「今の建築費と金利だと、1人の収入では希望の家に届きません。お2人で借りれば、、、」。住宅会社や金融機関との打ち合わせで、ペアローンをすすめられた経験のある方も多いのではないでしょうか。
ペアローンは、夫婦がそれぞれ住宅ローンを1本ずつ契約する借り方です。2人分の収入で審査を受けられるため借入可能額が大きくなり、土地代や建築費が上がり続けている今、「ペアローンでないと予算が組めない」という世帯が増えています。
一方で、検索窓に「ペアローン」と打つと「後悔」という言葉が並びます。2026年8月末には、金融庁が50年住宅ローンやペアローンによって返済能力を超えた借り入れが広がることを懸念し、監視を強めるという報道もありました(報道による。詳しくは後述します)。
この記事では、ペアローンの仕組みと、なぜ後悔が生まれるのか、50年ローンと組み合わせたときに何が起きるのか、そして契約前に夫婦で確認しておきたいチェックリストを、専門知識のない方にも分かりやすく整理します。ぜひ最後までご覧ください。
⇒住宅会社や金融機関からペアローン・50年ローンをすすめられ、本当に大丈夫か不安な共働きの方
⇒「2人で借りる」ことのリスクを、契約前にきちんと理解しておきたい方
⇒ペアローンと連帯債務・連帯保証の違い、そして後悔が生まれる6つのパターン
⇒50年ローンと組み合わせたときの総返済額・完済年齢の変化と、契約前のチェックリスト
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ペアローンとは? 連帯債務・連帯保証との違い
ペアローンの仕組み 2本の契約と「お互いが保証人」
ペアローンとは、1つの家を買うために、夫婦(親子の場合もあります)がそれぞれ自分名義の住宅ローンを1本ずつ契約する借り方です。契約は2本なので、返済口座も2つ、返済予定表も2枚になります。住宅金融支援機構のフラット35でも、ペアローンは「2つの融資」として扱われています。
そして多くの場合、夫は妻のローンの、妻は夫のローンの連帯保証人(借りた本人が返せなくなったとき、代わりに返す義務を負う人)になります。つまり「自分の分だけ返せばよい」のではなく、相手の分にも責任を負う形です。ここが、後で出てくる後悔のほとんどの出発点になります。
たとえるなら、2人で1台の車を買うのにローンを2本組み、お互いの保証人にもなっているような状態でしょうか。片方が払えなくなれば、もう片方に請求が来ます。
連帯債務型・連帯保証型(収入合算)との違い
夫婦2人の収入を使う借り方には、ペアローンのほかに「収入合算」があり、収入合算はさらに連帯債務型と連帯保証型に分かれます。3つの違いを表にまとめます。
| ペアローン | 連帯債務型 | 連帯保証型 | |
|---|---|---|---|
| 契約の本数 | 2本 | 1本 | 1本 |
| 借りる人 | 夫婦それぞれ | 夫婦2人 | 1人 |
| もう1人の立場 | 互いに保証人 | 連帯債務者 | 連帯保証人 |
| 住宅ローン控除 | 2人とも | 2人とも | 1人のみ |
| 団信 | 2人とも加入 | 原則1人 | 1人のみ |
| 諸費用 | 2本分 | 1本分 | 1本分 |
※2026年9月時点の一般的な整理です。連帯債務型の団信には、夫婦2人で加入できる商品(フラット35の「デュエット」など)もあります。取り扱いは金融機関ごとに異なります。
連帯債務型は「1本のローンを2人が連名で借りる」形、連帯保証型は「1人が借りて、もう1人は保証人になるだけ」の形です。住宅ローン控除や団信の対象になるかどうかが変わるので、「2人で借りる」と一口に言っても中身はかなり違います。
ペアローンは「2本の契約+互いに保証人」。連帯債務・連帯保証とは、控除・団信・諸費用の扱いが違います。
ペアローンのメリット
後悔の話に入る前に、メリットも公平に押さえておきます。
1つ目は、借入可能額が増えることです。2人分の収入で審査を受けるため、1人では届かなかった金額が組めるようになります。
2つ目は、住宅ローン控除を2人とも使えることです。住宅ローン控除は、年末のローン残高の0.7%を原則13年間(新築の場合)、所得税などから差し引く制度で(国税庁、令和8年4月1日現在法令)、ペアローンではそれぞれの残高に応じて2人とも対象になります。
3つ目は、団信(団体信用生命保険。契約者が亡くなったり高度障害になったりしたときに、保険金でローン残高が返済される保険)に2人とも加入できることです。連帯保証型では契約者しか加入できないので、この点はペアローンの利点と言えるでしょう。
借入額・控除・団信の3点は確かにメリット。ただし、どれも「2人とも働き続ける」ことが前提です。
ペアローンで後悔が生まれる6つのパターン(ペアローンのデメリット)
ここからが本題です。相談の場やネット上でよく語られる後悔を、6つのパターンに整理しました。どれも特別な人の話ではなく、ごく普通の共働き夫婦に起こりうることです。
①産休・育休・転職・病気で収入が減っても、返済額は変わらない
いちばん多いのがこのパターンです。ペアローンは2人がそれぞれ借主ですから、妻(あるいは夫)の収入が減っても、その人名義のローンの返済は1円も減りません。
例えば4,000万円を夫2,500万円・妻1,500万円に分けて、仮の金利 年2.0%・35年で借りた場合、妻名義の返済は月およそ5万円です(筆者概算・元利均等・ボーナス払いなし。実在の金利ではありません)。育児休業中は、育児休業給付金が休業開始から180日目までは休業前賃金の67%、それ以降は50%が目安です(厚生労働省、2026年9月時点)。収入が3分の2、半分と減っていく中で、月5万円の返済と保育料が同時にやってくる。数字にしてみると、決して軽くはありません。
さらに、転職で年収が下がった、体調を崩して時短勤務になった、というケースも珍しくありません。「2人とも今の収入で35年間働き続ける」という前提は、実はかなり強気な前提なのです。
収入は変わる、返済額は変わらない。この非対称が、ペアローンの後悔の根っこです。
②離婚したとき、家とローンの整理が極めて難しい
あまり考えたくない話ですが、避けて通れません。ペアローンで離婚すると、「家を誰が持つか」「ローンを誰が払うか」「保証人をどう外すか」の3つが同時に問題になります。
例えば、妻が家を出て、夫が住み続けるとします。妻名義のローンを夫に一本化したくても、ローン名義の変更には金融機関の承諾が必要で、離婚を理由に当然に認められるわけではありません。夫1人の収入で2本分を返せるか、あらためて審査されるのが一般的です。
では売却すればよいかというと、売却価格がローン残高を下回れば、その差額(残債)を2人で分担して返すことになります。しかも夫婦の間で「残りは夫が払う」と決めても、その約束は金融機関には通用しません。元配偶者が滞納すれば、連帯保証人であるもう1人に請求が来ます。
ローン残高が売却価格を上回る状態については、オーバーローンの記事でも触れています。
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離婚時のペアローンは「売っても残る・名義も外れない・元配偶者の滞納が自分に来る」の三重苦になりえます。契約前に知っておきたい事実です。
③団信で消えるのは、亡くなった人の分だけ
「団信に2人とも入れるから安心」とよく言われますが、正確には亡くなった人の名義のローンだけが返済され、残された人のローンはそのまま残ります。
例えば夫が亡くなった場合、夫名義の2,500万円は団信で完済されますが、妻名義の1,500万円は妻が働いて返し続けることになります。収入の柱を失ったうえで、お子さまを育てながら、です。
これに対して、夫婦のどちらかに万一のことがあれば2本とも残高がゼロになる「ペアローン連生団信(夫婦連生団信)」を用意している金融機関もあります(大手銀行・ネット銀行の一部。保険料にあたる金利の上乗せがあるのが一般的で、有無や条件は金融機関ごとに異なります。2026年9月時点)。フラット35でも、連帯債務にした場合に限って夫婦2人で加入できる「デュエット」があります。
「団信に入っているから」で止まらず、「どちらが亡くなったら、いくら残るか」まで確認しておくことが大切です。
④「借りられる額」を「返せる額」と勘違いする(住宅ローンの借りすぎ)
ペアローンの本当の怖さは、仕組みそのものより「借りられる額が増えること」にあるのかもしれません。
金融機関の審査は、年収に対する年間返済額の割合(返済比率)で行われます。例えばフラット35では、年収400万円以上なら35%以下が基準です(住宅金融支援機構、2026年9月時点)。この基準は額面の年収に対する割合ですから、税金や社会保険料を引いた手取りで見れば、もっと大きな割合を返済に充てることになります。2人分の年収で上限近くまで借りると、家計の余裕は驚くほど小さくなります。
「審査に通った額」は「金融機関が回収できると判断した額」であって、「その家族が無理なく暮らせる額」ではありません。ここは何度でも書いておきたい所です。
借りられる額ではなく、片方の手取りだけでも回る額。ペアローンでは特に、この物差しが大切です。
⑤諸費用が2本分かかる
地味ですが、確実にかかるのがこれです。ローンが2本になるということは、契約書に貼る印紙、金融機関の事務手数料、抵当権設定の登記費用(登録免許税・司法書士報酬)などが、それぞれ2本分かかるということです。
フラット35のペアローンでも、抵当権の設定費用は利用者負担と明記されています。金額は金融機関や借入額で変わりますが、1本で借りる場合との差が数十万円単位になることも珍しくありません。見積もりの段階で「諸費用は2本分でいくらか」を必ず確認しておきたいところです。
⑥住宅ローン控除のメリットが、思ったほど出ない年収帯がある
「2人とも控除が使えるからお得」という説明も、少し立ち止まって考えたい所です。
住宅ローン控除は「納めている所得税(と一部の住民税)から差し引く」仕組みです。もともと納めている税金が少ない人は、控除の枠があっても引ききれません。産休・育休で所得がなくなった年は、その人の控除は事実上ゼロになります。
また、控除の対象になる借入残高には上限があります。2026年に入居する新築の場合、認定長期優良住宅などで4,500万円、省エネ性能が下がると3,500万円・3,000万円と決まっています(子育て世帯・若者夫婦世帯は上乗せあり。国税庁、令和8年4月1日現在法令)。この上限に収まる借入額なら、1人で借りても控除の総額は大きく変わらないことがあります。つまり、「2人で借りると控除が2倍になる」わけではありません。
控除は「納めた税金が戻る」仕組み。2人で分ける効果は年収と借入額次第で、諸費用2本分を上回るとは限りません。
住宅ローン50年のデメリット ペアローンと組み合わせると何が起きるか
月々は軽くなるが、総返済額は大きく増える
近年、返済期間を最長50年にできる住宅ローンの取り扱いが広がっています。住宅金融支援機構にも、長期優良住宅などを対象に返済期間36〜50年で借りられる「フラット50」があり、機構自身が「完済時年齢が高くなり、総返済額が増加する可能性」を注意点として挙げています(2026年9月時点)。
数字で見てみましょう。借入4,000万円、仮の金利 年2.0%(全期間一定)、元利均等返済、ボーナス払いなしという条件での筆者概算です。実在の商品の金利ではありません。細かい計算に興味のない方は、表だけ見て飛ばしてください。
| 35年 | 50年 | |
|---|---|---|
| 毎月返済額 | 約13.3万円 | 約10.6万円 |
| 総返済額 | 約5,565万円 | 約6,331万円 |
| 利息の合計 | 約1,565万円 | 約2,331万円 |
| 完済年齢(30歳で借入) | 65歳 | 80歳 |
※筆者概算(2026年9月)。金利は仮定値です。実際の金利・手数料・団信の条件で結果は変わります。
月々は約2.7万円軽くなります。この「月2.7万円」が、住宅会社にとっては「建物にあと数百万円かけられますよ」という提案に化けやすい数字です。一方で、総返済額は約766万円増え、完済は80歳になります。
50年ローンは「月々を軽くする道具」であって「安く借りる道具」ではありません。総額と完済年齢を必ずセットで見てください。
金利上昇の影響が長く続く ペアローン+変動金利ならなおさら
もう一つの問題は、返済期間が長いほど、金利が上がったときの影響が大きく、長く続くことです。
同じ条件で、仮に金利が1%高い年3.0%だった場合を計算すると、総返済額は35年で約6,466万円(2.0%のときより約901万円増)、50年では約7,727万円(同じく約1,396万円増)になります(筆者概算・仮定値)。同じ1%の差でも、50年の方が受ける影響がおよそ500万円大きいのです。
2026年6月の日本銀行の利上げを受けて、9月には複数の大手銀行が変動金利の基準となる金利を引き上げました。金利は上昇局面にあります。ペアローン(借入額が大きい)+50年(期間が長い)+変動金利(金利が動く)という組み合わせは、それぞれのリスクを掛け算する形になります。
変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか、という話は、こちらの記事で詳しく解説しています。
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金利タイプの基本的な考え方は、こちらの記事も参考にしてください。
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期間が長いほど、金利上昇のダメージは大きく長引きます。ペアローン+50年+変動は、リスクの掛け算になりうる組み合わせです。
金融庁が懸念を示したと報じられた理由 なぜ今なのか
報道の中身(2026年9月時点)
2026年8月28日、金融庁が50年住宅ローンやペアローンを通じて返済能力を超えた借り入れが行われている可能性を懸念し、ネット銀行などへの監視を強めると報じられました(海外経済メディアが関係者への取材として報道)。続く9月4日には、金融庁が40年・50年の超長期ローンを扱う大手銀行・地方銀行・ネット銀行を対象に、早ければ今秋にも審査体制の実態把握に乗り出す方針だと報じられています(共同通信)。金利上昇のリスクに加え、収入の減少や資産価値の低下といった懸念点を利用者にどう説明しているかを点検する、という内容です。
なお、これらは関係者取材にもとづく報道です。2026年9月時点で、金融庁がペアローンや50年ローンを「禁止」したり「規制」したりしたという事実はありません。金融庁が2026年7月末に公表したモニタリング・分析レポートでは、不動産関連の貸出動向の中で住宅ローンの長期化・高額化が取り上げられていると伝えられていますが、詳しい内容は同庁の資料をご確認ください。
背景にあるのは、住宅価格と「2人で借りる」世帯の増加
なぜ今、こうした懸念が言われるのでしょうか。背景には、住宅価格の上昇があります。住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査では、土地付注文住宅の所要資金は全国平均で5,007万円、世帯年収の7.5倍に達しています(2025年7月公表)。
そして、2人で借りる世帯が増えています。同機構の「住宅ローン利用者の実態調査」(2025年4月調査)では、ペアローンまたは収入合算を利用した人は全体の39.3%、20代では67.1%、30代では41.9%でした。金利タイプは変動型が79%です。若い世代ほど「2人で・変動で・長く」借りている、という姿が見えてきます。
愛知県は共働き世帯の多い地域です。令和2年国勢調査では、県内の夫婦のいる世帯のうち53.1%(約83万5千世帯)が夫婦ともに働いています(愛知県公表)。名古屋・小牧周辺で土地を買って注文住宅を建てる場合、土地と建物を合わせた総額を考えると、ペアローンが選択肢に上がるご家庭は多いはずです。だからこそこの地域では、「2人で借りる」ことのリスクを人一倍ていねいに考える必要があると感じています。
価格は上がり、2人で・変動で・長く借りる人が増えた。金融庁の懸念は、その延長線上にある話と言えるでしょう。
ペアローンで後悔しないためのチェックリスト
ここまでの内容を、契約前に夫婦で確認できる形にまとめます。
1. 片方の手取り収入だけでも、2本分の返済と生活費が回るか(少なくとも1〜2年は)
2. 産休・育休・時短勤務の期間の返済を、誰の・どのお金で払うか決めてあるか
3. 団信の種類を確認したか(通常の団信か、2本とも完済される連生型か。上乗せ金利はいくらか)
4. どちらかが亡くなったとき、残る側のローン残高はいくらか
5. 万一の離婚時に、家とローンをどうするかを話し合ったか(縁起でもない話ですが、契約前がいちばん冷静に話せます)
6. 返済比率は額面ではなく、手取りベースで計算したか
7. 諸費用2本分を含めた総額で比較したか
8. 繰り上げ返済の余力を残してあるか(50年で借りるなら特に)
8つのうち1つでも「考えていなかった」があれば、契約はいったん止めて、金融機関やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
住宅会社の「ペアローンなら建物にもっと予算をかけられますよ」に注意
最後に、工務店の立場から正直に書いておきます。
住宅会社にとって、施主さんの借入額が増えることは、建物の契約金額が増えることと同じ意味を持ちます。「ペアローンにすれば、あと○○万円は借りられますよ」「50年にすれば月々は変わりませんよ」という言葉は、施主さんのためであると同時に、住宅会社の売上が増える話でもあるのです。これは大手・工務店を問わず、業界の構造としてそうなっています。
もちろん、それが悪意だとは思いません。実際、希望の家を建てるためにペアローンが必要なご家庭はあります。ただ、借入額を増やす提案を受けたときは、「この提案で得をするのは誰だろう」と一度立ち止まってみてください。そのうえで、返済計画の相談は住宅会社だけでなく、利害関係のない専門家にも聞いてみることが、後悔しない家づくりにつながると思います。(住宅会社がこう書くのも変な話ですが、、、本音です。)
借入額を増やす提案は、住宅会社の売上も増やす提案。だからこそ、返済計画は利害のない第三者にも相談を。
Q&A|ペアローンの後悔でよくある質問
Q1. ペアローンはやめたほうがいいですか?
そうとは限りません。夫婦ともに安定した収入があり、片方の収入だけでも返済が回る範囲で借りるなら、控除や団信のメリットを生かせる合理的な選択肢です。問題は仕組みそのものではなく、「2人だから借りられる上限」まで借りてしまうことにあります。
Q2. 連帯債務型とペアローン、どちらがよいですか?
一概には言えません。連帯債務型は契約が1本なので諸費用が抑えられ、控除も2人で受けられますが、団信は原則1人です(2人で入れる商品もあります)。ペアローンは団信に2人とも入れる一方、諸費用は2本分です。取り扱いの有無も金融機関で異なるため、両方の見積もりを取って比べることをおすすめします。
Q3. 途中でペアローンを1本にまとめることはできますか?
借り換えという形で可能な場合はありますが、1人の収入で2本分の残高を借りられるか、あらためて審査を受けることになります。「後で1本にすればいい」と軽く考えるのは避けたいところです。
Q4. 50年ローンは絶対にダメですか?
「絶対」とは言えません。月々の負担を抑えつつ、余裕ができたら繰り上げ返済で期間を縮める、という使い方なら選択肢になりえます。ただし、それは繰り上げ返済ができる家計であることが前提です。50年で借りて50年かけて返す前提の資金計画は、完済年齢と総返済額を必ず確認してから判断してください。
まとめ
ペアローンは、夫婦がそれぞれ1本ずつローンを組み、互いに保証人になる借り方です。借入可能額が増え、住宅ローン控除と団信を2人で使えるというメリットは確かにあります。
一方で、収入が減っても返済額は変わらない、離婚時の整理が極めて難しい、団信で消えるのは1人分だけ、借りられる額を返せる額と勘違いしやすい、諸費用が2本分、控除の効果は年収次第。後悔のパターンは、どれも「2人とも今のまま働き続ける」という前提が崩れたときに現れます。
さらに50年ローンや変動金利と組み合わせると、総返済額・完済年齢・金利上昇の影響が掛け算で大きくなります。金融庁が懸念を示したと報じられているのも、こうした借り方が若い世代を中心に広がっているからでしょう。
家は、建てた瞬間ではなく、10年後・20年後に「この家にしてよかった」と思えるかどうかがすべてです。片方の収入だけでも回る額、万一のときに残る額、諸費用を含めた総額。この3つを夫婦で確かめてから借りることが、後悔しない家づくりの第一歩だと思います。
なお、本記事の制度・数値は2026年9月時点の情報です。住宅ローン控除・団信・各金融機関の商品条件は変わる可能性がありますので、検討の際は最新の情報をご確認ください。






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