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「構造用合板の厚みって、何ミリを使えばいいの?」「壁倍率はいくつになるの?」と気になって検索された方も多いのではないでしょうか。
構造用合板は、木造住宅の壁・床・屋根の下地として広く使われている、家づくりに欠かせない建材です。先に結論をお伝えすると、厚みは「どこに使うか」でほぼ決まり、壁や屋根の下地で9〜12mm、床では12〜28mmあたりが目安です。壁倍率は、軸組工法の片側施工で2.5倍が基本、告示の仕様を満たせば3.7倍などの高倍率にできるとされています。
この記事では、構造用合板とベニヤ板の違い・用途別の厚み早見表・壁倍率の仕組みから、壁の中の結露対策まで、工務店の目線で分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は2026年9月に内容を加筆・更新しました。
構造用合板とは?ベニヤ板との違い
合板(ベニヤ板)と構造用合板の違い
合板(ベニヤ板)とは、丸太をかつら剥きにした薄い板=単板を、接着剤で貼り合わせて作る板のことです。繊維方向が直交するように5枚(5プライで9mm厚)、7枚(7プライで15mm厚)のように数枚を重ねることで、伸び縮みや反りを抑えつつ、強度を高めています。
この合板のうち、建築基準法でいう「構造耐力上主要な部分」(柱・梁・耐力壁など、建物を支える大事な部分)に使う目的で作られたものが、構造用合板です。求められる構造基準に合うよう、その規格は日本農林規格(JAS)で厳密に決められています。
ホームセンターで見かける普通のベニヤ板と見た目は似ていますが、求められる強度や接着性能が別物、という関係ですね。
JAS規格による種類(特類・1類/1級・2級など)
構造用合板の種類には、JAS規格で接着剤の種類による「特類(耐水)」か「1類」かの分類と、品質による「1級」と「2級」の分類があります。特類に使われているのは、主に常時湿潤状態でも性能を維持するフェノール樹脂接着剤。1類に使われているのは、主にメラミン樹脂接着剤です。
材料の樹種にも移り変わりがあります。高度な性能が求められる1級の構造用合板には、主として広葉樹のラワン合板が使われてきましたが、熱帯雨林枯渇への配慮から、管理された森林による針葉樹合板への移行が進みつつあります。針葉樹合板では、主にヨーロッパカラマツであるラーチ合板が使われています。最近では国産の広葉樹や針葉樹を取り入れたものも作られるようになってきました(まだ道半ばですが)。
このほか、接着剤に含まれるホルムアルデヒドの放散量による「F☆☆☆☆〜F☆」の分類(星が多いほど放散量が少ない)や、主にラワン材を食害する虫に備えた「防虫処理合板」の規格もあります。F☆☆☆☆などの分類は、高気密住宅とともに問題化したシックハウス対策の建築基準法改正のときに生まれ、構造用合板にも適用されています。
これらのJAS規格は、丸いマークとともに合板そのものに印字で表示されるので、使う側にも分かりやすく示されています。
構造用合板の厚みとサイズ(用途別早見表)
ここからが本題の1つめ、「構造用合板の厚み」の話です。
幅と長さの規格(910mm×1820mmが基本)
構造用合板の幅は、住宅モジュール(柱や壁の基準となる間隔)に合わせて900mm・910mm・1000mm、端部用などに955mm・1220mmがあります。長さは、よく使われるサイズに合わせて1800mm〜2730mmが流通しています。
なかでも910mm×1820mm(いわゆるサブロク判)は、多くの木造住宅の柱の間隔にそのまま合うため、定番中の定番と言えるでしょう。
用途別の厚みの目安(早見表)
肝心の厚みですが、構造用合板の厚みは「どこに使うか」でほぼ決まります。主な使い分けの目安を表にまとめました。
| 使う場所 | 主な厚み | ポイント |
|---|---|---|
| 壁下地 | 9・12mm | 耐力壁にも使う |
| 屋根下地 | 12mm | 下地の定番 |
| 床(根太あり) | 12・15mm | 根太で支える |
| 床(根太レス) | 24・28mm | 厚物を梁に直張り |
※2026年9月時点の一般的な目安です。15mm・18mm厚が使われる場合もあり、実際の厚みは構造設計や工法によって決まります。
「根太レス」とは、根太(床板を支える下地の横材)を省略し、厚物の構造用合板を梁に直接張る床のつくり方です。合板に床を支える役割も持たせるため、24mm・28mmといった厚みが使われます。
ちなみに、1枚の単板(プライ)の厚みは通常2.0mm〜4mmで、製品の厚みや性能に応じて3〜5層、多くても9層重ねで構成されています。また、国産針葉樹の12mm板を3層重ねた36mm厚の構造用面材「Jパネル」も大臣認定を受けて使われていますが、こちらは構造用合板の番外編とでも言えそうです。
構造用合板の壁倍率(耐力壁として使う場合)
続いて本題の2つめ、「構造用合板の壁倍率」です。少し専門的な言葉ですが、家の耐震性に直結する大事な数字なので、順番に見ていきましょう。
壁倍率とは?片筋交いの壁を基準にした強さの倍率
耐力壁とは、地震や台風の横からの力に抵抗する壁のことです。そして壁倍率とは、15mm×90mm断面の片筋交いを入れた壁を「1」として、壁の強さを相対的に表した数字です。数字が大きいほど、強い壁として計算できます。
在来軸組工法や枠組壁工法では、壁量(耐力壁の量)で構造が計算されます。規格に沿った構造用合板の壁倍率を用いることで、確実な構造設計ができるわけです。
告示改正で高倍率の仕様が追加(2.5倍→3.7倍)
軸組工法では、通常5mm厚以上の構造用合板の片側施工で、壁倍率2.5倍が基本でした。
これに対し平成30年(2018年)の国土交通省告示改正で、さらに高倍率な仕様が追加されました。9mm厚以上の構造用合板を、大壁仕様で従来のN50釘から高性能で径も小さいCN釘に変え、釘の間隔を150mmから75mmへ半分に縮めることで、片側施工でも壁倍率3.7倍にカウントできるようになりました(床勝ち部分は受材の断面などにも基準があります)。真壁づくりも同様に3.3倍にカウント可能となっています。
枠組壁工法でも同じように、CN50やCN65の釘の間隔を縮めることで壁倍率を3.7倍(12mm厚以上だと最大4.8倍)に評価できるようになりました。表に整理すると次のとおりです。
| 工法 | 主な仕様 | 壁倍率 |
|---|---|---|
| 軸組(大壁) | N50釘・150mm | 2.5倍 |
| 軸組(大壁) | CN釘・75mm | 3.7倍 |
| 軸組(真壁) | CN釘・75mm | 3.3倍 |
| 枠組壁工法 | CN釘・間隔半分 | 最大4.8倍 |
※平成30年(2018年)告示改正による代表的な仕様の例です(2026年9月時点)。合板の厚さ・釘の種類と間隔・受材など、適用条件の詳細は告示の仕様によります。
これによって耐力壁の設計の自由度が増し、耐震等級3(住宅性能表示制度で最高ランクの耐震性)の設計も実現しやすくなったとされています。
2025年4月施行の壁量基準の見直しにも注意
もう1つ、最近の大きな動きにも触れておきます。
省エネ化や太陽光パネルの搭載などで建物が重くなってきたことに対応するため、2025年4月に施行された基準の見直しで、必要壁量(その建物に必要な耐力壁の量)や柱の小径を、建物の仕様の実況に応じて算定できるよう改められました。従来の基準で計算できる経過措置も、2026年3月で終了しています。
個々の家で必要な壁量がどう計算されるかは専門的な領域なので、これから建てる方は、最新の基準に基づいてどう設計されているかを、設計者や工務店に確認しておくと安心です。
※制度に関する内容は2026年9月時点の情報です(出典:国土交通省)。最新の情報は国土交通省のホームページ等でご確認ください。
ここまで“面”で支える構造用合板の話をしてきましたが、耐力壁には「筋交い」という昔ながらの選択肢もあります。因みに筋交いってこれです↓

筋交いの向きや配置の基本は、こちらの記事で詳しく解説しています。
構造用合板は結露する?透湿抵抗と気密の話
ここからが、工務店として一番お伝えしたい話かもしれません。
構造用合板の主なメリットは、筋交いによらずに壁の剛性(強さ)を作り出せるため、壁の中に断熱材を充填しやすくなることです。では、デメリットは何があるでしょうか。
構造用合板は、他の壁材に比べて透湿抵抗が高い(湿気を通しにくい)ため、壁の中の湿気が逃げにくく、結露しやすいのではないか?という懸念を聞くことがあります。確かに構造用合板は、常時湿潤状態でも性能を維持する接着剤で貼り合わせてありますので、湿気を通す性能は高くありません。
ただ、順番が大事です。壁の中には、まず室内から湿気を入れないことが大前提です。これがいわゆる気密化工事で、外壁の壁構成と各層の性能をしっかり確認して施工されれば、構造用合板は有効に使うことができます。
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常に生活空間の室内側が高湿と考えます。基本の壁構成は室内側から、室内側面材→防湿シート→断熱材(できれば防湿紙にくるまれた断熱材の耳を室内側に張る)→構造用合板→透湿防水シート(湿気は抜きつつ外からの水の浸入を防ぐシート)→通気層(外気とつながる空気の通り道)→外装材、という順です。
この順番どおりに丁寧に施工され、断熱材が本来の性能を発揮できていれば、室内の暖かく湿った空気は構造用合板まで届きにくく、外気との温度差による結露はしにくいという計算です。逆に言うと、気密や断熱の施工が雑だと、壁の中に湿気が入り込むおそれがあります。
断熱材の施工については、こちらの記事でも解説しています。
そこで、構造用合板を使う場合は、壁体内結露計算(壁の中で結露が起きないかを確認する計算)をしてもらうことをおすすめします。
【多分大丈夫です】という根拠のない言葉に騙されて、数千万円を払いたくはないはずです。仮に壁体内結露が起きて、柱や土台という構造上主要な部分が腐っても、現行法では違反ではありません。そんな業者さんは確実に【責任回避して逃げます】。性能を維持するためには、湿度・防水・断熱の性能をきちんと管理することが確実に必要です。

状況が揃えば結露する、と思っておくくらいでちょうど良いと思います。そうしたリスクをできるだけ避けたい場合は、ダイライトやハイベストウッドのような、透湿抵抗が低い(湿気を通しやすい)とされる耐力面材を選ぶ方法もあります(製品ごとの数値は各メーカーの資料をご確認ください)。どちらが正解というものではなく、壁構成全体で考えることが大切です。
構造用合板に関するよくある質問
最後に、構造用合板についてよくいただく質問にお答えします。
Q.構造用合板の厚みは何ミリを選べばいいですか?
A.使う場所によって目安が変わります。壁下地は9・12mm、屋根下地は12mm、根太のある床は12・15mm、根太レスの床は24・28mmが一般的な目安です(2026年9月時点)。実際の厚みは構造設計によって決まるため、本文の用途別早見表とあわせて、設計者に確認すると安心です。
Q.構造用合板の壁倍率はいくつですか?
A.壁倍率は、軸組工法の片側施工で2.5倍が基本です。平成30年(2018年)の告示改正により、9mm厚以上の構造用合板をCN釘・間隔75mmで留めるなどの仕様を満たせば、3.7倍(真壁は3.3倍、枠組壁工法は最大4.8倍)にカウントできるとされています(2026年9月時点)。適用条件の詳細は告示の仕様によるため、実際の設計では設計者に確認してください。
Q.構造用合板と筋交いはどちらがいいですか?
A.どちらが正解というものではありません。構造用合板は壁全体の“面”で、筋交いは斜め材の“線”で地震の力に抵抗するイメージです。構造用合板は壁の中に断熱材を充填しやすい一方、筋交いには長年の実績があり、両方を併用する家も少なくありません。大切なのは、家全体の構造計算と壁の配置バランスです。
Q.構造用合板は何年もつ?湿気で腐りませんか?
A.材料そのものより、施工と壁の構成次第と考えています。構造用合板には、耐水性の高い接着剤を使った特類などの規格があり、何年もつと一概に言えるものではありません。ただし壁の中で結露が続けば、合板に限らず木材は傷むおそれがあります。室内から湿気を入れない気密化と、透湿防水シート・通気層のある正しい壁構成、そして壁体内結露計算での確認が大切です。
まとめ:構造用合板は厚み・壁倍率・湿気対策をセットで考える
構造用合板の厚みは「どこに使うか」で決まり、壁倍率は釘の種類や間隔などの仕様によって2.5倍から3.7倍などに変わる、というのが今回のポイントでした。
耐火などの関係で、構造用合板でない耐力壁面材を使うこともありますが、構造用合板は依然として比較的安価で、木造住宅にとって重要な建材です。熱帯雨林由来から管理された森林由来のものへ、さらには国産材の有効な利用先として、まだまだ可能性が広がっています。
一方で、透湿抵抗が高いという特徴は、気密・断熱・壁構成とセットで考える必要があります。メリット・デメリットを確認しつつ、壁の中の湿気まで含めて計画することが、後悔しない家づくりの第一歩です。
壁の中の話は、図面や言葉だけではなかなかイメージしづらいものです。構造用合板や筋交いが実際にどう使われているかは、実物を見ながら聞くのが一番分かりやすいと思います。ぜひモデルハウスで、気になることを直接質問してみてください。
10年後・20年後も安心して暮らせる、丈夫で長持ちする住まいづくりを目指しましょう。


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