『ハニカムシェードは断熱性能がすごいらしい』という話はよく耳にしますが、欠点やデメリットについてはどうなのでしょうか?
実際、ハニカムシェード(ハニカムスクリーン)にはメリットだけでなく、注意すべきデメリットも存在します。しかし、欠点やデメリットもあらかじめ知っておけば、適切な対処法を選ぶことができ、後悔のない窓まわり選びにつながります。
この記事では、ハニカムシェードとは何かという基本から、ハニカム構造ならではの欠点3つ、デメリット6つと対処法、断熱効果の仕組み、失敗しない選び方まで分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は2026年9月に内容を加筆・更新しました。
ハニカムシェード(ハニカムスクリーン)とは?

(引用:ニチベイ「レフィーナ25/45カタログ」より)
ハニカムシェードとは、蜂の巣(英語でハニカム)のような六角形の断面をもつ、窓まわりのアイテムです。従来のブラインドやカーテンとは違い、生地の中に空気の層をつくることで、優れた断熱性能を発揮します。
「ハニカムスクリーン」や「ハニカムブラインド」とも呼ばれますが、これらの名称はメーカーによる呼び方の違いで、機能に差はありません。いずれも外の暑さ・寒さを室内に伝わりにくくし、室温を快適に保つ役割を果たします。
空気層が室内の温度を安定させ、冷暖房の効率を良くするため、冷暖房費の節約も期待できます。
さらに、ペアガラス(複層ガラス。2枚のガラスの間に空気などの層を挟んだ窓ガラス)と組み合わせることで、窓まわり全体の断熱効果を一層高めることができます。断熱の詳しい仕組みは、後の章で解説しますね。
ハニカム構造とは?構造ならではの欠点3つ
ハニカム構造とは、蜂の巣のように六角形を隙間なく並べた構造のことです。軽いのに強度が高く、内部にたくさんの空気を溜められることから、建築をはじめさまざまな分野で使われています。
ハニカムシェードもこのハニカム構造のおかげで、薄い生地なのに空気層で断熱できるという長所を持っています。ただし、ハニカム構造には、構造ならではの欠点も存在します。代表的な欠点は次の3つです。
- 筒状のセル(空気の部屋)の内部は掃除がしにくい
- 湿気がこもりやすく、結露やカビの温床になることがある
- 大きいサイズは自重で伸びや偏りが出やすい
順番に見ていきましょう。
欠点①セルの内部にホコリや虫が入ると掃除しにくい
ハニカムシェードの生地を横から見ると、六角形の筒(セル)が何段も積み重なった形をしています。この筒の中は指が届かず、分解して洗うこともできません。
そのため、セルの内部にホコリや小さな虫が入り込んでしまうと、取り除くのがなかなか大変です。掃除機の細いノズルで吸い出すといった方法もありますが、完全にきれいにするのは難しいのが正直なところです。
窓を開けることが多い部屋では、網戸との併用や、こまめなホコリ取りで「入れない・ためない」を心がけることが大切です。
欠点②湿気がこもりやすく結露・カビの温床になることがある
空気を閉じ込めて動かさないのがハニカム構造の長所ですが、裏を返せば「湿気も逃げにくい」ということです。
特に冬場、シェードを閉め切ったままにすると、シェードと窓ガラスの間の空気が外気で冷やされ、窓ガラスの表面に結露が発生しやすくなります。その水分がセルの内部や生地に移ると、カビの温床になってしまう可能性があります。
結露との付き合い方は、後のデメリットの章で対処法とあわせて詳しく解説します。
欠点③大きいサイズは自重で伸びや偏りが出やすい
ハニカム構造の生地は軽さが持ち味ですが、大きいサイズになると話が変わってきます。生地全体の重さで上の方のセルが引っ張られて伸び、下の方が縮んで、六角形の断面に偏りが出ることがあるのです。
断面がつぶれた部分は空気層が薄くなるため、見た目だけでなく断熱効果にも影響する可能性があります。
このように欠点を並べると不安になるかもしれませんが、いずれも「空気を閉じ込めて断熱する」という長所と表裏一体のもの。欠点を知ったうえで使い方や選び方を工夫すれば、十分に付き合っていける範囲です。
ハニカムシェードの断熱効果の仕組み
「なぜ薄い生地なのに断熱できるの?」と不思議に思いません?その秘密は、セルの中に閉じ込められた“動かない空気”にあります。
空気は、熱を非常に伝えにくい物質です。工業用ヒーターメーカーの技術資料によると、0℃の空気の熱伝導率(熱の伝わりやすさを表す数値)は0.0241W/(m・K)と、身の回りの材料の中でもかなり小さな数値とされています(2026年9月確認)。
実は、グラスウールなどの一般的な断熱材も、素材そのものではなく「素材の中に閉じ込めた動かない空気」で断熱しているといわれています。ハニカムシェードは、この断熱材と同じ理屈を窓まわりで再現しているアイテムなんですね。
そしてもう1つ大事なのが、窓などの開口部は、家の中でも熱の出入りが特に大きい場所だということです。冬は暖房の熱が窓から逃げ、夏は日差しの熱が窓から入ってきます。だからこそ、窓の内側に空気層をつくるハニカムシェードの断熱効果が生きてくるわけです。
ただし、正直にお伝えすると、ハニカムシェードはあくまで“補助”の断熱です。窓ガラスやサッシそのものの性能が低いままでは、シェードでカバーできる範囲に限界があります。これから家を建てる方は、まずLow-Eガラス(特殊な金属膜で熱の出入りを抑えたガラス)など窓自体の性能をしっかり確保したうえで、ハニカムシェードをプラスアルファとして考えることをおすすめします。
ハニカムシェードのメリット3つ

ハニカムシェード(ハニカムスクリーン)は、優れた断熱効果が大きな魅力です。とくに、冷暖房効率を高め室内温度を快適に保つために役立ちます。ここでは、ハニカムシェードのメリットを3つご紹介します。
1. 高い断熱性能で冷暖房効率アップ
ハニカムシェードの最大の特徴は、空気層による断熱性能です。
六角形のハニカム構造が空気層をつくり出し、室内外の熱の移動を抑えてくれます。外気の熱が室内に伝わりにくくなることで、エアコンや暖房の効率向上が期待できます。
結果として、冷暖房費の節約につながる可能性もあります。
2. 見た目がおしゃれでインテリアにぴったり
ハニカムシェードは、見た目にもスタイリッシュで、モダンなデザインが特徴です。窓枠にぴったり収まるため、カーテンのように長さを気にすることなく、シンプルでクリーンな印象を与えます。
部屋のインテリアに合わせた色やデザインが選べるので、空間におしゃれな雰囲気を加えることができますよ。
3. カーテンレールなしでも簡単に取り付け可能
ハニカムシェードのもう1つのメリットは、カーテンレールがなくても設置できる点です。
既存のカーテンからの交換が簡単におこなえ、空間をすっきりとした印象にすることができます。設置方法もさまざまで、以下のような方法が可能です。
- 窓枠天井付け
- 窓枠正面付け
- 壁面付けカーテンボックス取付け
- カーテンレール取付け
メーカーによって取り付け方法が異なるため、購入前に自宅の窓に合った取り付け方法を確認しておくことをおすすめします。
ハニカムシェードのデメリット6つと対処法

(画像引用:ニチベイ「レフィーナ25/45カタログ)
ハニカムシェードは、優れた断熱性やデザイン性で人気ですが、いくつかのデメリットも存在します。以下では、ハニカムシェードのデメリット6つと対処法について詳しく解説します。
設置後に後悔しないためにも、あらかじめデメリットと対処法を押さえておきましょう。
カーテンよりお手入れが大変
ハニカムシェードはカーテンとは異なり、洗濯機で洗うことができません。
ホコリがたまりやすいため、ハンドモップや乾いた布で定期的に払っておくのがおすすめです。汚れがついてしまった場合も水拭きは避け、固く絞った布で軽く拭く程度にとどめましょう。水分が残ると、変色や生地の劣化を引き起こす可能性があります。
対処法
定期的に乾いた布で拭くか、ハンドモップで掃除をしましょう。ホコリがひどくなる前に早めに対処することが、きれいな状態を保つ近道です。
窓ガラスに結露が生じやすい
ハニカムシェードを閉めていると、窓ガラスに結露が発生しやすくなることがあります。
これは「断熱性能が高いから結露する」という単純な話ではありません。シェードが室内の暖かい空気を窓側に通しにくくするため、シェードと窓ガラスの間の空気が外気で冷やされ、窓ガラス表面の温度が下がったままになることが原因です。冷えたガラス面に室内の湿気を含んだ空気が触れると、そこで結露が起こりやすくなるのです。
結露を放置するとカビの原因になり、さらにダニが繁殖することもあります。ハニカム構造の章でお伝えしたとおり、セルの内部に湿気がこもるとお手入れも大変です。
対処法
結露が気になる時期は、シェードを数センチだけ上げて窓との間の空気を動かす・こまめに換気する・窓の水滴を拭き取る、といった対策が有効です。除湿機の併用も効果的ですよ。根本的には、Low-Eガラスや樹脂サッシなど、窓自体の断熱性能を高めることが一番の結露対策になります。
シワや跡が残る可能性がある
ハニカムシェードは繊細な素材で作られており、力を入れすぎるとシワや跡が残ることがあります。
また、お子さまやペットが紐を引っ張ったり噛んだりする可能性もあるため、注意が必要です。
対処法
シワや跡を防ぐために、スクリーンを上げ下げするときは優しく操作し、紐はクリップで束ねるなどして高い位置に固定しましょう。もし、シワができてしまった場合は、軽く手で伸ばしてから乾かすと良いですよ。
部屋が暗くなりやすい
ハニカムシェードは日差しを遮る目的で使用されるため、下ろしている間は部屋が暗くなりがちです。
とくに、外の景色を楽しみたい方にとってはデメリットに感じるかもしれません。
対処法
日差しを遮りつつも明るさを取り入れたい場合は、ツインタイプのハニカムシェードを検討するのが良いでしょう。ツインタイプは上部に薄手の素材、下部に遮光素材を使うことで、適度な明るさを確保しつつプライバシーも守れるという利点があります。
大きいサイズは重量感がある
大きなサイズのハニカムシェードは、構造上かなりの重量を感じることがあります。
とくに、厚みのある遮光タイプのものや大きな窓に設置する場合、上げ下げが重く感じられることがあります。
対処法
大きな窓に設置する場合は、複数枚に分けることで1枚あたりの重量を分散できます。また、電動式のスクリーンを選ぶことも1つの方法です。電動式なら重さに悩まされず、快適に操作できます。
商品やサイズによって偏りが生じることがある
ハニカム構造の生地は、大きいサイズになると自重で偏りが発生することがあります。
スクリーンの上部が伸び、下部が狭まることで、見た目に偏りが生じるのです。これは、ハニカム構造の章でお伝えした欠点③がそのまま現れたものといえます。
対処法
偏りを防ぐためには、窓のサイズにぴったり合ったスクリーンを選ぶことが重要。オーダーメイドで購入するのが最も失敗しにくい方法ですが、既製品を選ぶ場合は、まず1枚を試してみて、サイズが合うか確認してから複数枚を購入するのがおすすめです。
失敗しない!ハニカムシェードの選び方
ハニカムシェードは窓の断熱や遮光にとても効果的なアイテムですが、選び方を間違えると思ったような効果が得られず、使いにくさを感じてしまうことがあります。
失敗しないために「スタイル・生地・開閉方法」の3つをしっかりと理解し、目的に合ったものを選ぶことが重要です。以下では、ハニカムシェードの選び方のポイントを分かりやすく解説します。
ハニカムシェードの3つのスタイル
ハニカムシェードには、目的や使用シーンに合わせたさまざまなスタイルがあります。
主に3つのスタイルがあるので、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶと良いでしょう。
- シングルスタイル
特徴:1枚の生地で、上げ下げのみで採光とプライバシーの調整が可能。
おすすめのシーン:シンプルに光を調節したい、比較的小さな窓に最適。
注意点:風の強い場所では生地が揺れて音が鳴りやすい場合がある。 - ツインスタイル
特徴:シースルー生地と不透明生地を組み合わせて、光や視線を柔軟に調整できる。
おすすめのシーン:リビングやダイニングなど、光とプライバシーの調整が重要な部屋に最適。
注意点:複数の生地を使うため、操作がやや複雑になる場合もある。 - アップダウンスタイル
特徴:3段階で生地を切り替え、採光やプライバシーを自由に調整可能。
おすすめのシーン:寝室や書斎など、採光やプライバシーを細かく調整したい部屋にぴったり。
注意点:スタイルの切り替えができる分、少し高価になることがある。
ハニカムシェードの生地選び
ハニカムシェードの生地は、機能性や見た目に大きく影響を与える重要な要素です。
主な生地の種類は以下の3つで、それぞれ異なる特徴を持っています。
- 遮光生地
特徴:光をしっかり遮り、部屋のプライバシーを守る。
おすすめのシーン:寝室やシアタールームなど、光を遮りたい場所に最適。
注意点:暗くなるので、昼間の採光が必要な場合は、別の選択肢を考えた方が良い。 - 防火生地
特徴:火を通しにくい素材で、安全性が高い。
おすすめのシーン:キッチンなど火を使うエリア、または安全性を重視したい場所にぴったり。
注意点:遮光性が低いため、光を遮りたい場所には不向き。 - 採光生地
特徴:光を通しつつ、外からの視線を防ぐ。
おすすめのシーン:リビングや書斎など、部屋を明るく保ちたい場所に最適。
注意点:しっかり遮光したい場合には向いていない。
ハニカムシェードの6つの開閉方法と特徴
ハニカムシェードには6つの開閉方法があります。
それぞれの特徴を理解して、自分の家に最適な方法を選びましょう。
- スマートコード式
特徴:ループレスで安全性が高く、昇降と調光を1本のコードで簡単に操作可能。
おすすめのシーン:小さなお子さまがいる家庭でも安全に使用できるため、安心して使用したい方におすすめ。 - コードレス式
特徴:クリップを使って簡単に昇降でき、コードがないためすっきりとした見た目。
おすすめのシーン:スッキリとしたインテリアを重視する方に最適。 - コード式
特徴:昇降と調光が別々のコードで操作可能。手動で簡単に調整できる。
おすすめのシーン:シンプルで操作しやすいものを選びたい方に。 - チェーン式
特徴:ボールチェーンで昇降、コードで調光。少し手間がかかるが、操作感が良い。
おすすめのシーン:手軽に調整できるが、少しコードが複雑になるため気にしない方に。 - ワンチェーン式
特徴:1本のチェーンで昇降と調光が両方操作可能。シンプルで効率的。
おすすめのシーン:操作が簡単で、すっきりとしたデザインを好む方に。 - 電動式
特徴:リモコンや壁付けコントローラーで操作可能。特に高い窓や手が届かない窓に最適。
おすすめのシーン:手が届かない場所に設置する場合や、複数の窓をまとめて操作したい場合に。
おまけ:トップライト用
トップライトとは、屋根に取り付けられた窓のことです。通常の窓と違って、上からの光が強すぎて室内が暑くなることもあります。そんな時に便利なのが「トップライト用のハニカムシェード」です。
特徴:高い位置に設置され、手動または専用の棒で開閉可能。伸縮する専用の棒を使えば、高い位置のトップライトも操作できる。
おすすめのシーン:吹き抜けのある家や、日差しを調整したい部屋にぴったり。
ハニカムシェードに関するよくある質問
最後に、ハニカムシェード(ハニカムスクリーン)を検討中の方からよくいただく質問にお答えします。
Q.ハニカムシェードとカーテンはどっちが暖かいですか?
A.空気層で断熱するハニカムシェードの方が、窓まわりの断熱効果は高くなりやすいとされています。ただし、効果は製品の生地やセルの層の数、取り付け方によって変わります。窓枠の内側にサイズぴったりで納めて、生地と窓枠の隙間を小さくするほど断熱効果を発揮しやすくなるので、寒さ対策が目的の方は採寸を丁寧に行いましょう。
Q.ハニカムシェードを付けると結露はひどくなりますか?
A.シェード自体が結露を生むわけではありませんが、窓ガラス面の結露は起こりやすくなることがあります。シェードと窓の間の空気が外気で冷やされ、窓ガラス表面の温度が下がったままになるためです。結露が気になる時期はシェードを数センチ上げておく・換気する・窓自体の断熱性能を高める、といった対策を組み合わせてみてください。
Q.ハニカム構造の欠点は何ですか?
A.「セル内部の掃除がしにくい」「湿気がこもりやすい」「大きいサイズは伸びや偏りが出やすい」の3つが代表的な欠点です。いずれも空気を閉じ込めて断熱するというハニカム構造の長所と表裏一体のものなので、こまめなホコリ取り・換気・サイズ選びで十分カバーできる範囲といえます。詳しくは本文のハニカム構造の章をご覧ください。
Q.ハニカムシェードで電気代は安くなりますか?
A.「必ず安くなる」とは言い切れませんが、冷暖房効率の向上が期待できます。窓からの熱の出入りが減れば、エアコンの負担は軽くなるためです。ただし効果の大きさは、家の断熱性能・窓の性能・シェードの使い方によって変わります。窓そのものの性能とセットで考えることが、光熱費を抑える近道です。
後悔しないためにもハニカムシェードの欠点・デメリットと対処法を知ろう

ハニカムシェード(ハニカムスクリーン)は、ハニカム構造の空気層による優れた断熱性から、多くの家庭で採用されています。多くのメーカーが製造販売をしているので、自分の好みの素材や色・開閉方法を選んでみてくださいね。
一方で、結露の問題やお手入れの手間・大きいサイズの伸びや偏りといった、構造ならではの欠点・デメリットがあるのも事実です。とはいえ、事前にデメリットと対処法を知っておくことで、失敗はぐっと減らせます。
そして、窓まわりの寒さ・暑さの根本対策は、シェードよりもまず窓そのものの性能です。これから家を建てる方は、樹脂窓など断熱性能の高い窓を選んだうえで、ハニカムシェードを上手にプラスしてみてください。
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今回紹介した欠点・デメリットと対処法を参考にして、新しいお家を素敵で快適な空間にしていきましょう。


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