「冬の夜、暖房なしで寝たら、朝の家の中はどのくらい冷えるの?」「外と家の温度差って、実際どれくらい保てるの?」と気になって検索された方も多いのではないでしょうか。
先に実測の結果からお伝えすると、高気密高断熱住宅で夜に暖房を止めて寝た場合、翌朝の室温は15〜23℃程度を保てていました。冬の明け方は外気温が一桁まで下がっていく時間帯ですから、暖房なしでも外と家の間には大きな温度差が保たれていたことになります。
一方で、性能が低い住宅では、朝布団にくるまったまま寒くて出られない、暖房している部屋と廊下・階段・トイレ・お風呂との温度差に「ぶるっ」とする、、、そんな経験のある方も少なくないでしょう。実はその朝のつらさは、家の断熱・気密の性能で大きく変えられるかもしれません。
断熱・気密の性能は施工会社によってバラバラで、窓などもしっかりこだわる必要があります。この記事では、暖房なし・冷房なしで迎えた朝の室温の実測値、外と家の温度差を生む断熱・気密の仕組み、高気密高断熱なのに暑い・寒いと感じる原因と対策まで、工務店の目線で分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は2026年9月に内容を加筆・更新しました。
⇒冬に暖房なしで寝たら、朝の室温がどうなるのか知りたい
⇒外と家の温度差がどれくらい保てるのか気になる
◆この記事を読むと分かること
⇒暖房なし・冷房なしで迎えた朝の室温の実測値
⇒外との温度差を保つ仕組みと、暑い・寒いの原因と対策
外と家の温度差はどのくらい?【暖房なしの朝の室温を実測】

カタログの断熱性能の数字を見ても、実際の暮らしの快適さはなかなかイメージできません。そこで、高気密高断熱住宅の性能をみるために、夜の冷暖房を止めた状態で朝には室温がどう変化しているか、朝の室温調査をしてみました。
※部屋の構造や広さなどにより温度差があるので、あくまでも参考程度にご覧ください。
冬・暖房なしの朝の室温は15〜23℃でした
夜のエアコンの設定温度は23℃、室温25℃の状態で一晩エアコンを止めて就寝すると、翌朝7時に計った室温は15〜23℃でした。
冬の明け方は、一日の中で最も外気温が下がる時間帯です。外の空気が一桁の温度まで冷え込むような朝でも、暖房なしの室内が15℃前後を保てているのですから、外と家の温度差は、それだけ大きく保たれていることになります。外の寒さがそのまま家の中に入ってこない、というイメージですね。
寒冷地のデータもあったのですが、無暖房でも平均15℃くらいは室内温度をキープしていることがわかりました。
「15〜23℃」と幅があるのは、部屋の広さや間取り、窓の大きさ、前日にどれだけ太陽の熱を取り込めたかなどの条件によって、朝の室温が変わってくるためです。同じ家でも、大きな窓のあるリビングと小さな寝室とでは、朝の冷え方は違ってきます。
それでも、暖房なしで一晩過ごしても室温が15℃を下回りにくいというのは、性能の低い住宅ではなかなか出ない数字ではないでしょうか。
夏・冷房なしの朝の室温は25℃程度でした
では、夏はどうでしょう。夜のエアコンの設定温度は28℃、室温26℃の状態で一晩エアコンを止めて就寝すると、翌朝7時に計った室温はおおよそ25℃程度でした。
猛暑日でも夜から朝にかけて気温は下がり、外気温が25℃以下となりますが、高性能な高気密高断熱の家は外気温の影響を受けにくいので、夜からの25〜26℃は維持したまま。
朝の外気温が低くなるほど、夏の朝は外より室温の方が高くなるので、家の中が暑く感じてしまいやすいです。冬とは逆方向の温度差ですね。この「夏の朝の暑さ」への対策は、後半の「暑い・寒いのはなぜ?」の章で詳しく紹介します。
外との温度差を生むのは断熱・気密の性能
なぜ暖房なしでも、朝まで室温を保てるのか。イメージしやすいのは魔法瓶(真空断熱の水筒)です。
魔法瓶にお湯を入れてフタを閉めておけば、翌朝でも温かさが残っています。家も同じで、断熱(壁・床・屋根・窓から熱が逃げるのを抑える性能)と気密(家のすき間を減らして空気の出入りを抑える性能)が高いほど、夜のうちに蓄えた熱を朝まで逃がしません。
逆に、どちらか一方だけでは効果が半減します。分厚いダウンジャケットを着ていても、前を開けっぱなしにしていたら寒いのと同じで、断熱と気密の両方がそろって初めて、外と家の温度差を朝まで保てるのです。
だからこそ、断熱・気密の施工品質は会社によって差が出やすく、熱の出入りが最も大きい窓・サッシまでこだわる必要があると言えます。
高気密高断熱住宅の冷暖房費はどう変わる?

外と家の温度差を保てるということは、冷暖房に使うエネルギーが少なくて済むということでもあります。
かつての省エネ基準(1980年頃)で建てられた住宅と最近の高気密高断熱住宅を比べると、冷暖房費が年間で十数万円単位の差になるという試算もあります。試算の条件(家の大きさ・地域・暮らし方)によって金額は大きく変わるため、あくまで目安として捉えてください。
もちろん、断熱を強化するには初期費用がかかります。ただ、冷暖房費の差は毎年積み重なっていくものです。10年後・20年後まで見れば、長く住むほど高気密高断熱住宅の冷暖房費はお得になると言えるでしょう。
建てるときの価格だけで判断せず、住み始めてからの光熱費まで含めて比較することが、後悔しない家づくりにつながります。
高気密高断熱が暮らしにもたらす効果
高気密高断熱が私たちの暮らしにもたらす効果は、光熱費だけではありません。
近畿大学の岩前教授の研究結果によると、断熱住宅に引っ越した3万5千人の調査で、「気管支ぜんそく」「アトピー」や「アレルギー性の症状」など15の症状が改善したという結果がわかりました。

画像引用:断熱住宅.com
アトピーは、着用する衣服が減ると、引き金となる衣類からの刺激が小さくなります。部屋全体を適温に保ちやすい高気密高断熱は、冬でも厚着をしなくていいのは大きな特徴です。
他にも、室内と室外の温度差によって生じる結露の発生も抑えられるので、カビ・ダニも出にくくなり、「気管支ぜんそく」や「アレルギー症状」も改善されるという結果につながっています。
冬に暖かいリビングからお風呂に入るために脱衣所へ移動して、衣服を脱いだ瞬間に「ぶるっ」と寒さを感じた方も多くいるでしょう。
浴室と脱衣所に温度差があると、体の表面温度は急激に下がり、血圧の乱高下や脈拍の変動が起こりやすく、ヒートショック(急激な温度差で体に大きな負担がかかる状態)にもつながります。ですが、家の中の温度差を無くすことで、ヒートショックのリスクを事前に減らすことができます。
湿気に左右される傾向が少ない高気密高断熱住宅は、夏は涼しくベトベトせずに快適に過ごしやすいです。防音効果にも優れているため、外の車の音などを遮ることはもちろん、家の中のお子さまの声、ペットの鳴き声なども気にすることなく暮らせるのも魅力の一つですよ。
高気密高断熱なのに暑い・寒いのはなぜ?
高気密高断熱住宅は断熱・気密性が高く、暑い夏も寒い冬も外気温に左右されにくく、室内を快適な温度に保ちやすいのが特徴です。しかし、性能の高い住宅でも冬は寒い、夏は暑いと感じてしまうケースがあるので、以下で対処法とともに紹介していきます。
夏暑い原因と対処法

高気密高断熱の家は夏暑いと言われたり、熱がこもるのではないかと言われたりすることがありますが、原因の多くは窓から入ってくる太陽の日差しです。
高気密高断熱であっても、積極的な日射遮蔽(窓から入る日差しをさえぎること)をおこなわなければ室温が上昇しやすく、結果として「2階が暑い」となってしまうリスクがあります。外と家の温度差を保つ保温力が、夏は「入ってきた暑さを逃がさない」方向に働いてしまうわけです。
夏の暑い日差しを上手にカットする方法は下記の通りです。
- 軒を出す
- 雨戸をしめる
- すだれをかける
- 庇(ひさし)を設ける
- 植物を植えてグリーンカーテンを作る
- 遮光カーテンやブラインドを取り付ける
- 外付けブラインドや外付けシェードを取り付ける
ポイントは、できるだけ「窓の外側」で日差しを止めることです。中でも外付けブラインドは、ガラスの手前で日差しをカットできるため効果の高い方法の一つです。実際に10年以上使ってきた外付けブラインドの実体験(台風で壊れた話も含めて)は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
高気密高断熱住宅で日射遮蔽を適切に行えば、基本的にはエアコン1台で家中どこにいても過ごしやすい温度が保てます。
冬寒い原因と対処法

高気密高断熱住宅でも冬に寒いという原因は、外壁や床、屋根、天井、窓サッシの断熱性が不十分な場合です。
断熱性が低いと、家の北側に配置されることの多いお風呂や脱衣場で寒さを感じてしまいます。「高気密高断熱」とうたわれていても性能はさまざまなので、断熱・気密の数値と施工品質まで確認しておくと安心です。
吹き抜けがあると寒くなりがち(設計と施工によります)ですが、断熱性能と暖房能力の弱点をしっかりとカバーすることができれば、吹き抜けのある開放的な空間でも冬は暖かく過ごすことが可能です。
吹き抜け上部の窓を小さめにし、天井にシーリングファンを取り付けて室内の空気を上手く循環させることで、室内の上部は暖かいのに下部は寒いといった室内の温度差を改善できます。
効率よく冷暖房機器を活用する方法

高気密高断熱住宅ではエアコンを効率よく活用すると、電気代の節約にもつながります。
エアコンには「〇畳用」と適応畳数が表示されていますが、適応畳数のまま購入するのはおすすめしません。
理由は、最近の高気密高断熱住宅に適応畳数どおりのエアコンを選ぶと、性能が高すぎてオーバースペックになりやすいためです。家の断熱性能が分かれば、エアコンに必要なkW数を知ることができますので、ぜひシミュレーションをしてみてください。
また、大きいパワーを使う分電気代がかかる可能性があるので、シミュレーションしてからサイズを選ぶのを推奨します。エアコンの台数・選び方・つけっぱなし運転の電気代については、こちらの記事で詳しく解説しています。
設定温度は人それぞれに好みがあるので一概には言えませんが、夏場は27℃、冬場は23℃程度を目安にしてみるといいでしょう。
電気代の高騰や省エネ意識が高まるなか、24時間運転に抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。ですが、エアコンは冷房時も暖房時も目標温度を達成すると自動運転の場合は切り替わり、電気はあまり消費していません。外と家の温度差を保ちやすい高気密高断熱住宅は、こまめなオンオフよりつけっぱなしの方が効率的な場面も多いのです。
電気代を上手に節約できると家族で外食に行けたり、旅行資金の足しにできたりしますよ♪
外と家の温度差に関するよくある質問
最後に、外と家の温度差や、暖房なしの朝の室温についてよくいただく質問にお答えします。
Q.冬に暖房なしで寝ると、朝の室温はどのくらいですか?
A.実測では、設定温度23℃・室温25℃で暖房を止めて就寝した翌朝7時の室温は15〜23℃でした。部屋の広さ・間取り・窓の大きさなどの条件で変わりますが、寒冷地の無暖房のデータでも平均15℃程度をキープしていた例があります。詳しくは本文の実測の章をご覧ください。
Q.外と家の温度差が大きく保てると、何が良いのですか?
A.外の寒さ・暑さが室内に伝わりにくいため、家の中の部屋ごとの温度差も小さくなり、ヒートショックの予防や冷暖房費の節約につながります。廊下やトイレ、脱衣所まで含めて家全体を快適な温度に保ちやすいのが、高気密高断熱住宅の魅力です。
Q.高気密高断熱の家でも寒いことはありますか?
A.あります。外壁・床・屋根・天井・窓サッシなどの断熱性が不十分な場合です。「高気密高断熱」と名乗っていても性能や施工品質はさまざまです。本文で紹介した冬寒い原因と対処法を参考に、数値と施工までしっかり確認することが大切です。
Q.朝までエアコンをつけっぱなしにした方がいいですか?
A.外と家の温度差を保ちやすい高気密高断熱住宅は、つけっぱなし運転と相性が良いと言われています。目標温度に達した後のエアコンは、あまり電気を消費しないためです。とはいえ光熱費は家の性能や生活スタイルによって変わるため、本文で紹介した関連記事も参考に、ご家庭に合った使い方を見つけてみてください。
まとめ

高気密高断熱住宅で夜の冷暖房を止めて寝ても、実測では冬の朝で15〜23℃、夏の朝で25℃程度の室温を保てていました。外と家の温度差を保てる家は、暖房なしの朝でも「布団から出られない寒さ」になりにくい家と言えます。
ただ、高気密高断熱でいい家だとしても、何もしなければ朝は暑い寒いと外気の影響を受けるものです。やせ我慢をして体調不良を招くより、暑い・寒いの原因や対策を知っておくことは大切です。
デザインや機能と違って、快適性は目に見えるものではありません。
だからこそ、冬の朝の空気感は、実際の建物で体感してみるのが一番です。愛知県小牧市のモデルハウスで、外と家の温度差がつくる朝のあたたかさをぜひ確かめてみてください。
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当記事で紹介したポイントを参考にして、家づくりや快適な暮らしに役立ててみてください。


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