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ベタ基礎とは?布基礎との違い・費用の考え方・湿気やシロアリ対策・耐震性と業者の見極め方を工務店が解説

基礎

「ベタ基礎なので大丈夫ですよ」

家づくりの打ち合わせや、建売の内覧で、こんな一言を聞いたことはないでしょうか。

 

『家を買うぞ』『家を建てるぞ』『さあ展示場へ』という段階で、基礎のことまできちんと調べて検討している方は、正直かなり少ないと思います。

そりゃそうだろ!基礎はノーマークだわ!

とーさん

そんなマニアックな入り方の人おるか?

かーさん

言われてみたらそうかも。。。

オガタ

実はそれ、けっこう「損をしている」かもしれない、と言ったら驚かれるでしょうか。

 

しかも、、、「ただ損しているだけではないかもしれない」ということもあります。基礎は家の土台。地震の多い日本で、足元がきちんとしていない家がどれだけ心配なものか、少しだけ想像してみてください。

◆今回はこんな方の為に書いています。

⇒基礎の事を知りたい方へ

⇒ベタ基礎?布基礎???って方へ

◆今回の記事を読むとこんな事がわかります。

⇒基礎の重要性

⇒家づくりの基礎は基礎選定から

この記事では、

・ベタ基礎って何?布基礎と何が違うの?

・ベタ基礎と布基礎、どちらにするかの判断基準は?

・ベタ基礎って本当に安心なの?湿気とかシロアリとか地震とか

・費用はどのくらい違うと考えればいいの?

・基礎からちゃんと考えてくれる業者の見分け方は?

という順番でまとめていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

※この記事は2026年9月に内容を加筆・更新しました。

ベタ基礎とは?布基礎との違いを解説する記事のイメージ

 

ベタ基礎とは?【断面図あり】

まず、ベタ基礎とは何か、というところから。言葉は聞いたことがあっても、基礎の断面(基礎を輪切りにした形)まで見たことがある方は少ないと思いますので、図と一緒に見ていきましょう。

ベタ基礎の構造|面と立ち上がりで家を支える

ベタ基礎の断面図(底盤と立ち上がりが一体になった鉄筋コンクリート)

 

ベタ基礎とは、建物の下になる部分全体に砕石を敷き詰めて締め固め、その上に鉄筋を組んでコンクリートを流し込んで作る基礎です。床下全体を覆う「底盤(ていばん。面の部分)」と、その上に立つ「立ち上がり」が一体になった、鉄筋コンクリートの浅い箱のような形をしています。

 

底盤にも立ち上がりにも鉄筋が入り、建物の重さを面全体で受け止めるのが特徴です。上の断面図で、下に横へ伸びている部分が底盤、上に伸びている部分が立ち上がり。土台(家の一番下の木材)は、この立ち上がりの上に載ります。

 

ちなみに底盤の下には、砕石の上に防湿シートを敷くことが多いです。地面からの湿気をコンクリートの手前で止めるための層で、ここは後で出てくる「湿気」の話につながります。

接地圧とは?ハイヒールとスニーカーで考える

ベタ基礎の一番の役割は、”面”で家の重さを支えることで”接地圧を下げる”ことです。

接地圧とは、基礎が地面に接している面積あたりにかかる荷重のこと

実生活でイメージすると、砂地をハイヒールで歩くのと、スニーカーを履いて歩くのとでは、どちらが砂にめり込みやすいでしょうか?

  1. 接地圧が低い(ベタ基礎)=スニーカーを履いているとき
  2. 接地圧が高い(布基礎)=ハイヒールを履いているとき

もうお分かりですよね。ハイヒールは埋まってしまって歩けたものではありませんが、スニーカーなら歩けます(ちょっと歩きにくいですが)。

 

ちょっと歩きにくくなる分、たとえがうまくなかったかな、、、と思うのですが、要は同じ重さでも、地面に接する面積が広いほど沈みにくいというところに注目してほしいのです。建物の重さを広い面積で受けるベタ基礎は、地盤が少し弱めでも沈みにくい。これが「接地圧」の話です。

ベタ基礎と布基礎の違い【断面図と比較表】

では次に、布基礎の断面図も見ておきましょう。ベタ基礎と見比べると、違いが分かりやすいと思います。

 

布基礎の断面図(逆T字形の立ち上がりと鉄筋の入らない防湿コンクリート)

布基礎は、壁の下だけに逆T字形の鉄筋コンクリートを連続して作る基礎です。建物の重さは、この逆T字の底(フーチングと呼びます)の部分で地面に伝えます。ベタ基礎のように床下全体を鉄筋コンクリートで覆うのではなく、「線」で支えるイメージですね。

 

ちなみに布基礎の床下に敷いてあるコンクリートは、鉄筋を含まない防湿コンクリートで、構造として家を支えている部分ではありません。地面からの湿気を抑えるためのものです。

 

布基礎についても簡単に触れておくと、これはこれで地盤が固かったり、地盤改良で十分な固さがあったりするところでは、十分に有効な基礎です。「布基礎=古い・弱い」というわけではありません。

 

ここまでの違いを表にまとめると、次のようになります。

項目 ベタ基礎 布基礎
支え方 面で支える 線で支える
鉄筋の量 多い 少なめ
接地圧 低い(沈みにくい) 高い
防湿 底盤で全面を覆う 防湿コンクリート等
費用の傾向 高くなりやすい 抑えやすい
向く地盤 やや弱めでも可 固い地盤向き

 

「防湿」の行は、あくまで基礎の形そのものによる違いです。布基礎でも防湿コンクリートや防湿シートで対策はできますので、そこは後ほど「布基礎の湿気対策はどうする?」の章でお話しします。

ベタ基礎で建てるケースが増えている理由

簡単にいうと、、、流行りです。ではなくて、冒頭でもお伝えしたように、最近は注文住宅でも建売でも「ベタ基礎です」という物件が本当に増えています。

 

これはどうしてか?

 

施工業者さんの言い分としては「基礎全体がコンクリートなので耐震性も高くて安心でしょう?」「布基礎より丈夫なんだから、とりあえずベタ基礎にしておけば間違いない」というものが多く、中には「今はほとんどの会社がベタ基礎を選んでいますから」という、流行りに近い感覚でベタ基礎にしているケースもあるようです。

 

ただ、ベタ基礎が増えた背景には、実は制度の変化もあります。2000年(平成12年)に住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)が施行され、新築住宅の構造部分について10年間の瑕疵担保責任(欠陥があったときに直す責任)が義務づけられました。同じ年に、地盤の強さと基礎の種類の関係を定めた告示(平成12年建設省告示第1347号)も出ています。これをきっかけに地盤調査が普及し、地盤の強さによっては「布基礎は不可・ベタ基礎ならOK」という判定が出やすくなったことが、ベタ基礎が広まった一因と言われています(一般社団法人日本住宅基礎鉄筋工業会の解説より。2026年9月時点)。

 

確かに、きちんと施工したベタ基礎は、布基礎と比べると鉄筋量が違いますし、面で支える分、地盤が少し弱めでも沈みにくい基礎になります。ですが、詳しくは後ほど解説しますが、費用は布基礎よりかかりますし、きっちりやれば工期も人手もかかります。施主さんにとっては負担も増える、ということです。

 

先に言ってしまうと、ベタ基礎が悪いということではありません。むしろベタ基礎は良い基礎です。耐震性にも優れていますし、湿気対策やシロアリ対策にも(布基礎より)有効です。

 

ただ、「とりあえずベタ基礎」というその判断基準が、流行りとか、なんとなくとか、曖昧なのはどうなのかな、、、という話なのです。本来は、地盤調査の結果と建物の重さを見比べてから決めるもの。その理由を、順を追って解説していきます。

ベタ基礎と布基礎の使い分け|地盤の固さと建物の重さから考える

ベタ基礎と布基礎のどちらにするか考えている人のイラスト

 

さて次に、ベタ基礎と布基礎をどうやって使い分けるのかを見てみましょう。まず前提として、先ほどもお伝えしたように、地盤に基礎が載っている面積が狭くなればなるほど接地圧が上がり、地面に沈みやすくなります。ですが、地盤がしっかりしていれば、布基礎でも十分に安定した家が建てられます。

 

それとあわせて、建物が重ければ重いほど地面に沈みやすくなる、ということを考えると、、、

  • 建物が重くて、地盤は改良するほどではないがそこそこの固さ ⇒ ベタ基礎
  • 建物は重いけど、地盤は固くこのままでも耐えられる ⇒ 布基礎でもOK
  • 建物は重いけど、地盤改良をしてしっかり固さがある ⇒ 布基礎でOK
  • 建物は軽くて、地盤はしっかり固さがある ⇒ 布基礎でOK

まとめてみると、、、ベタ基礎でないといけない場合というのは、実はごく一部なのです。

 

ただ、防湿効果が高いのもベタ基礎の良いところなので、「絶対にカビの心配はしたくない」とか「浸水しやすい地域だ」といった場合には、防湿のためにベタ基礎にするというのは十分ありだと思います。

 

要は何が言いたいのかというと、「絶対にベタ基礎でないといけないケースは少ないので、費用も気になるなら、地盤と建物からきちんと判断して、必要に応じて施工してくれる業者を探した方がいい」ということです。判断の根拠を示さずに「ベタ基礎一択です」と言われたら、一度その理由を聞いてみてください。それに、きちんと施工してこそベタ基礎の良さが生きるのに、鉄筋の量や配置が心もとない「ベタ基礎のような何か」になっているケースも、残念ながらないとは言えません。

 

ここでいう「建物の重さ」というのは、平屋か2階建てか、屋根が瓦か金属か、外壁がタイルかサイディングか、といったことで変わります。同じ広さの家でも、仕様によって基礎にかかる重さは違うわけです。だからこそ、「基礎の種類を決めるには、建物の仕様がある程度決まっている必要がある」という順番になります。

ベタ基礎の湿気・シロアリ・耐震はどうなの?

ベタ基礎の湿気・シロアリ・耐震性についてのイメージ

 

シロアリ、湿気、地震、、、そういうものをきちんと対策しようと思うと、自然と基礎に目が行きますよね。『じゃあベタ基礎はどうなの?』という質問に、ひとつずつお答えしていきます。

ベタ基礎と湿気

布基礎でも床下に防湿コンクリートを敷いているので、単純に考えると「どっちでも湿気対策になるんじゃないの?」と思ってしまいますよね。ただ、布基礎の防湿コンクリートは鉄筋の入らない薄いもので、構造体の一部ではありません。一方のベタ基礎は、鉄筋の入った厚い底盤で床下全面を覆い、その下に防湿シートを敷くことも多いので、地面からの湿気が床下に伝わりにくいのは、ベタ基礎の方と言えます。

 

一点注意が必要なのは、コンクリート自体に水分が含まれているため、新築から1〜2年ほどは、コンクリートの水分が抜けていく過程で床下の湿度が高くなりやすいと言われていることです。「ベタ基礎なのに床下が湿っている」と心配になる方もいますが、この時期は床下の空気を動かすことがポイントになります(詳しくはこの章の最後で)。

布基礎の湿気対策はどうする?

「布基礎 湿気対策」で検索してこの記事にたどり着いた方もいると思いますので、布基礎の場合の湿気対策も整理しておきます。布基礎は床下の地面がむき出しになりやすい構造なので、湿気対策はベタ基礎以上に意識しておきたいところです。

 

一つ目は、床下の地面を防湿コンクリートまたは防湿シートで覆うこと。地面から上がってくる水蒸気を、床下に入る手前で止めるのが基本です。今の新築であれば、布基礎でも防湿コンクリートを打つのが一般的になっています。中古住宅で床下が土のままなら、防湿シートを敷くだけでも違いが出ます。

 

二つ目は、床下の換気です。基礎と土台の間に基礎パッキン(通気用のすき間を作る部材)を入れて、床下に外の空気が通るようにします。昔の家によくある四角い床下換気口も同じ目的のものです。周囲の環境で湿度が高い場合は、床下換気扇や調湿材(床下に敷いて湿気を吸ったり吐いたりする材料)を追加する方法もあります。

 

三つ目は、そもそも床下を「室内側」に取り込んでしまう考え方です。基礎で断熱する基礎断熱にして、床下の空気を室内と一緒に動かす方法で、床下エアコンとの相性も良い方法です。ただし基礎断熱はベタ基礎と組み合わせるのが一般的なので、布基礎で検討する場合は業者さんに相談してみてください。

 

床下の防湿・断熱の実際の施工(玄関土間やお風呂の下)は、現場写真つきでこちらの記事にまとめています。

 

ベタ基礎とシロアリ

シロアリに関しては、ベタ基礎なら100%侵入しない、とは言い切れません。「ベタ基礎はぐるっとコンクリートで囲っているんだから大丈夫でしょう?」と言いたくなるかもしれませんが、ベタ基礎は底盤と立ち上がりを別々の日に打つことが多く、その打ち継ぎ部分や、コンクリートが乾燥するときにできる細かいひび割れから、シロアリが入ってくる可能性はゼロではないのです。

 

また、配管がコンクリートを貫通する部分のすき間も、シロアリの通り道になり得ます。なので、布基礎よりは安心だけれど、100%平気と断言することはできない、ということになります。そのため、ベタ基礎で木造住宅を建てる際にも、土台や柱の下部に防蟻処理(人体への影響が少ないとされる薬剤の塗布など)を行うのが一般的です。

ベタ基礎と地震(耐震)|基礎の最低寸法は告示で決まっている

ベタ基礎が地震に強い、というのは、面で建物を支えることで揺れを地盤に分散して伝えやすい、という意味では確かです。ただ、ここで一つ、正しく知っておいていただきたいことがあります。

 

木造住宅の基礎の最低限の仕様は、建築基準法にもとづく「平成12年建設省告示第1347号」という告示で決まっています。まず、地盤の強さ(長期許容応力度。1平方メートルあたり何キロニュートンの重さに長期間耐えられるか)によって、選べる基礎の種類が次のように分かれます。

地盤の長期許容応力度 選べる基礎
20kN/m2未満 杭基礎のみ
20以上30kN/m2未満 杭基礎・ベタ基礎
30kN/m2以上 杭基礎・ベタ基礎・布基礎

 

つまり、地盤調査の結果が20〜30kN/m2の間だと、布基礎は選べずベタ基礎(または杭基礎)になる、というルールです。「地盤調査をしたら布基礎はダメと言われた」というのは、この区分によるものです。

 

そして、構造計算をしない場合のベタ基礎・布基礎の最低寸法は、同じ告示で次のように定められています。

項目 ベタ基礎 布基礎
立ち上がりの高さ(地上) 30cm以上 30cm以上
立ち上がりの厚さ 12cm以上 12cm以上
底盤の厚さ 12cm以上 15cm以上
根入れの深さ 12cm以上 24cm以上

 

根入れ(ねいれ)というのは、基礎が地面に埋まっている深さのことです。また鉄筋についても、立ち上がりの主筋に径12mm以上の異形鉄筋、補強筋に径9mm以上の鉄筋を30cm以下の間隔で、底盤にも径9mm以上の鉄筋を縦横30cm以下の間隔で、といった最低限の決まりがあります(いずれも2026年9月11日時点の告示の内容です。告示は改正されることがありますので、最新の内容は国土交通省の公開資料でご確認ください)。

 

ここで大事なのは、これらはあくまで「最低限」の数字であって、この数字を満たしていれば耐震等級3、というものではないということです。耐震等級(住宅性能表示制度で、地震への強さを1〜3の等級で表すもの)は、壁の量や配置、接合部、床や屋根の固さ、そして基礎まで含めた建物全体の構造の検討で決まります。「ベタ基礎だから耐震等級3」「基礎が厚いから耐震等級3」という説明を受けたら、少し立ち止まって、建物全体でどう検討しているのかを聞いてみてください。

 

もう一つ付け加えると、2025年4月の建築基準法改正で、これまで確認申請のときに構造の審査が省略されていた木造2階建て住宅でも、壁量計算などの構造関係の図書を提出して審査を受ける仕組みに変わっています(2026年9月時点)。基礎を含めた構造の根拠を「書類で示す」のが当たり前になってきた、ということですね。

 

耐震の考え方そのものについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

 

 

ベタ基礎でも床下に湿気が出る原因と対策

これね、、、最近は日本各地で異常気象と言われる水害が頻発しているので、気になる方も多いと思います。ベタ基礎で建てても、床下に湿気が発生してしまう原因はあるのです。

 

一つは、先ほど触れた新築時のコンクリートの水分。もう一つは、ベタ基礎で建てる家は、家自体の気密性も高めた住まいが増えてきていることです。外から入ってきた水蒸気や水、建材に含まれている水分が、気密性が高いゆえに”排出しきれない”状態になってしまうことがあります。

 

最近ニュースになることも多い大雨の影響で、床下に入り込んだ雨水が乾くのに時間がかかっている、ということもあります。これには対策があって、床下に調湿材を敷き込んだり、床下と居室をつなぐ通気口をふさがず、空気の通りを良くするのが有効です。それだけでは足りないくらい、周囲の環境などの影響で湿度が高い場合には、床下に換気扇を設置するという方法もあります。

 

基礎断熱の家であれば、床下は「室内側」ですので、床下の空気を意識的に動かす(床下エアコンやガラリ、換気経路に床下を含めるなど)ことがポイントになります。基礎断熱と床断熱の違いについては、記事の最後の「よくある質問」でも触れています。

ベタ基礎と布基礎の費用の違い|金額より「何にお金がかかるか」

ベタ基礎と布基礎の費用の違いのイメージ

先ほど簡単に解説しましたが、材料も手間も多く必要になるので、ベタ基礎の方が布基礎より費用がかかるのは、避けて通れない事実です。

 

具体的には、ベタ基礎は床下全面に鉄筋を組んでコンクリートを打つので、鉄筋の量、コンクリートの量、型枠や配筋の手間、その分の工期が布基礎より増えます。布基礎は逆T字の部分だけに鉄筋コンクリートを使うため、材料も手間も抑えやすい、という関係です。

 

では差額がいくらか、というと、これは建物の大きさ(基礎の面積)、地盤の状態、基礎の高さや鉄筋の仕様によって大きく変わりますので、この記事では金額を書きません。「ベタ基礎の方がいくら高い」という数字を目にすることもあると思いますが、それがそのまま自分の家に当てはまるとは限らないからです。自分の家の場合の差額は、見積もりの「基礎工事」の内訳で比べるのが確実です。

 

ここで考えていただきたいのは、その差額を「とりあえずベタ基礎がいいですよ」と、なんとなくで決めてしまっていいのかな、ということです。基礎に必要な分のお金をかけるのは当然ですが、必要でない分は、別の場所(断熱や耐震、あるいは暮らしのための設備)に回した方が、10年後・20年後の満足につながるかもしれません。

「ベタ基礎は安い」と言われたら?

さっきも言いましたが、大事なことなのでもう一度。

 

「ベタ基礎は安いからおすすめなんですよ」という説明があったとしたら、ここまで読んでいただいた方なら「あれ?」と思うはずです。ベタ基礎は布基礎より材料も手間もかかる基礎ですので、「安い」という説明には、何と比べて安いのか、どこかで手間や材料を省いていないか、確認が必要です。

 

同じように、「とりあえずベタ基礎にしておけば安心ですよ」という説明も、個人的にはもう一歩踏み込んで聞いてほしいと思っています。もちろん悪気があって言っているわけではなく、多くの場合は「ベタ基礎の方が一般的に安全側」という経験則からの言葉だと思います。ただ、その会社が地盤調査の結果と建物の重さをどう見て基礎を決めているのか、そこまで聞いてみると、家づくり全体の進め方も見えてきます。

 

本来は、設計した建物の重さなども考えて、地盤調査をした結果と見比べてから初めて「じゃあ今回はベタ基礎にしましょうか」となるはずです(施主さんがどうしてもベタ基礎を希望している、という場合は除いて)。だからこそ、しっかり任せられる業者かどうかを、基礎の決め方から見極めてほしいのです。

基礎の決め方で信頼できる業者を見極める

さて本題です。『基礎だけでなく、設計・施工に関して全面的に任せられる業者を探したい』と考える施主さんがほとんどではないでしょうか。でも、素人目線で見て本当に信頼できる業者かどうか、何を見て判断すればよいのかなんて分からない。そんなときは、ここまでの解説をヒントに、次の3つを見てみてください。

1. どの段階で基礎を決めたのか

まず見るべきは、『どの段階で基礎を決定したのか』です。地盤調査の前から「ベタ基礎です」と決まっているのか、地盤調査の結果と建物の仕様を見てから決めているのか。ここが一番分かりやすい見極めポイントです。

 

「うちは全棟ベタ基礎です」という会社さんも多いですし、それ自体は安全側の判断なので悪いことではありません。ただその場合も、「地盤調査の結果によっては、地盤改良や杭が必要になることがありますよね?」と聞いてみてください。地盤調査→建物の重さ→基礎の仕様、という順番を当たり前のように説明できる会社なら、基礎以外の部分もきちんと考えている可能性が高いと感じています。

2. 鉄筋の量と配置を見せてもらう

この基準が分からない建売とか、建築中の建物を購入したい、聞いてもいまいちはぐらかされる、、、そんなときには、工事中の基礎現場をのぞいてみましょう。あるとは限らないので、タイミングと運も必要です。場合によっては、基礎工事中の写真を何棟分か見せてもらうのもありです。

 

そこで見るべきポイントは、『鉄筋がどのくらい基礎に入っているか』です。『え?こんなにたくさん鉄筋を組むものなの?』と思えるくらいなら、まず心配は少ないと思います。『そこまでぎっしりではないけれど、こんなものなのね』と感じる程度なら、それがベタ基礎として本当の価値があるのか、少し疑問です。鉄筋の太さや間隔は、先ほどの告示の最低寸法や、構造の検討結果にもとづいて決まりますので、「この鉄筋の仕様はどうやって決めていますか?」と聞いてみるのも良いでしょう。

 

ちなみに、コンクリートを打ってしまうと鉄筋は見えなくなります。配筋検査(コンクリートを打つ前に鉄筋の状態を確認する検査)の写真を残しているかどうかも、一つの目安になります。

3. 地盤調査の結果を見せてくれるか

三つ目は、地盤調査の報告書を、説明つきで見せてくれるかどうかです。地盤調査の結果は、基礎の種類を決める一番の根拠です。「調査済みなので大丈夫です」という言葉だけで安心せず、「結果はどうでしたか?それでこの基礎になったんですね?」と聞いてみてください。

 

報告書の数字を全部理解する必要はありません。大事なのは、担当者が結果と基礎の関係をきちんと説明できるかどうか。ここが説明できる会社であれば、基礎工事の流れ(掘り方・砕石・防湿シート・配筋・コンクリート打設・養生)についても、きっと丁寧に説明してくれるはずです。基礎工事の流れは、こちらの記事にまとめています。

 

ベタ基礎に関するよくある質問

最後に、ベタ基礎についてよくいただく質問にお答えします。

Q1.ベタ基礎と布基礎、どっちが地震に強いですか?

A.一般的にはベタ基礎の方が有利と言われますが、「布基礎だから弱い」とは限りません。ベタ基礎は面で建物を支えるので、地震の揺れを地盤に分散して伝えやすく、不同沈下(建物の一部だけが沈むこと)にも強いとされています。ただし、地盤が十分に固ければ布基礎でも安定した家は建てられますし、地震への強さは基礎だけでなく、壁の量や配置、接合部など建物全体で決まります。基礎の種類だけで「地震に強い・弱い」を判断しないことが大切です。

Q2.ベタ基礎ならシロアリは来ませんか?

A.来にくくはなりますが、100%防げるわけではありません。コンクリートの打ち継ぎ部分やひび割れ、配管の貫通部のすき間などから侵入する可能性はあります。そのため、ベタ基礎でも土台や柱の下部への防蟻処理と、床下点検口からの定期的な点検は必要です。「ベタ基礎だからシロアリ対策は不要」という説明があったら、少し注意してください。

Q3.ベタ基礎の寿命はどのくらいですか?

A.「何年」と一言で言える数字はありません。基礎の鉄筋コンクリートは、コンクリートの品質、鉄筋を覆うコンクリートの厚さ(かぶり厚さ)、施工の丁寧さ、その後の環境(湿気やひび割れの放置)によって、もちが大きく変わるからです。丁寧に作られた基礎であれば、木造住宅の建物本体より先に基礎がダメになることは考えにくい、というのが一般的な見方です。逆に言うと、配筋や打設が雑だと、いくらベタ基礎でも本来の性能は出ませんので、やはり施工が大事、ということになります。

Q4.ベタ基礎と基礎断熱・床下エアコンの関係は?

A.基礎断熱や床下エアコンは、ベタ基礎と組み合わせるのが一般的です。基礎断熱は、基礎の立ち上がりで断熱・気密を取って床下を「室内側」に取り込む方法で、床下エアコンはその床下を暖気の通り道として使います。床下全面がコンクリートの底盤で覆われているベタ基礎の方が、床下を室内側として扱いやすいためです。基礎断熱にするかどうか、床下エアコンを付けるかどうかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

まとめ|必要と希望に応じてベタ基礎を選ぶ

ベタ基礎は湿気・地震対策に有効というまとめのイメージ

ベタ基礎って何?というところから、布基礎との違い、使い分け、湿気・シロアリ・耐震、費用の考え方、業者の見極め方まで、長々と語らせていただきましたが、言いたいことは伝わったでしょうか。

 

ベタ基礎は、面で建物を支えて接地圧を下げる基礎で、地盤がやや弱めでも沈みにくく、湿気やシロアリにも布基礎より有利です。一方で、材料も手間も多くかかる基礎ですので、「とりあえずやっておけ」というほど気軽なものではありません。ただ、高いなりに地震に強く、湿気対策にもなるので、そういった対策として十分に検討の余地がある基礎でもあります。

 

どれだけ高価な建物、気に入った建物を建てても、その足元である【基礎】の選定を間違えてしまってはどうしようもありません。最悪の場合、地震で倒壊する以前に、自重で不同沈下(建物の一部だけが沈んで傾くこと)なんてことにもなりかねませんので、基礎は「地盤調査の結果」と「建物の重さ」から、必要と希望に応じて選ぶことを忘れないでください。

 

これから家を建てる方、今検討している建売があるという方。基礎の考え方も、良い施工業者選びの条件に加えて、本当の意味でみなさんのために良い家を作ってくれる会社を探してください。一生に一度の買い物。みなさんが「この家にしてよかった」と満足のいく家に住んでいただきたいと思います。

 

基礎の話は、文章よりも実際の建物と現場を見るのが一番です。愛知県小牧市のモデルハウスで、基礎から考えた高気密高断熱の家の空気感をぜひ確かめてみてください。

 

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