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地盤調査って?する必要あるの?

自分の敷地や、購入した敷地に建物を建てる場合には、建物の設計以前に、建物の基礎の基礎となる地盤を詳しく調べる必要があります。

 

地域によって、おおよその地層により予想はできますが、敷地によって詳細な地盤の状態はことなります。今回は、地盤の調査方法や種類、予算をご紹介します。

 

地盤調査って何?必要なの?

目次

まずは地盤調査って何か?から。簡単に言うと地盤調査でわかることは、そこの敷地の下がどのような層になっているか、どのくらいの深さで堅い層となっているのか?がわかります。その事を調査するのが地盤調査です。

堅い層とはいわゆる支持層と呼ばれ、そこに基礎を作ることにより建物を支えます。

 

地盤調査は必ず必要!?

 

ごく稀に、地盤調査しますか?って聞いてくるハウスメーカーや工務店さんがいると聞いたことがありますが、その質問自体が無意味です。なぜならば、基礎形状が決められないからです。堅い層である支持層の深さがわかると、基礎の形状が決定します。基礎の基礎となるので、必ず調査は必要です。

 

地域の特定から「これくらいであれば・・・」という安易な方法をするといざ工事を始めた時に、思ったところに支持層がないなどトラブルにもつながります。

 

支持層が深い場合は地盤補強を施すか杭基礎を用いる

深い場合は地盤補強を施すか、杭基礎を使用し地中の奥深くまで杭を挿入します。そしてその上に基礎となる土台を作ります。

 

地盤補強は文字通り地盤を補強することが目的なので、小規模建築物が対象の地盤補強は、補強工法によっては必ずしも支持層まで入れる必要はありません。その代わり様々な理論の工法が多数あり、それぞれの工法に「向く地盤・向かない地盤」があるので、向かない地盤で向かない工法を選ぶことがないように地盤(地形・水位・土質)を見極める必要があります。

 

杭基礎は、仮にその層が30m下にあるとすれば、30mの長さの杭を挿入することとなります。

杭は構造設計により太さや形状・工法などが決定し、建物を支えるものですので、大きな建物となれば自ずと大きくなります。

 

支持層が浅い場合の基礎とは

 

浅い場合は直接基礎などを用いて基礎で直接建物を支えます。

支持層が浅いと、杭工事の費用がなくなり、その分安くなりますが、直接基礎でコンクリートを多く使用する場合があるので、その分の費用は掛かります。

 

基礎工事の工法はそれぞれ多く存在しますので、地盤にあった工法で設計されるので、心配な場合は設計者に問い合わせると良いでしょう。

 

地盤調査を怠ると大変なことに?

 

費用がかかるからといって地盤調査を怠り、周囲の地盤と同じ深さと考え基礎を設計すると大失敗につながります。

杭基礎の場合、工法によっては、工場で作られたコンクリート製等の杭を挿入することとなりますが、挿入方法は、特殊な重機で地面を掘り、杭を挿入するという工法です。

設計段階で、杭の長さを決め工場で作りますが、もし、十分な調査をせずに予定よりも深くに支持層があった場合はどうなるでしょうか。

 

杭が支持層に届かず、建物を十分に支えられなくなります。

簡単に説明していますが、これが、以前話題になったK県Y市にあるマンションの問題です。

一般的に地盤調査は必ず行いますのでこの物件も地盤調査をしていたと思われますが、想定外のところに支持層があり、工事中にわかったけれども、そのまま誤魔化してしまったのです。

 

しっかり調査しているのにも関わらずこのようなことが起きているので、不十分な場合はさらに悪いことが起きる可能性もあります。

 

地盤調査の方法と解説。どの会社に頼めばよいの?

 

一概に地盤調査と言ってもさまざまな工法があり、かつ調査方法の依頼方法も様々です。

地盤調査は、標準貫入試験や、スウェーデン式サウンディング試験、平板載荷試験様々な工法があります。

 

これらの調査方法は専門の地盤調査会社に依頼する必要がありますが、ユーザーが地盤調査会社に直接依頼することはあまり一般的ではありません。ほとんどの場合は住宅を建築するハウスメーカーや工務店が依頼する場合が多いですね。

 

地盤調査はハウスメーカーやゼネコン、設計事務所に依頼する

 

地盤調査をするということは、建物を建てる、ということを前提に行うので基本的にお客さん自身で直接地盤調査専門業者に依頼することはありません。

地盤調査も構造設計の一つにかかわってくるので設計を依頼する会社が必然的に行います。

 

地盤調査は何か所やる?

 

基礎の構造は、杭基礎の場合、杭の廻りのフーチング、基礎柱、基礎梁という構造でできています。

 

そして、建物の規模・構造に応じて基礎の大きさなどが決定します。よってそれに応じた数の地盤調査をすることが理想です。

 

自分で個々に地盤調査会社に依頼することも可能

 

ご自身で地盤調査会社を探して依頼することも可能です。インターネットで検索すれば山ほどでてきますからね。

 

しかし、設計も行われていない状況で、適当に調べても、無駄になってしまうこともあります。敷地のどこを地盤調査すればよいかは基本設計が済んでからがベターです。

 

基本設計ができて、敷地のどこの部分に建物を建てるか大まかに決まってから地盤調査をするのが一般的となります。先行して地盤調査を行い、設計する会社に持ち込んでも、やり直しになってしまい、二重に費用が発生してしまう恐れもあります。

 

地盤調査はこれから建てる家が傾かないように検討・設計することが目的なので、建物の下の地盤を調査しないと意味がありません。ですから、【建物の配置(敷地の中の位置)が決まってからそれに沿って調査することが必要】となるのです。

 

杭は柱の下に挿入する

 

基礎の構造から、建物の構造へは、杭・フーチング・基礎柱・建物柱とつながっていきます。つまり、杭を打つ個所数と、本柱の個所数はほぼ一致します。ですので、杭を打つ場所を地盤調査すれば完璧です。

 

実際はそんなに多く地盤調査は行わない

 

建物の柱は、建物規模にもよりますが、数十本あります。もしもその数のまま地盤調査を行うと、地盤調査個所数はかなり多くなります。つまり、その分お金がかかるというわけです。ですので、敷地内の代表的な数か所を地盤調査して、周辺地盤と傾向と照らし合わせ、予測し支持層の高さを決定していきます。

 

これにより杭の長さや基礎の大きさを決定するのです。

 

周辺地盤との比較は可能

 

冒頭で、周辺地盤を参考にすると失敗する可能性があると述べましたが、参考にするのは周辺地盤の支持層がどのように変化しているか、ということを参考とします。

 

例えば、近隣地盤で、10mごとに、支持層地盤が1mずつ下がってしたとすると、その土地の層はそのような傾向を持っていると推測します。

 

また、きちんと事前調査をする調査会社は、調査前にあらかじめそういった傾向(地形条件)を掴み、山側(支持層が浅く出る方)と谷側(支持層がいちばん深く出る方)を必ず調査するようにします。

 

そして、現地で傾斜の方向を改めて確認し、建物を建てる対象敷地の他の地盤も参考にしながら入念に行うことになります。

 

支持層の予測に失敗した場合の対策

 

 

杭の長さを決めるにあたり、支持層の深さの特定は不可欠です。しかし、全数の地盤調査は一般的に行わないので、予測するしかありません。

 

もしも、予定よりも浅く支持層が存在した場合は、浅めに杭を挿入すればよいです。これを高止まりと言いますが、これは問題ありません。杭の先端を切ることや、その他の杭頭処理を行うことにより、問題ない状態となります。

 

また、支持層が浅くても、深く杭を挿入すればよいと思うこともあるかもしれませんが、建物を支える支持層の堅さはかなりのもので、穴を掘る機械やドリルではなかなか掘り進めることはできません。よって、必然的に浅くなってしまいます。

 

しかし、想定よりも深い場合は、構造計算上に問題が生じます。多少であれば、設計者の指示により基礎の大きさを変更し対応することは可能です。しかし、深すぎるとなるとそれだけでは対応できません。杭を作り直す必要があるなど、かなりの問題に発展します。

 

杭を作り直すには膨大な時間と金がかかる

 

ただ、杭を作り直すといっても簡単にはできません。杭を作るには数か月の時間を要し、さらには膨大な金が発生します。工事の初期段階である杭工事で大幅に工事が遅れると、工期に間に合わなくなる可能性がかなり高くなります。

 

また、工事自体で赤字になる可能性もあるので、工事業者は頭を悩ませます。ですので、問題の物件がでてきたりすることがあります。杭工事も様々な種類がありますので、これが全てではありません。

 

地盤調査の費用はおいくら?

 

実際に地盤調査の費用はどのくらいかかるか解説します。地盤調査の工法によって費用も変わってきます。

 

地盤調査の工法・建物の規模により予算が変わる

 

スウェーデン式サウンディング試験の場合は1回あたり3~5万円前後、ボーリング(標準貫入試験)では1か所30万円前後となります。スウェーデン式サウンディング試験は住宅の地盤調査で多く採用され、一般的に4か所~5か所以上測定します。

 

商業や工業施設などのような中規模・大型物件ではボーリングを3か所、4か所、それ以上行うことがありますので、それなりの予算を見込む必要があります。

 

地盤調査の種類と試験方法

 

地盤調査の費用の解説の際は、2種類の試験方法をベースに紹介しました。

 

しかし、地盤調査の方法はかなりの種類があり、現在でも新技術がでてきておりますので、万能な調査はありません。建物の規模、何を調べるのか、など目的に合わせた調査計画が必要です。また、新しい調査方法については、「何を調べるための調査なのか」「その調査でどんな数値が得られるのか(標準貫入試験ならN値など)」「その数値は杭基礎設計に使用できるものなのか(これは調査会社ではなく杭基礎を検討する会社に確認する)」を確認する必要があります。調査したはいいが、住宅の検討・設計に役に立たなかった、というのでは調査費用が無駄になるだけです。調査実績も確認したいところです。

 

今回は、代表的な地盤調査・試験の方法を紹介します。

 

標準貫入試験(ボーリング)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最もメジャーな地盤調査の方法です。

 

以下引用

標準貫入試験によって得られるデータをN値(エヌち)と呼び、地盤の安定性を推定する目安とすることができます。方法を簡単に説明すると、63.5kgのハンマー(おもり)を75cmの高さから自由落下させて、サンプラーを土中に30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定する試験で、この時の打撃回数がN値です。

 

標準貫入試験が必要になるのは、3階建てや鉄骨造などの物件の確認申請に「構造計算書」を添付しなければならないときです。 ここで出てきている「自由落下」とは、手で持ち上げ、所定の高さまで上げたあと、手を放して落下させることです。勢いをつけたり、上に投げたりしたりする方法です。

 

N値は解説されていますが、1回目で30cm貫入した場合は「N値は1」20回目で30cm貫入した場合は「N値は20」と表現します。つまりN値が大きい程強固な地層になるわけです。

 

また、土の種類によって、堅いと表現する数字は異なります。粘土層であればN値は20以上、砂質土層であれば、30~50は支持層では必要です。さらに、建築物の大きさによっても左右されます。

ちなみに、NはNumerical valueの略です。

 

スウェーデン式サウンディング試験

 

 

 

 

 

 

 

 

以下引用

建築する建物が一般的な大きさの場合、地盤調査をする計画建物の四隅と中央の5カ所で調査をします。調査では先端にドリル状の部品(スクリューポイント)を取り付けた鉄の棒(ロッド)を地面に垂直に立てます。

 

垂直に立てた鉄の棒におもりを載せることで、荷重に対する貫入量を測り地盤の強度を算出しているのです。最大荷重は100kgですが、100kgの荷重でも貫入しなければ上部のハンドルを回して、さらにロッドを貫入させ、25cm貫入するまでの半回転数を記録します。

 

しかし、土を直接採取する作業は行わないため、土質の判定結果はあくまで推定です。また、土質判定に関して貫入時の音や感触などが重要で、判定結果の正確性には技術者の技量や経験が影響します。なお、調査の深さは一般的に地中10m程度までで、敷地内が更地であることが望まれます。

 

 

住宅などで一般的に採用されているスウェーデン式サウンディング試験です。「軟弱かどうかを調べる調査」なので、あまり重い建物の調査には向きません。

 

中規模以上の物件では構造設計とてしては認められていないので、中規模以上の建築では使うことができません。

 

そのほかの地盤調査方法

 

他に、平板載荷試験・オランダ式二重管コーン貫入試験などがあり、平板載荷試験では支持層や、舗装面の下などの実際に力がかかる地層の強さを測る試験です。

 

今回紹介した2つの工法と、これらはよく一級建築士試験や一級建築施工管理技士試験ででてくるので紹介しました。では、実際にはどのような結果が出てくるのでしょうか。

 

地盤調査結果の見方

 

 

設計図などに、地盤調査結果が載っており、その結果から杭の長さや、基礎の形状を決定したことがわかる図面が用意されています。

 

住宅の場合も同様で、依頼している会社に見せてもらうこともできます。そして、それぞれの調査・試験方法により、表記の仕方があります。

 

標準貫入試験(ボーリング)の結果とは

 

標準貫入試験では実際に地表深くの地盤から土を採取することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この図は柱状図と呼ばれ、どの深さの層がどのような土の層からなっているか、N値はいくつか、ということが一目でわかる様になっています。

 

また、この例ではありませんでしたが、水が多く含まれている層が表されていることもあります。もともと川や海出会った場所や田んぼだった地域です。水位より下に緩い砂層が分布していると、いわゆる液状化しやすい地域ということになります。東日本大震災の際、液状化していた千葉県浦安市周辺などではそのような結果が出てきます。

 

 

ボーリング調査で採取されるサンプル

 

 

 

 

 

 

 

この地盤調査で採取されたサンプルです。

どの深さにどのような土があったかがわかるようになっています。このサンプルも地盤調査結果のひとつですので、ボーリング調査を行った際には必ずなければならないものです。

 

スウェーデン式サウンディング試験の結果とは

スウェーデン式サウンディング試験では土のサンプルを採取することはできません。あくまでも、地盤の強さのみを知る為の試験になっています。

 

表現も独特となっています。

 

 

 

 

 

 

 

① 0.25kN~1.00kNの荷重だけで貫入(自沈)してしまった。( 軟弱層が確認できた。)
② 半回転数Na=1~42 の落ち着いた地盤が確認できた。
③ 半回転数Na=60以上の硬質地盤が確認できた。

 

 

N値は標準貫入試験の表現ですが、この試験で得られた結果より、ある公式に当てはめると、近似値を求めることができます。

 

それが換算N値です。ただし、土を見られないため、数値だけで判断するのは危険です。換算N値が高い数値なので良い地盤かというと、新しい盛土で瓦礫がたくさん埋まっていたような場合には不同沈下を起こす危険性が高いので地盤補強が必要となる場合があります。また、腐植土と呼ばれる非常に軟弱な土はまれに回転層(自沈しない)となることもあり、数値だけ見て判定するとやはり不同沈下を起こすことに繋がります。したがって、スウェーデン式サウンディング試験の結果は、地形図などから地形条件を読み取ったり、近隣ボーリングデータで土質を推測しながら判定する必要があります。

 

スウェーデン式サウンディング試験独特の表現とは

 

観察記事に「ゆっくり」と表現されていることにお気づきでしょうか。これは、ふざけているわけではなく、正規な表現の仕方になっています。

 

・ストン 早い自沈

・スルスル ストンとジンワリの中間

・ジンワリ スルスルとユックリの中間

・ユックリ ゆっくり自沈

・打撃 回転などでは貫入できず、打撃した場合

・貫入不能 なにをしても入らない状態

 

このような表現があります。このあいまいな表現は専門家でしか把握しきれません。柔らかすぎず、堅くもない状態が、スルスル~ユックリです。どっちみち、支持層には適していません。

 

地域の地盤がわかるアプリやマップが存在する!?

 

テレビでも紹介された地盤調査アプリが存在します。「注意」「普通」「安心」という表現で地域の地盤強さがわかるようです。

 

これは地盤の強弱で建物の崩壊の恐れがあるとか、壊れてしまうなどを表現しているわけではなく、支持層より上の地層の強弱を表しています。

 

地盤調査アプリで不安な場所でも建物的には心配ない!?

 

不安があるところは、液状化をしてしまったり、地表がゆがんでしまったり、と大地震が発生した際に、地面がどうなってしまう可能性があるかを表現しているものですので、基礎がしっかりしている建物であれば、この評価で心配する必要はありません。

 

しかし、基礎の種類によっては崩壊の危険性もあります。また、地盤が弱いことにより、揺れを大きく感じることがあるでしょう。

 

地盤調査をしっかり行い、適した基礎になるように依頼する

 

地盤調査から、基礎について様々ご紹介してきました。杭基礎の紹介ではあくまで、支持層まで杭を打つ杭基礎を紹介しましたが、支持層まで届かせず、杭と地盤の摩擦で建物を保たせる工法、地盤と補強体を一体として考える複合地盤、弱い層を取り払い補強体に入れ替える置き換え工法などもあります。

 

これらの工法はそれぞれ向く地盤・向かない地盤があり、決められた検討方法にのっとって工法を選択し設計しないといけません。例えば、一般工法である柱状改良工法の摩擦タイプは摩擦が見込める層を見極める必要があるので、通常軟弱な自沈層の途中で止めるわけにはいきません(認定・評定工法は止められる工法もあります)。また、新しい盛土地や、腐植土が出る地盤には使えない工法もあります。

 

ですので、建設予定地の地盤強さを知って、地盤調査後、どのような基礎になるか確認し、発注した業者に確認することをお勧めします。

 

基礎の種類も様々あり、地盤の強さと深くかかわってきます。基礎についてはまたの機会に詳しく解説していきます。

 

では今回はこの辺で。

 

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