版築土塀つくっちゃいました
版築土塀(ハンチクドベイ)ついにつくっちゃいました。
僕たちは家だけに予算を掛けて、家だけ充実すればいい・・・といった考え方ではありません。家だけ考えて外構が何もできなかったりするとちょっぴり寂しい気持ちになります。
可愛い我が子に服を着せてあげられないような・・・そんな感じです。
そんな外構の中でも、植栽を何にするか、砂利敷にするのか土間コン敷にするのかなど整え方はいくつもあります。外構を整えていく際に主役になってくれるものの1つが「門・塀」です。
僕たちもこれまで、ジョリパッド仕上、コンクリート壁、CB積み門塀、最近ではガビオンといろんな門塀にチャレンジしてきました。
因みにガビオンとは↓
そんな中、お施主さんのご協力もあり、念願だった「版築土塀」にチャレンジできました。
この度は、実際に施工した写真と共に「版築土塀」のつくり方と魅力を語れたらと思います。
まず、現場へ到着すると、そこには大きな木箱がありました。
すでにドキドキです。この木箱の正体は型枠と言って、この木箱のカタチに塀が出来る訳です。
上から覗いてみると、口が開いていて、ここから材料となる土を流し込みます。
「版築」の言葉の由来として、板わくの中に土を盛り、1層ずつ杵(きね)で突き固めていく方法とあります。仕上がりだけでは気づきませんでしたが、この木箱も立派な「版築」の一部でした。
次に始まったのは、流し込む材料の調合です。まずは、土、白セメント、石灰を混ぜ合わせます。
重要になるのは水の量です。
水によってドロドロになりすぎてもいけません。
かといって、少なすぎても土が固まらない為、慎重に配合していく必要があります。この辺りが職人さんの経験値。その日の湿度や温度などが関係してきます。
その調合ができたら、1層分ずつ型枠へ流し込みます。ここからはお施主さんにも参加してもらいました。
1層分の土をひたすら突き固めていきます。配筋まわりや型枠の角などは突きにくい為、柔らかくなりがちですが、そこが固まっていないと型枠をばらして完成したときに外周からポロポロと剝がれてしまう為、念入りに打撃を加えていきます。
この作業の繰り返しで土塀が出来ていきます。
完成してから
「この層が私たちの突いた層かなー」と一緒につくった思い出があることで完成後の愛着がより一層まして頂けるかなといった考えがありました。「版築土塀」の地層は突き方で形が変わってしまうので、この世にただ1つのものが完成します。
自分たちだけの財産として思い出と一緒に楽しんで頂ければと思っております。
この後は1週間程固まるのを待ちます。その後型枠をばらし、仕上げの研磨をすることによって完成します。
仕上がりはこのような感じとなります。
建物の焼杉と合わせると少し何とも言えない和を感じさせます。主張しすぎない建物と土塀の雰囲気に合わせて、ヤマモミジを植えて頂いております。
あとは元々土地にあった、大きめの岩などを利用しながら御影石でアプローチを設えまとめて頂きました。
可愛い我が子に立派な服を着せてさあ、嫁入りの準備が整いました。僕たちも感激です!
また1つ自信をもってお勧めできるものを見つけてしまいました!