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新耐震基準はいつから? 旧耐震・2000年基準・耐震等級との違いと、実家や中古住宅の見分け方

検査済証

2026年7月28日の令和8年熊本地震(M7.1・最大震度7)では、倒れた住宅の多くが「旧耐震基準」で建てられたとみられる古い木造住宅だったと報じられました。ニュースを見て、「うちの実家は新耐震なのだろうか」「中古住宅を検討しているけれど、築年数で何が変わるの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。

 

「新耐震基準はいつからか」と調べると、「1981年(昭和56年)6月1日」という日付はすぐに出てきます。ただ、本当に知っておきたいのは日付そのものではなく、「何を境目にするのか」と「新耐震なら安心と言えるのか」の2つだと思います。実は、境目は家が完成した日ではありませんし、新耐震の中にも“2000年より前”という要注意の期間があります。さらに「耐震等級」という別の物差しもあって、混同されがちです。

 

この記事では、新耐震基準はいつからなのか、旧耐震・新耐震・2000年基準・耐震等級はそれぞれ何が違うのか、そして実家や中古住宅がどの基準で建てられたかを見分ける方法を、専門知識のない方にも分かるように整理します。ぜひ最後までご覧ください。

 

◆こんな方のために書いています
⇒実家や、購入を検討中の中古住宅が「新耐震」かどうか知りたい方
⇒「新耐震基準」「2000年基準」「耐震等級」の違いが今ひとつピンとこない方

 

◆この記事を読むとわかること
⇒新耐震基準の境目は「完成日」ではなく「建築確認の日」であること
⇒書類・登記・市役所・耐震診断を使った、旧耐震か新耐震かの見分け方

 

関連記事はこちら

 

 

新耐震基準はいつから? 1981年(昭和56年)6月1日が境目

地震と住宅の耐震基準の歩み。1978年宮城県沖地震、1981年新耐震基準、1995年阪神・淡路大震災、2000年基準、2016年熊本地震、2025年壁量基準の見直し、2026年令和8年熊本地震の年表

 

きっかけは1978年の宮城県沖地震

新耐震基準とは、1981年(昭和56年)6月1日に施行された、建築基準法(正確にはその施行令)の耐震に関する基準のことです。この日より前の基準を「旧耐震基準」、この日以降の基準を「新耐震基準」と呼び分けています。

 

改正のきっかけは、1978年(昭和53年)6月12日に仙台を中心に大きな被害を出した宮城県沖地震(M7.4)でした。壁の配置のバランスが悪い建物や、1階が駐車場などで壁の少ない建物が大きな被害を受けたことから、建設省(当時)は建物の粘り強さまで考慮する新しい設計法をまとめ、1980年(昭和55年)に施行令を改正、翌1981年6月から適用されました。

 

つまり、新耐震基準は40年以上前に始まった基準で、その後の阪神・淡路大震災や熊本地震を経て細かな見直しはあったものの、「新耐震基準」という大枠は今も現行の基準として続いていることになります。

 

新耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日施行。宮城県沖地震の教訓から生まれ、現在まで続く耐震基準の大枠です。

 

境目は「完成した日」ではなく「建築確認を受けた日」

ここが、いちばん誤解の多いところです。新耐震か旧耐震かは、家が完成した日でも、登記された日でもなく、「建築確認を受けた日」が1981年6月1日以降かどうかで決まります。

 

建築確認とは、家を建てる前に「この設計は法律に合っていますか」と役所や指定確認検査機関に図面を出して確認してもらう手続きで、これが通って初めて工事に入れます。1981年5月31日までに建築確認を受けた家は、たとえ完成が1981年の秋でも、1982年でも、旧耐震基準で設計されています。木造住宅では確認から完成まで半年前後かかることが多い(実務者の感覚です)ので、「1981年築」「1982年築」と聞いても、旧耐震の可能性が残るのです。

 

え、うちの実家は昭和57年築だから大丈夫だと思っていたのに、、、という方もいるかもしれません。ただ、完成の時期が1982年以降になるほど、建築確認も1981年6月以降である可能性は高くなります。後の章で、書類で確かめる方法を詳しく書きます。

 

新耐震か旧耐震かの境目は「建築確認を受けた日」。完成日や登記の日が1981年6月以降でも、旧耐震の可能性が残ります。

 

旧耐震と新耐震の違い “中地震で壊れない”から“大地震で倒れない”へ

では、旧耐震と新耐震では何が違うのでしょうか。旧耐震基準は、おおむね震度5程度の中規模の地震で建物が大きく壊れないことを確かめる、一段階の設計が基本でした。震度6強〜7といった大地震について明確に確かめる決まりは、まだありませんでした。

 

新耐震基準では、これに加えて、震度6強から7程度の極めてまれな大地震に対しても「人命に危害を及ぼすような倒壊・崩壊をしない」ことが目標に加わりました。林野庁の解説では、震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷しないこと、震度6強〜7程度の大規模地震では倒壊等の被害を生じないこと、の二段階が目標とされ、木造住宅では必要な壁の量(必要壁量)が見直されています。

 

ここで押さえておきたいのは、新耐震基準の大地震に対する目標が「倒壊しない」であって、「その後も住み続けられる」ではないことです。命を守る水準は約束するが、地震のあとに住み続けられるかまでは約束していない。この点は、耐震等級の章でもう一度出てきます。

 

旧耐震は「中地震で壊れない」の一段階、新耐震は「大地震で倒壊しない」を加えた二段階。ただし新耐震が守るのは“命”までです。

 

2000年基準とは? 新耐震の“弱点”を埋めた3つの改正

ホールダウン金物

きっかけは1995年の阪神・淡路大震災

1995年(平成7年)1月の阪神・淡路大震災では、旧耐震基準の建物に被害が集中した一方、新耐震基準の建物は比較的軽微な被害にとどまったとされています。新耐震基準の考え方そのものは、この地震で一定の裏付けを得たと言えるでしょう。

 

ただ、木造住宅については、壁が強くても柱が土台から引き抜けて倒れた例や、壁の配置が偏っていてねじれるように壊れた例が見られました。新耐震基準は壁の「量」は求めていましたが、柱と土台をつなぐ金物や、壁の「配置のバランス」については、細かな決まりがなかったのです。

 

この教訓から、2000年(平成12年)6月1日に施行された改正で、木造住宅の基礎や接合部の仕様などが明確化されました。これが「2000年基準」と呼ばれるものです。

 

変わったのは「基礎」「接合部の金物」「壁の配置バランス」

2000年基準で明確化された主な内容は、次の3つです。

 

1つ目は地盤に応じた基礎です。地盤の強さ(地耐力)に応じて基礎の形式を選ぶことが定められ、地盤調査をしてから基礎を決める、という今では当たり前の流れが定着しました。

 

2つ目は接合部の金物です。柱の上下や筋交いの端部について、かかる力に応じてどんな金物で留めるかが明確になりました。壁が強くても柱が抜けては意味がない、という阪神・淡路の教訓そのものです。

 

3つ目は耐力壁の配置バランスです。建物を4つに分けて、それぞれの区画に壁が偏りなくあるかを確かめる方法(いわゆる四分割法)が明確化されました。壁の量だけでなく、置き方まで見るようになったということです。

 

耐力壁(地震の力を受け止める壁)や筋交い、基礎の話は、以前の記事でも詳しく書いています。「新耐震」という言葉は1981年からずっと同じでも、2000年を境に木造住宅の中身は大きく変わっている、というのがこの章のポイントです。

 

2000年基準は「地盤に応じた基礎」「接合部の金物」「壁の配置バランス」の3つを明確化。名前は同じ“新耐震”でも、2000年前後で木造の中身は別物に近いと言えます。

 

新耐震でも2000年5月以前の木造は要注意 熊本地震のデータ

「新耐震だから安心」と言い切れない理由が、2016年(平成28年)の熊本地震のデータです。国土交通省の委員会が、震度7を2回観測した益城町中心部の木造住宅を建築時期別に調べた結果を、以前の記事と同じ数値で再掲します。

 

建築時期 基準 倒壊率
〜1981年5月 旧耐震 28.2%
1981年6月〜2000年5月 新耐震 8.7%
2000年6月以降 2000年基準 2.2%
うち耐震等級3 品確法 0%(16棟)

 

※国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書(2016年9月)より。旧耐震は759棟中214棟、新耐震は877棟中76棟、2000年基準は319棟中7棟、耐震等級3は16棟中0棟

 

旧耐震の28.2%に比べれば、新耐震の8.7%はかなり低い数字です。しかし、2000年基準の2.2%と比べると、同じ新耐震でも1981年〜2000年の木造住宅は4倍近い倒壊率でした。この結果を受けて国土交通省は2017年5月、1981年6月〜2000年5月に建てられた木造住宅について、リフォームなどの機会に接合部の状況を確認することを勧める検証法を公表しています。

 

2026年7月の令和8年熊本地震でも、現地調査の速報では、旧耐震と推定される木造で倒壊などが多数見られた一方、新耐震・2000年基準と推定される住宅では調査した範囲で倒壊などの顕著な被害は確認されなかったとされています。国土交通省は8月18日に原因分析の委員会の設置を発表し、8月31日に第1回を開催。被害を受けた木造住宅を旧耐震・新耐震(1981年6月〜2000年5月)・2000年基準の3つに分けて分析する方針と報じられていますが、2026年9月時点で結論は出ていません。2つの熊本地震で分かっていること・まだ分からないことは、冒頭の関連記事で詳しく書いています。

 

2016年熊本地震では、同じ新耐震でも1981〜2000年の木造は倒壊率8.7%、2000年基準は2.2%。新耐震でも2000年5月以前なら、接合部の確認が推奨されています。

 

耐震基準の改正の流れ 1981年・2000年・2025年の3つの節目

ここまでの話を、耐震基準の改正の流れとして1つの表にまとめます。

 

施行 通称 きっかけ 主な内容
1981年6月 新耐震基準 宮城県沖地震 大地震で倒壊しない
2000年6月 2000年基準 阪神・淡路大震災 基礎・金物・壁配置
2025年4月 壁量基準見直し 家の重量化 必要壁量の計算方法

 

※2026年9月時点。1981年・2000年は建築基準法施行令および関連告示の改正、2025年は改正建築基準法の施行

 

2025年4月の建築基準法改正は“第3の耐震基準”ではない

最近、「2025年に耐震基準が変わった」という話を耳にした方もいるかもしれません。2025年(令和7年)4月1日に施行された改正建築基準法では、木造住宅に関わる2つの見直しがありました。

 

1つは必要壁量の計算方法の見直しです。断熱材が厚くなり、太陽光パネルを載せる家が増えて建物が重くなったため、「軽い屋根」「重い屋根」の2区分ではなく、家の仕様の実態に応じて必要な壁の量や柱の太さを計算する方法に変わりました。もう1つはいわゆる4号特例の縮小で、平屋かつ延べ面積200㎡以下の建物以外は、木造2階建てでも建築確認で構造に関する審査を受けるようになりました。

 

ただし、これは「震度6強〜7で倒壊しない」という新耐震基準の目標そのものが変わったわけではありません。目標は同じまま、重くなった家に合わせて必要な壁の量を計算し直し、これまで省略されていた審査をきちんと行うようにした、という整理が正確だと思います。1981年や2000年のように「その前後で建物の安全性の考え方が変わった」改正ではないので、2024年以前に建てた家が急に「旧基準」になる、という話ではありません(制度は今後も変わる可能性があります。2026年9月時点の情報です)。

 

2025年4月の改正は「目標の変更」ではなく「計算方法と審査範囲の見直し」。新耐震・2000年基準に続く“第3の耐震基準”ができたわけではありません。

 

新耐震基準と耐震等級の違い 法律の“最低限”と品確法の“上乗せ”

耐震基準と耐震等級の違い。旧耐震・新耐震は法律の最低限、耐震等級2・3は品確法による任意の上乗せ。地震保険の割引率も示した図解

 

建築基準法は「最低限」、耐震等級は「上乗せ」

「新耐震基準」と「耐震等級」は、どちらも耐震の話なので混同されやすいのですが、出どころが違います。新耐震基準は建築基準法の話で、これを満たさない家は建てられない「最低限のライン」です。一方の耐震等級は、2000年に施行された品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)にもとづく住宅性能表示制度の話で、希望する人が第三者機関の評価を受けて等級を表示する「任意の上乗せ」の仕組みです。

 

項目 新耐震基準 耐震等級
根拠 建築基準法 品確法
位置づけ 最低限 任意の上乗せ
想定 震度6強〜7で倒壊しない 等級1の1.25倍・1.5倍
確認 建築確認 第三者機関の評価

 

耐震等級1は、建築基準法(=現在の新耐震基準)と同じ水準です。等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の地震力に対して倒壊・崩壊しない設計を指します。言い換えると、「新耐震基準を満たす家」と「耐震等級1の家」は、想定している強さとしてはほぼ同じです。等級の細かな意味や、木造で等級3を取る方法・費用は、冒頭の関連記事で詳しく書いています。

 

新耐震基準=建築基準法の最低限=耐震等級1相当。耐震等級2・3は、その上に任意で積む“上乗せ”です。

 

「新耐震だから安心」の落とし穴

新耐震基準(=等級1)の目標は、大地震で「倒壊・崩壊しない」ことです。大きく壊れても中の人の命が守られれば目標は達成されたことになり、地震のあとに同じ家に住み続けられることまでは約束していません。2016年の熊本地震で、2000年基準の木造住宅は無被害が約6割(裏を返せば約4割は何らかの被害)だったのに対し、耐震等級3の16棟は14棟が無被害だった、という差はここから来ています。

 

ですから、実家や中古住宅について「新耐震だから大丈夫」と言えるのは、「旧耐震よりはずっと倒れにくい」という意味までです。1981〜2000年の家なら接合部の確認、2000年以降でも間取り・地盤・傷み具合しだいで結果は変わる、と考えておく方が安全だと思います。なお、住宅会社の説明でよく出る「耐震等級3相当」は、第三者機関の評価を受けた「耐震等級3」とは別のものです。ここも混同しやすいので、別の記事で整理しています。

 

新耐震=命を守る水準。「住み続けられるか」は別の話で、耐震等級3の家との差はそこにあります。

 

実家や中古住宅は旧耐震?新耐震? 見分け方の4ステップ

耐震基準_見分け方

 

ステップ1: 確認通知書(確認済証)・検査済証の日付を探す

いちばん確実なのは、建築確認の書類を見ることです。家を建てたときに役所や指定確認検査機関から交付された「確認通知書」(現在の呼び方は「確認済証」)に、確認を受けた日付と番号が書かれています。この日付が1981年6月1日以降なら新耐震、2000年6月1日以降なら2000年基準の家、ということになります。

 

あわせて探したいのが、工事の完了検査を受けた証明である「検査済証」です。確認どおりに建てられたことの証明で、中古住宅の売買やリフォームの申請でも求められることがあります。ただ、古い家では完了検査を受けていないケースも珍しくなく、検査済証がないからといって直ちに違法というわけではありません。まずは実家の押し入れや金庫、当時の住宅会社からもらった資料の中に、確認通知書と図面が残っていないか探してみてください(意外と、古いアルバムと一緒に出てきたりしますね。。。)。

 

確認通知書(確認済証)の日付が答え。1981年6月1日以降なら新耐震、2000年6月1日以降なら2000年基準です。

 

ステップ2: 登記の「新築年月日」は目安にすぎない

書類が見つからないとき、次の手がかりが法務局で取れる登記事項証明書(登記簿)に書かれた「新築年月日」です。ただし、これはあくまで目安です。登記の新築年月日は建物が完成した時点の日付で、建築確認はそれより前(木造なら半年前後、場合によっては1年以上前)に受けているからです。

 

目安として、登記の新築年月日が1982年(昭和57年)以降なら、建築確認も1981年6月以降である可能性が高いと言えます。実際、中古住宅で住宅ローン控除を受ける際の要件では、「昭和57年1月1日以後に建築されたもの」が新耐震基準に適合しているものとして扱われています(国税庁の案内、2026年9月時点)。半年ほどの余裕を見ているわけです。逆に、新築年月日が1981年6月〜1982年前半の家は、確認が5月31日以前だった可能性が残るため、ステップ1か3で確かめておきたいところです。

 

登記の新築年月日は「完成日」。1982年以降ならおおむね新耐震ですが、1981年〜1982年前半は確認日の裏取りが必要です。

 

ステップ3: 書類がなければ市役所で「台帳記載事項証明書」

確認通知書が見つからない場合でも、多くの自治体では、役所に残っている建築確認の台帳をもとに、確認済証や検査済証の交付年月日・番号を証明する「台帳記載事項証明書」を発行してもらえます。市役所の建築指導課などが窓口で、住所や当時の建築主の名前から探してもらう形です。国土交通省関連の相談窓口のFAQでも、築年数によってはこの証明書で新耐震かどうかを示せるとされています。

 

ただし、古い建物では台帳そのものが残っていない、検査済証の日付は台帳に記載がない、といったケースがあります。その場合は、登記の日付と当時の状況からの推定にとどまり、はっきりさせたいなら次の耐震診断に進むことになります。

 

書類がなくても、市役所の「台帳記載事項証明書」で確認日が分かることがあります。台帳が残っていなければ耐震診断へ。

 

ステップ4: 微妙な時期・不安が残るなら耐震診断を受ける

床下点検口からライトで基礎や土台を調べる耐震診断の様子

境目の時期に当たる家、1981〜2000年の新耐震の家、書類が何も残っていない家。こうした場合の最終手段が耐震診断です。建築士などの診断員が現地で壁の量や配置、劣化、基礎などを調べ、「上部構造評点」という数値で結果を示します。評点は1.5以上で「倒壊しない」、1.0以上1.5未満で「一応倒壊しない」、0.7以上1.0未満で「倒壊する可能性がある」、0.7未満で「倒壊する可能性が高い」という4段階で、補強工事は評点1.0以上を目指すのが基本です。

 

愛知県では、市町村が実施主体となって、旧耐震(1981年5月末までに着工)の木造住宅に無料で診断員を派遣する制度があり、小牧市も名古屋市も対象は「昭和56年5月31日以前に着工した2階建て以下の在来軸組構法・伝統構法の木造住宅」です。さらに名古屋市では、新耐震の木造住宅(昭和56年6月1日〜平成12年5月31日着工)にも無料診断の枠があり、2000年基準以前の家の接合部などを確認できます(受付は令和9年1月末まで。2026年9月時点)。診断で評点が1.0未満だった場合の改修費の補助も県内の多くの市町村にあり、愛知県の案内では最大115万円(市町村により異なる)とされています。ただし、小牧市の改修補助は、2026年9月時点の市のページで「今年度の新規受付を停止」と案内されていますので、無料診断とあわせて最新の受付状況を市役所で確認してください。

 

まずは、国土交通省住宅局が監修した「誰でもできるわが家の耐震診断」(10の問診)を自分でやってみて、問診1「建てたのは1981年6月以降か」で迷うようなら、自治体の無料診断に申し込む、という順番が現実的だと思います。制度の内容と受付状況は年度ごとに変わりますので、必ず最新情報をご確認ください。小牧市の住宅関連の補助金は、以前の記事にまとめています。

 

境目の時期や1981〜2000年の家は、自治体の無料耐震診断を。愛知県では旧耐震、名古屋市では新耐震(〜2000年5月)の木造も対象です(2026年9月時点)。

 

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中古住宅を買うときに知っておきたい3つのこと

中古住宅の購入を検討している方にとって、旧耐震・新耐震の違いは、お金や手続きにも直接つながります。

 

1つ目は重要事項説明です。不動産会社は、1981年6月1日より前に着工した建物について、耐震診断を受けているかどうかとその内容を重要事項として説明することになっています。ただし、診断を受けていなければ「診断なし」という説明で終わりますので、旧耐震の物件なら診断の有無を自分から確認することが大切です。

 

2つ目は住宅ローン控除です。中古住宅で控除を受けるには、昭和57年1月1日以後に建築された家であること、またはそれ以前でも耐震基準適合証明書(取得前2年以内の調査)、建設住宅性能評価書(耐震等級1〜3)、既存住宅売買瑕疵担保責任保険のいずれかがあることが要件です(国税庁の案内、2026年9月時点)。旧耐震の家は、そのままでは控除の対象にならない可能性があります。

 

3つ目は地震保険です。1981年6月1日以降に新築された建物には「建築年割引」(10%)があり、耐震等級割引(等級3で50%、等級2で30%、等級1で10%)や耐震診断割引(10%)、免震建築物割引(50%)とは重複できず、どれか1つです(財務省の公表資料、2026年9月時点)。確認資料として確認済証や登記簿が必要になりますので、ここでもステップ1〜3の書類が生きてきます。中古住宅の査定の仕組みについては、別の記事でも書いています。

 

中古住宅では、旧耐震かどうかが重要事項説明・住宅ローン控除・地震保険の割引に直結します。書類の確認は“お金の確認”でもあります。

 

愛知で実家や中古住宅を考える方へ

国土交通省の推計では、2023年(令和5年)時点で全国の戸建て住宅の耐震化率は約85%、耐震性が不十分な戸建ては約450万戸とされています。10軒に1軒以上は、まだ旧耐震のまま、あるいは耐震性が不十分な状態で残っている計算です。

 

愛知県は、2026年6月に12年ぶりに見直された南海トラフ地震の被害予測で、県内最大震度7が想定されている地域です。名古屋市の想定でも、過去の地震を考慮した最大クラスで最大震度6強、あらゆる可能性を考慮した最大クラスで震度7です(いずれも2026年9月時点の公表資料)。震度6強〜7というのは、新耐震基準が「倒壊しない」ことを目標にしている、まさにその揺れの強さです。

 

だからこそ、実家が旧耐震なら耐震診断と補強か建て替えの検討を、新耐震でも2000年5月以前なら接合部の確認を、というのが愛知で暮らす方への正直なおすすめです。家族が10年後・20年後も安心して眠れる家であるために、まず「いつの基準で建てられた家か」を知るところから始めてみてください。建て替えるか、補強して住み続けるかの判断は、建て替えの費用と流れをまとめた下の記事もあわせてご覧ください。

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愛知は最大震度7が想定される地域。実家や中古住宅は「いつの基準か」を知ることが、後悔しない備えの第一歩です。

 

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Q&A|新耐震基準でよくある質問

Q1. 新耐震基準はいつからですか?

1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物から適用されています。完成日や登記の日ではなく「建築確認の日」が境目です。

 

Q2. 1981年(昭和56年)の秋に完成した家は新耐震ですか?

完成日だけでは判断できません。建築確認が1981年5月31日以前なら旧耐震です。木造の家は確認から完成まで半年前後かかることが多いので、1981年後半〜1982年前半に完成した家は、確認通知書か台帳記載事項証明書で確認日を確かめることをおすすめします。

 

Q3. 新耐震なら耐震診断は不要ですか?

必須ではありませんが、1981年6月〜2000年5月に建てられた木造住宅については、接合部の金物などを確認することが国土交通省から推奨されています。2016年の熊本地震で、この時期の木造住宅の倒壊率(8.7%)が2000年基準(2.2%)より高かったためです。名古屋市など、新耐震の木造住宅にも無料診断を用意している自治体があります(2026年9月時点)。

 

Q4. 2000年基準の家なら、耐震等級3と同じくらい強いですか?

違います。2000年基準を満たす家は建築基準法の水準、つまり耐震等級1に相当します。耐震等級3はその1.5倍の地震力を想定した、品確法にもとづく任意の上乗せです。2016年の熊本地震では、2000年基準の木造の倒壊率が2.2%だったのに対し、耐震等級3の16棟は倒壊ゼロ・14棟が無被害でした。

 

Q5. 2025年4月の法改正で、それ以前に建てた家は「旧基準」扱いになりますか?

なりません。2025年の改正は必要壁量の計算方法と審査の範囲の見直しで、「震度6強〜7で倒壊しない」という新耐震基準の目標自体は変わっていません。1981年や2000年のような、耐震の考え方が切り替わる改正ではないと整理してよいと思います(2026年9月時点)。

 

まとめ

新耐震基準は、1981年(昭和56年)6月1日に施行された建築基準法(施行令)の耐震基準で、境目は家の完成日ではなく「建築確認を受けた日」です。旧耐震が中地震で壊れないことを確かめる一段階だったのに対し、新耐震は震度6強〜7の大地震で倒壊・崩壊しないことを目標に加えました。

 

ただし、新耐震の中でも2000年(平成12年)6月1日以降の「2000年基準」で、木造住宅の基礎・接合部の金物・壁の配置バランスが明確化されました。2016年の熊本地震では、同じ新耐震でも1981〜2000年の木造の倒壊率は8.7%、2000年基準は2.2%、耐震等級3は0%と、はっきり差が出ています。新耐震基準は建築基準法の「最低限」で耐震等級1に相当し、等級2・3は品確法にもとづく任意の上乗せ。「新耐震だから安心」は「命は守られる可能性が高い」という意味まで、と受け止めておくのが誠実だと思います。

 

実家や中古住宅がどの基準かは、①確認通知書(確認済証)・検査済証の日付、②登記の新築年月日(目安)、③市役所の台帳記載事項証明書、④自治体の無料耐震診断、の順で確かめられます。愛知では旧耐震の木造住宅に無料診断があり、名古屋市では2000年5月以前の新耐震住宅も対象です。

 

震度7が想定される愛知で、家族が10年後・20年後も安心して眠れる家であるために。まずは「うちはいつの基準の家か」を書類で確かめるところから、後悔しない住まいの備えを始めてみてはいかがでしょうか。

 

なお、本記事の制度・補助・被害状況は2026年9月時点の情報です。自治体の補助制度は年度ごとに、税制や保険も見直されますので、最新の情報をご確認ください。

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