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一つの土地に二つの建物は建てれる?土地の分割・分筆上で注意点あり

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ご両親が既にお待ちの土地や、これから広い土地を購入し家を2棟建てたいな〜と考えている方も多くいらっると思います。

結論から言うと、建築基準法上では一つの土地に二つの建物を建てることはできません

一つの土地に二つの建物をたてる場合には、それぞれ独立した土地にする(分筆する)必要があるからです。

ですが、解決策はあります!その方法は渡り廊下でつなぐ方法です。

オガタ

今回は、一つの土地に二つの建物を検討している方向けに建物を渡り廊下でつなぐ方法や費用などについて解説します。

登記や住宅ローンと大きく関係している土地の分割や分筆などについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

◆こんな方におすすめの記事
⇒一つの土地に二つの建物を建てたい!

◆この記事を読むと分かること
⇒立てれない理由と解決策
⇒登記や住宅ローンへの影響

一つの土地に二つの建物を建てれない理由

建築基準法には、一つの土地に一つの建物が原則なので、一つの敷地に二つの住宅が存在することはNGです。土地の所有者や管理者が同一人物であっても認められません。

たとえば、火事があった際に家と家が隣接し過ぎていると延焼リスクが高くなってしまうことから、敷地内に家を建てることができる範囲には決まりがあるのです。

建築基準法施行令第1条
この政令において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 敷地  1の建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地をいう。
二 地階 (以下省略)

一つの土地に二つの建物を建てる時は土地の分割・分筆も確認しよう!

大きな土地を所有していても一つの土地に二つの建物を建てることは法律上では不可能ですが、土地を「分割」あるいは「分筆」する方法で建てることができる場合があります。

土地の分割

土地の分割は、登記上では土地は一つですが、建設設計者が敷地を分割し、分割された二つの敷地を下記のように設定したとします。

  • ご両親の家を既存建物
  • ご自身の家を新築建物

この状態で建築基準法に適合していると判断されれば、一つの土地に二つの家を建てることが可能になるのです。

土地の分割をする際には土地の登記の変更は不要ですが、それぞれの土地に対して既存建物が法律に違反していないかを確認する必要があり、例として道路との間の長さや建蔽率や容積率といった項目です。

加えて新築建物を検討している際には、住宅ローンを組む際に注意点があります。

土地を担保としてローンを組むことになりますが、分割は建築確認上での考え方なので、住宅ローンでは土地全体として設定されることを押さえておきましょう。

土地の分筆

土地の分筆は、登記上2つの土地に分けることを意味します。(前提として既存建物が適法になる範囲での分筆です)

土地の分割と異なる点は二つの建物は全く別の土地となるので、抵当権設定などは新築を建てる土地限定になります。

このように土地の分割・分筆は、建築基準法の確認だけでなく、住宅ローンなどにも大きく関わってくるので理解を深めておきましょう。

【解決策】一つの土地に二つの建物を渡り廊下でつなげる

一つの土地にある二つの建物を渡り廊下でつなげることで、既存住宅の増築扱いとできるケースがあります。

渡り廊下で二つの家を行き来が出来る構造であれば、あくまで増築したこととみなされた二世帯住宅という事になります。

しかし、渡り廊下は壁と屋根に囲まれている必要があるので簡易的な廊下ではNGになってしまうので注意が必要です。

  • 既存住宅の「離れ」として建築するという方法もあり

住宅と判断される基準は、キッチン、トイレ、お風呂が揃っているかがポイントです。これらの設備の中に一つでも作らないとすると、既存住宅の「離れ」として新築をする事が可能なケースがあります。

しかし、水回りとしてどれも生活に必要な設備なので不便になってしまうのが懸念点ですね。

渡り廊下と別棟・同一建築物扱いの関係性

古い建物と新築した建物を渡り廊下でつなげるケースにおいては、同一建築物扱いとなってしまうと古い建物を新築の建物と同じ耐震・耐火基準で改築することが必要になるので注意が必要です。

渡り廊下で繋がる2つの建物が別棟とみなされるためには、屋根も壁も設けた渡り廊下で繋いだ場合クリアするべき条件が色々とあります。

  • 別棟の避難経路とはせず、通行のためだけのものとする(駐輪場などとしない)
  • 居室の壁や天井につく部分は防火に配慮した作りにする(準不燃材などの使用)
  • 渡り廊下のドアから最初の室内のドアまでの距離にしばり

何点か条件をお伝えしましたが、まだ詳細な条件もクリアしなくてはなりません…。なのでこの辺りは建築士と相談しながら進めていただく必要があります。

渡り廊下には2つのタイプがある

  • 増築して二世帯を渡り廊下で接続する
  • 渡り廊下に屋根だけ追加するタイプ

既に一つの家がある場合、今ある家に極力手を入れず新しい家を増新築し、渡り廊下も増築することで移動を楽にしながら最小限の手入れで二世帯住居とすることができます。

ただし、渡り廊下で繋がる建物については建築基準法で細かな規定があるので次項もあわせて確認しておきましょう!

増築以外にも屋根だけつくり床や壁はなしにする方法があります。

カーポートやしっかりした駐輪場などを作り、渡り廊下の変わりに使うこともできて利便性も良い上にコストを抑えることもできるのでオススメですよ〜。

しっかりしたカーポートを作っても20万円前後で済むケースも多くコストダウン効果も高いです。

一つの土地にある二つの建物を渡り廊下でつなぐメリット

テレワークや趣味の部屋などとして使うこともできる『離れ』のある家というのも素敵で使い勝手も抜群ですよね〜。

もちろん親世代、子世帯がそれぞれ程よく距離をとりながら二世帯として生活するためにも、一般的な二世帯住居以上に距離を保ちやすくなります。

二つの建物を渡り廊下でつなげるにはどのくらいの費用がかかる?

すでに親世代もしくは子世帯が建てているところで同じ敷地内に新築もしくは増築する場合に渡り廊下を後付けすることは可能です。

増築する場合の一般的なコストとしては50~200万円ほど(どの程度の設備として作るかで大きく変わるため幅があります)。

敷地内別棟・渡り廊下を検討している人は建築士にまずは相談しよう!

別棟として増築する場合にはお風呂もしくはキッチンのいずれかを新築部分には設けられませんが、渡り廊下でつないだ形で増築可能です。

すべての設備(キッチン・お風呂など)が揃った建物を増新築したいなら、道路にどちらの敷地も2m以上接するようにして、その他の法律上の事もクリアして敷地分割し、別の番地の土地が隣り合っている形で、見た目上敷地内同居とすることも可能。

ややこし!

とーさん

とーさん任せた!

かーさん

愛知県の建築基準法関係例規集によれば、
用途上不可分(新築する建物が元々ある建物なしには生活できない=キッチン・トイレ・浴室の全てが新築する建物には揃っていないことが愛知県の建築基準法で別棟とする条件)の関係にあれば同一敷地内に2つ以上の建物が存在しても良いとされています。

つまり「キッチン・トイレ・浴室のどれか一つが欠けていれば同一敷地内でも別棟として新築できますが、全てを揃えて新築したいなら土地を分割した上で新築する必要がある」ということになるわけです。

また、■ 建築物を別棟と取扱う例(平18.10、[改正]平29.4) に渡り廊下で繋がったケースを別棟とする条件が記載されているので抜粋します

抜粋元:愛知県HPはこちら

(以下抜粋)

次のように渡り廊下等で接続される場合も、別棟として取り扱うことができる。
渡り廊下その他のもので接続される場合の延焼のおそれのある部分は、接続部分には関係なく、建築物(本体 部分)相互の外壁間の中心線から生じるものとする。

1 開放性のある渡り廊下で接続されている場合(開放性の判断は、床面積の算定における吹きさらし廊下の取 扱いに準ずる)

ア)主要構造部が不燃材料で造られているもの イ)通行の用に供するもので、自転車駐輪場など屋内的用途として使用しないもの

ウ)接続部分が本体部分とエキスパンションジョイント等により構造上独立(「建築物の構造関係技術基準解説書」(2015年版) 構造計算上別棟と見做せる場合の扱い(p.23)参照)しているもの

エ)原則、通路は2層以下とし、幅は4m以下のもの(この場合の「層」とは、床・屋根があって連絡する建築物間を通行することができる部分をいう。)

ここがね…色々取り決められていて条件を全て確実にクリアした上で別棟として渡り廊下で繋がる建物を新築する際に注意しなくてはいけない部分なわけです。

どうしても別棟で、渡り廊下も必須!という場合には建築士と相談しながら進めていけばスムーズですよ。

一つの土地に二つの建物を建てる際には暮らしやすさも大切

一つの土地に二つの建物を建て、二世帯がそれぞれ独立して生活できる空間を設けたい場合には、程よい距離感が保てる渡り廊下はおすすめです。

しかし、建築基準法の規定をクリアする必要があることや、登記や住宅ローンといった観点から注意が必要なポイントが多くあります。

法律が関わってくると難しく感じてくることも多いと思うので、悩んだら建築士に相談して解決しましょう!

今回は、皆さんが快適に過ごせる空間のご提案をさせていただきました。家はさまざまな形がありますが、一番大切なことはあなたのライフスタイルにあわせて暮らしやすいかということです。

今回ご紹介したアイデアを参考に住みやすい家づくりをしていきましょう。!

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