで、柱や配線がすべて壁の中にある造りになっています。反対に、柱が壁面に露出しているのが「真壁」という造りで、日本の伝統的な家の造りです。現代では和室のみ「真壁」造りにしている住宅もあります。
「真壁」造りの部屋の場合、電気配線も露出になっていることが多く、コンセントやスイッチの移動は比較的簡単にすることができます。しかし、「大壁」造りの場合、コンセントやスイッチの位置を移動するには、壁を壊して配線を変更する必要があり、大掛かりな工事が必要になったりします。
キッチンは、ガスコンロなど火気を使用するために他の部屋よりも建築基準法上の制限が多く、柱などの構造部材を火から守るため、ほぼ「大壁」造りになっていたりします。特に高気密高断熱住宅の場合は、外壁面の壁は気密層がしっかり張り込んであるため、あと工事になるとその気密層を破ってしまう為特に気を付けておきたいところです。どうしてもコンセントの位置変更や追加が出た場合は、営業担当者や監督・設計者に素早く一報を!
だからこそ、キッチンまわりのコンセントの個数や位置は計画時によく確認をしておく必要があると言う事です。
キッチン コンセント足りない
生活を始めてから、【キッチンのコンセントが足りない!】ということにならないよう、キッチンに必要なコンセントの一般的な個数をみていきましょう。
まず、冷蔵庫用コンセントです。以前は、冷蔵庫用コンセントには漏電対策のためアース設置が必須でしたが、最近の冷蔵庫は絶縁対策がしっかりとなされているものが多く、アース不要のものも多いです。既にお持ちの冷蔵庫や購入予定の冷蔵庫にアースが付いていなければ、アース付きコンセントにする必要はありません。しかし、心配な場合には冷蔵庫にもオプションでアースを付ける事ができますので、コンセントもアース付きにしておくと良いでしょう。
次に、電子レンジやオーブン、炊飯器用のコンセントです。これらは、ほとんどの家に常設される家電ですから、設置個数分のコンセントが必要です。ここで注意が必要なのは、コンセントの種類です。電子レンジ等は消費電力が大きいので、複数同時に使った場合、ブレーカーが落ちる可能性がありますのでそれを防ぐために、「専用コンセント」にしておくと安心です。「専用コンセント」とは、分電盤の子ブレーカーが対象のコンセント1つのみに接続されているコンセントのことです。消費電力が大きい家電を置く場合は、「専用コンセント」の設置を検討しましょう。
最後に検討しなければならないのが、常設される家電以外のものに使用するコンセントです。ホイップクリームやメレンゲを作る時に使用するハンドミキサーや、みじん切りを作るためのフードプロセッサー、コーヒーメーカーなど、毎日使うものではないけれど、電源が必要なものを同時に使用する最大個数をよく確認しておきましょう。
今増やす分にはそこまでお金は増額になりません。それが後からになると最悪の場合壁を壊すとか壁の仕上げ材のやり替えだとか、、、かなりの出費になります。
キッチン コンセント位置計画
キッチンに必要なコンセントの個数が分かったら、次はその設置位置を計画します。
まず、冷蔵庫のコンセントは、冷蔵庫の背面に隠れることのないよう高めの位置に設置しましょう。一般的な家庭用冷蔵庫であれば、床から2m前後の高さへ設置すれば背面に隠れる心配はないでしょう。(機種によりますので購入前や現在お使いの冷蔵庫で確認することをお勧めします)
次に、電子レンジなどの常設家電用のコンセント位置を考えましょう。電子レンジやオーブンは、使用時に本体が熱くなります。そのため、周囲の壁の離隔距離が製品ごとに定められています。最近の電子レンジは、この離隔距離が必要ないものもありますが、将来買い替えることを考慮して、少々余裕を持った設置スペースを確保しましょう。コンセントについても、この離隔距離を確認した上で位置を決めましょう。(難しい場合は建築屋さんに相談しましょう)
その他のコンセント位置は、動かすことがほとんどない常設の家電に比べて、計画が難しいです。一般的な住宅のキッチンスペースは、キッチンの後ろに食器棚や電子レンジを置くカウンターといった配置になっていることが多いですが、ミキサーなどに使用するコンセントは、この背面収納ではなくキッチン側についているととても便利です。キッチン本体にコンセントをつけることが難しい場合、キッチン横の壁面や、キッチン周りの床に床付けコンセントを設置するといいでしょう。ダイニングテーブルを設置する周囲に床付けコンセントがあると、ホットプレートを使う時などに活躍します。(建築屋さんに相談すればこんなことも出来ます)
動画です(YOU TUBEに飛びます)↓
キッチン コンセント増設
細かく計画をして設置したコンセントでも、いざ生活を始めてみると、「どうしても足りない!」なんてことがひょっとしたらあるかもしれません。延長コードやタコ足配線でコンセント数を増やしても、足に引っかかって転倒したり火災の原因になったりと、安全とは言い切れません。コンセントの増設は大掛かりになってしまうことを説明しましたが、どうしても、どうしても増設が必要な場合、どのような方法があるか考えてみましょう。
まず、新たに増設するコンセントの配線方法には、2種類の方法があります。
1、近くにあるコンセントから延長(隠ぺいも露出も可能)して配線する方法。
2、新たに分電盤から専用の配線をする方法。
消費電力が大きいもの用にコンセントを増設する場合は、先にも述べたように「専用コンセント」が必要になるため、新たに専用の配線をすることになりますが、分電盤から増設箇所まで配線しなければならないのでとても大掛かりな工事になり、費用もかかります。
増設するコンセントの配線にも、2種類あります。
埋め込み配線(隠ぺい配線)
壁内や天井内・床下に配線をする方法で、見た目がすっきりとします。けれども、壁内や天井内には柱や梁といった構造部材があり、構造耐力上どうしても設置できない位置があったりするため、必ずしも好きな場所に設置できるとは限りません。
露出配線
埋め込み配線と反対に、配線が壁の外になります。構造材を気にする必要が無いので、比較的自由な場所に設置可能で工事も簡単ですが、配線が壁や天井を這うため、見た目が悪くなってしまいます。
さらに、増設箇所についてですが、特に高気密高断熱住宅の場合、外壁に面した壁面へのコンセント増設は難しいと考えていいでしょう。気密層を破ってしまう恐れがある為お勧めは出来ません。高気密高断熱住宅の場合、断熱材を隙間なく施工されています。そのため、外壁に面した壁内部には断熱材が隙間なく埋め込まれています。ここにコンセントを増設することは、家の断熱性能を落とすことになりかねません。但し、袋入りのGWやロックウールなどの断熱材を使っている住宅は気密層とかの考えが無い為(考え方と正しい施工方法をしていない場合がほとんどの為)、割と簡単に増設できたりします。
コンセントの増設は、どの方法も専門業者も相談をした上で行いましょう。
キッチン コンセント防水
キッチンでは水を使うことが多く、コンセントへの【水はねによる漏電】が気になる方も多いでしょう。しかし、防水コンセントというと屋外用ばかりで、屋内用防水コンセントはなかなか見当たりません。屋外用の防水コンセントをキッチンに使用することは不可能では無いですが、このようなコンセントはボックスが大きく、見た目が良くありません。キッチンのコンセントは、水や油の当たることがないような場所に設置するようにしましょう。
ペニンシュラ キッチンコンセント
キッチンの形には、いくつかの種類があります。I型キッチン、L型キッチン、アイランドキッチンなど種類は様々ですが、中でもペニンシュラキッチンとは、あまり聞きなれない種類かもしれません。
ペニンシュラキッチンとは、アイランドキッチンのようにオープンなキッチンで、コンロ側が壁にくっついている形です。唯一壁にくっついている部分はコンロ横になるため、そこにコンセントをつけることはあまりおすすめできません。となると、周囲にコンセントを取り付けられる壁がなくなってしまいます。そこでおすすめなのが、床付けコンセントです。使用しない時にはフラットにできるため、邪魔になりません。床付けコンセントは色のバリエーションが多く、様々な床材に対応できます。
こんなことも出来ます ↓
先ほどの造作床コンセントも有効ですし、工務店であればペニンシュラキッチン自体にコンセント増設をするために一緒に考えて答えを出してくれると思います。ペニンシュラキッチンでもコンセント増設は、そんなに難しい事ではなかったりします。
キッチン 背面コンセント
一般的な住宅のキッチンスペースで最も多いのが、キッチンの背面にカップボードと呼ばれる食器棚とカウンターを置くスペースが用意されたものです。
カップボードのカウンター上に、電子レンジや炊飯器などの家電を置いたり、家電を収納できる引き出しを取り付けたりと、家電の収納方法をいくつか選択できます。家電収納用の引き出しを設ける場合は、引き出し内にコンセントがあるか確認をしましょう。
カウンター上に家電を置く場合は、先にも述べたように常設する家電の個数と一時的に使用するものの個数をよく確認した上で、計画をしましょう。
一時使用のためのコンセントで、意外とあると便利ものは、カップボード上部の吊戸下にコンセントをつけておくことです。コンセント付きの照明もあります。一時的に使用する場合、コンセントが常設する電子レンジなどの背面に隠れてしまい、いちいち移動させなければならないことがあります。上部の吊戸下であれば、そのような事もないので、すぐに利用できます。
キッチン コンセント種類
キッチンコンセント種類というより、コンセントの使い方にも2つあります。
あまり抜いたり差したりしないもの
・冷蔵庫
・炊飯器
・電子レンジ
使う時だけ抜き差しするモノ
・ミキサー
・スライサー
・電気ケトル
・コーヒーメーカー
・ホットプレート
・卓上型IHクッキングヒーター
まとめ
今ある家電の台数や使い方やによっても必要コンセントの場所や個数は変わってきます。
常に置きっぱなしの家電(冷蔵庫など)の個数+たまに使うモノの必要個数の合計に念のため2口コンセントを1つ~2つ配置しておいても多すぎた~と後悔する事はないと思います。
いかがでしたか?
キッチンは毎日使用する場所ですから、快適に使用するためにもコンセントの計画はとても重要です。
難しいかもしれませんが、一度目を閉じて実際使う場面を想定するのも良いかもしれません。
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