新築時のトラブルは多い!どんなトラブルがあるか・賢い立ち回りは?
自宅を新築するというのはきっとどなたにとっても心踊るイベントです。
ですが…それもある事がきっかけで新築工事が進んでいくのが苦痛になる事があります。もちろん今回は【図面と違う!】とか【こんな色じゃなかった!】とかだけではなく建築工事関係者以外の要因も、、、
そうそれは近隣トラブルも含まれます。
残念なことに新築工事の工事期間、、、実はこのタイミングでのトラブルは少なくありません。
(トラブルばかり、ということではありませんが)
どんなトラブルがあるのか知っておく事で、トラブルを回避することも可能です。しかし知らずにいれば思いがけないほど大きなトラブルになってしまい訴訟!なんていうことになるケースもあるのです。
ですので!
ここでは、どんなトラブルが起こりやすいのかを知って頂き、対策をとるための情報をお伝えしつつ、トラブルになってしまった時にはどんな行動をすれば良いのか?ということもまとめていきます。
では、どんなトラブルが起こりやすいのかという事からみてください。
◆今回はこんな方の為に書いています。
⇒新築時のトラブルの種類
⇒近隣トラブルに巻き込まれたくない方へ
◆今回の記事を読むとこんなことがわかります。
⇒新築時のトラブル回避の方法
⇒近隣トラブルに巻き込まれた時の対処法
新築時のトラブルはどんなものがある?
この記事のもくじ
では早速!まずは興味深いデータから見てください。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターによせられた紛争処理事件1,351件(2019年3月末時点)のうち約65%は新築戸建注文住宅に関するものだそうです。
いわゆる注文住宅建築時のトラブルということになりますが、トラブル発生までの期間は1年以内で約36%、1年から2年の間に起こったものが約26%と2年以内で半数以上を占めているというデータがありました。3件に1件はトラブルに、、、正直な話、弊社の場合も図面に記載のあるものを見落としたり、見積もり忘れだったり、、、あります。
無いようにとは思っているのですが、パーフェクトではない部分もあります。ただここで、弊社がすぐに動き対処する事でトラブルに発展していない(お施主様が優しい)のだと思います。お施主様に感謝です<(_ _)>
さて、本題に戻りますが、新築時のトラブルでよく耳にするのが、「見積もりよりも高い金額を請求されている」・「依頼した仕様と異なる施工になっている」といったトラブルだけでなく、建具や設備の不具合によるトラブルも多いのです。
どのような不具合があるのかみていくと、一番多いのが「内装外装の不具合」に関するものだそうです。
これから新築しようとされていらっしゃる皆さんが一番気になるところなのではないかと思いますので、ご自身が引き渡しを受け住み始めるにあたり見ておくべきポイントがどこかを把握するためにもチェックしてください。
というわけで「内装外装のどんな不具合がトラブルになっているのか」、紛争処理支援センターに寄せられた内容から、発生率の高い順に紹介しますね。
1 基礎や外壁のひび割れ
2 床や内壁・開口部・建具の変形
3 床・内壁・外装の汚れ
4 雨漏り
5 内壁・外壁・床などのはがれ
6 床の傾斜
基礎や外壁のひび割れ
基礎の仕上げ方によりますが、一般的には最後にモルタルを薄塗りして仕上げるケースが多いと思います。その場合施工日の天気や気温・日のあたり方でモルタルの表面の水分の乾燥が早すぎると後々ヒビの原因になります。この表面のヒビ割れだけでしたら構造上問題はありませんが、見た目が良くありませんよね?あとはそのヒビの太さ。ヘアクラック(髪の毛ほどの太さ)はそこまで気にしなくて良いと思いますが、遠目から見てもわかる程度のクラック(ヒビ)があるのであれば補修してもらってもいいのかもしれません。
外壁のヒビ?というのがいまいち良くわかりませんが、サイディング(窯業系壁材)の場合(特に釘打ち施工)は金具留めでも施工中に足場にぶつけた事に気づかずそのまま施工してしまったとか、施工時は問題なかったけど後施工の他の業者さんが何かをぶつけてしまった等が考えられます。少しの傷?表面の色落ち程度でしたらタッチアップ材で修復できますが、明らかなひび割れは当該箇所を変えてもらった方が防水の観点からも良いと思います。
床や内壁・開口部・建具の変形
床や内壁:例えば素材を間違えた。これはすぐに間違えに気づいた時点で張替えを申し出てみましょう。そこからは双方の話し合い?【まあ仕方ないか、、、なにか他の事で穴埋めしてね】となるか、【ここはこだわって選んだので申し訳ないけど替えて下さい】となるか、いずれにしても話し合いの場をもって冷静に解決の色口を見つけましょう。
開口部:これは図面の取り違え?が怖いですね、、、耐震的に大丈夫なの?と言う所まで問題が発展してしまいます。耐震に問題の無い壁での出来事ならまだ何とかですが、万一耐震的に重要な耐力壁だった場合は、、、考えるだけで怖いです。
建具の変形:歪み?建付け?表面の凹み?等々いろんなことが考えられます。調整や取り換え?若しくはメーカー品の建具でしたら初期不良も考えられるので担当者さんに一度見てもらった方が良いと思います。
床・内壁・外装の汚れ
床・内壁・外装の汚れ:汚れの種類によりますが汚れの元が水性であれば中性洗剤を薄めたもので軽くこする、油性のモノであれば奥さんの除光液などでも消える場合があります。ただしその場合は換気をしながらの方が部屋中が除光液臭くならないので是非換気をしてくださいね。
雨漏り
雨漏り:原因は多岐にわたりますので、、、その当該箇所をまずは調べ上げることが先決です。雨漏りしている箇所例えばサッシの下枠から出ていた場合その個所に蓋をするようにコーキングなどで埋めてしまうとその部分からは水は出なくなるかもしれませんが、他の違う個所に水が廻っていくだけです。原因はサッシかもしれませんし屋根かもしれませんし、近くのフードや電気の引き込み部分かもしれません。まずは徹底調査が必要です。
内壁・外壁・床などのはがれ
内壁・外壁・床などのはがれ:塗り壁の場合はほとんどめくれなどはないですが、クロスなど貼るモノは接着や固定の仕方原因が多いように思います。意外と接着材・ノリ・釘・ビスで直る場合が多いです。床の剥がれは表面のシートがった場合は厄介です。その点無垢のフロアはその心配がありません。
床の傾斜
床の傾斜:これがかなりひどい場合、ドアが開きにくきとか予兆として出てくる場合があります。そのような予兆が無い場合でも土台や、ひょっとしたら基礎の不陸が原因かもしれません。ただ、基礎打設後に天場のレベルチェックをしているはずなので、土台の木が経年でひょっとしたら痩せてきたり、束が緩んでしまっただけかもしれません。これも雨漏り同様に原因を徹底調査が必要です。
そのほか内容として補修工事ではないけれどトラブルになりやすい事例としてはこのようなものがあります。
1 思いがけない追加費用の請求
2 予定通りに工事が進まず入居できない
これって結構困ります、、、追加費用に関しては納得できない場合、弁護士さんをいれたり次で詳しく紹介する「消費者センター」に相談してアドバイスを仰ぐこともできます。入居が遅れてしまうというケースも結構あるようですが、場合によっては遅れた期間分の仮住まいの費用を補償してもらえるケースもあります。
思いがけない追加費用の請求って、、、どんな時に?そもそも工事期間中にお施主様から【ここを変更したい】とか【これを追加したい】というお話が出た場合。その場でだいたい○○円位かかりますよ?やりますか?とか、業者とお施主さんで会話は無いのかな?と思います。勝手に業者が付けたいもの付けてハイお金これだけですってやりゃそれは揉めます。
新築時のトラブルで困ったら消費者センターに相談してみよう
地方公共団体が運営している消費者のための行政機関で「消費者センター」のほか、消費生活相談室・生活科学センター・消費者生活センターなど名称が異なることもある消費者センターというものがあります。
新築時のトラブルだけでなく悪徳商法や商品事故など消費生活に関する相談に、専門の相談員が応じてくれます。利用する場合には在住している当該自治体に属する消費者センターとなりますので調べてみましょう。センターによっては消費生活専門相談員(有資格者)や弁護士や各分野の専門アドバイザーが在籍していることもあります。
新築時のトラブルで裁判になるケースもあります
これには「施主側がどうしても納得できず訴訟を起こす」場合もあれば「施工業者が(自分に有利に働かせるため・もしくは正当性がある場合でも)訴訟を起こす」場合があります。
下記事例があるそうなので紹介しますね。
『引き渡し希望日まで8か月あった段階で”どうしても先に契約を”とせかされ、結局希望日2か月前の引き渡し日が記載された契約書で契約してしまった。そのうえ、実際引き渡し日に設計図をみながら確認していたところ未施工の状態になっているところがあったり、口頭で話していた内容が反映されていない。さらには200万円ほど高い金額を請求されている。』
ということで営業さんと社長さんに話をしにいった施主さんご家族ですが、その際、施工業者は「未施工の部分に関しては設計ミスで取り付け不可能だったから付けていない」や「設計図にはあっても見積もりに入っていないので施工していないのは当たり前」、と言われてしまったそうです。。。
口頭で話していた内容についてもこのような業者さんですから当然のように「そんなこと言った覚えがない」「聞いた覚えはない」と。。。
もちろん施主さん側は「誠意ある対応をしてほしい」という目的をもって未施工箇所の補填もしくは減額してほしいと交渉しましたが話し合いは拮抗状態になってしまったそうです。
さらには施工業者のほうから「お互い言い分が合わないし契約を白紙に戻すことも拒否するのだから、弁護士さんを入れて話をしよう」ということになったのだそうです。
このような事例ばかりではないものの、ありえない話ではありません。しかし、これはかなり悪質?建築会社側の誠意も何もあったものではありません。そもそも設計図は誰が書いたのか?そして建築途中に施工不可能だと思った段階・発見した段階で一言相談をかけるべきだと思いますが、、、
もしそのような基本的な対応をしてくれない業者さんだった場合に、こういう時どうしたらよいか知っておくことで新築時のトラブルでの賢い立ち回りができるのでぜひ覚えておいてください。
このような場合では施主さん側でも弁護士さんを入れて話を進めていくことが重要です。どうしたら良いか迷ってしまったら、先ほど紹介した「消費者センター」に頼るのも一手!
実際相談した結果「弁護士さんだけでは建築に必要な金額や不備を確実には洗い出せない」ということで”弁護士さん + 建築士さん”にも助太刀してもらう形で解決できたという事例もあります。
新築時のトラブルはご近所にも潜んでいます
工事関係者ではなくてトラブルの元が近隣住民さんだったら、、、これもあり得る話です。
新築で夢のマイホーム!とウキウキしていた気持ちが一気にどん底。トラブルが解消しない場合には裁判になるケースもあります。これから長く住む家ですから不要な争いは起こしたくない、ときっとみなさん思われるでしょう。
トラブルにならないためにはやっぱり先人たちから学ぶことが不可欠!
ということで、ご近所さんが絡む新築時のトラブルについてリストアップしたので見てみてください。
- 建築中の騒音でクレーム(ご近所さんが敏感すぎる場合もあります)
- 建築中の職人さんの休憩中の態度(路上に座り込んでタバコを吸うなど)
- 建築中の駐車マナー(邪魔になる場所で駐車してしまっているなど)
- 建築中のゴミの処理がなっていない
- お隣さんの私物(自転車・おもちゃ・プランターなど)が敷地に越境している
- 引越し作業について騒音に対するクレーム(敏感なお隣さんということも…)
などのように建築にかかわる職人さん由来のものもありますが…きちんとした工務店・ハウスメーカーなどでは職人さんへもしっかり伝達されこのようなマナー違反は少ないでしょう。
そのほか住み始めてからのトラブルについては新築時に限らないため割愛しますが引越し前後に起こりがちなトラブルも紹介します。
引っ越し前後や建築が始まる段階では騒音や大型車の駐車などが避けられないため、迷惑をおかけしてしまう旨を伝えつつ挨拶に行くことでこのようなトラブルを回避できることもあります。
ですが問題になりがちなのはお隣さんからの越境です。
これに関しては解決ポイントとして、建築が始まる時点でも越境しているのであれば施工業者さんが建築開始時に周辺にご挨拶をしてくれるケースもあるので、その際などに話をしてもらうことも可能です。
私の知り合いでも、新築時にすでに越境されていたため、この土地に新しく新築されることになりましたので移動をお願いできますか?ということで円満にお話ししてもらい解決した例もあります。
そのほかにも自宅敷地内に大幅に植栽が越境していて落葉も気になるということで、お話をした結果すっきり伐採してもらい住み始めることもできたというケースもありました。
引っ越ししてからいきなり自分で越境についてお話をするのはハードルが高いですよね。このようなケースは事前の解決が可能、ということを覚えておくとスムーズに解決するので覚えておいてください。
まとめ
さて、ここまで新築時のトラブル例や、トラブルの際の行動・予防策などお伝えしてきました。
ここまでご覧いただいた内容から、新築するにあたってどんなポイントに気をつけておくべきか知っておいていただくことでトラブルを回避することもできます。
またこのようなトラブルを回避する最良の方法としては…誠意ある工務店・ハウスメーカーなどの施工業者に依頼するということが大きなポイントとなります!ということを覚えておいていただいて、みなさんの最高のマイホームを建てていただければ幸いです。