
◆今回はこんな方の為に書いています。
⇒「上棟」の読み方や意味を知りたい方へ
⇒「上棟」「棟上げ」「建て方」は違うの?と思っている方へ
◆今回の記事を読むとこんな事がわかります。
⇒「上棟」「棟上げ」「建て方」の言葉の違いと読み方
⇒どこからどこまでが上棟なのか・上棟当日の流れ
住宅の構造も外装も内装も全部決まった!いよいよ夢のマイホームが形になる!ってなった時、「上棟」「棟上げ」「建て方」などと言った言葉を聞いたことがありませんか?
まず読み方から。上棟は「じょうとう」、棟上げは「むねあげ」、建て方は「たてかた」と読みます。そして結論から言うと、上棟(じょうとう)と棟上げ(むねあげ)は、どちらも家の骨組みを組み上げて、一番高いところに棟木(むなぎ)という木材を取り付けることを指す、ほぼ同じ意味の言葉です。
とはいえ、そもそも何で言い方が沢山あるのかな~?どこからどこまでが「上棟」なんだろう?って思っている方も多いのではないでしょうか。今回はそんな「上棟」について、棟上げ・建て方・着工・上棟式との違いから、上棟当日の流れ、雨の日の心配まで、分かりやすく紹介していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は2026年9月に内容を加筆・更新しました。
上棟(じょうとう)とは?棟上げ・建て方との違い
まずは言葉の意味から整理していきますね。ここが分かると、「棟上げとの違いは?」「建て方って何?」のモヤモヤが一気にすっきりすると思います。
上棟とは|棟木を取り付けて骨組みを完成させること

上棟(じょうとう)とは、土台の上に柱や梁(はり)といった建物の骨組みを一気に組み上げて、屋根の一番高いところに「棟木(むなぎ)」という木材を取り付けるまでの工事のことです。棟木が架かる屋根の一番高い部分を「棟(むね)」と言い、「棟を上げる」ことから「上棟」「棟上げ」と呼ばれています。
「上棟」は、住宅の一番上で屋根を支える「棟木」を設置することを目標に進めていきます。棟木が無事に上がると、それまで基礎と土台だけだった現場に、家の形が一日で立ち上がります。ここが家づくりの中でも一番の見せ場かな~と思います。
一般的には、柱や梁などの建物の基本となる構造まで完成させ、建物の屋根を葺(ふ)ける状態にするところまでの工事を「上棟」と呼んでいます。詳しい範囲(どこからどこまでが上棟か)は、後ほどの章でじっくり紹介していきますね。
棟上げ・建て方との違いはある?
では、住宅を建て始めますよ~ってなった時、「上棟」のほかに「棟上げ」とか「建て方」とか、こんな言葉を聞いたことがありませんか?地域なんかによっては言葉の言い方が変わってくる場合もありますが、おおよその意味は同じものとして使われています。整理すると、こんな感じです。
・上棟(じょうとう)=棟木を上げて骨組みを完成させること。打ち合わせや式の名前などで使われる、少しあらたまった言い方
・棟上げ(むねあげ)=「棟を上げる」をそのまま言葉にしたもので、意味は上棟とほぼ同じ。地域によってはこちらの方がなじみがあります
・建て方(たてかた)=骨組みを組み立てる作業そのものを指す、職人さん寄りの言葉
最近だとどうでしょう?住宅の打合せをしているときは「上棟」と聞くことが多く、大工さんたちは「建て方」という言葉を使っていることが多いのかな?と思います。「上棟」という言葉は木造住宅の場合に使われることが多いですね。鉄骨造の建物の場合は「建て方」という言葉が使われることが多いのかな?つまり、意味が違うというより「使う人」と「使う場面」が違う、と考えていただければ大丈夫です。今回は多くの方が聞くことが多いと思う「上棟」という言い方をメインに紹介していきたいと思います。
地域とかで言い方が変わってくるのか~
とーさん
地域で風習が違うように言い方も変わってくるのね
かーさん
着工・上棟式との違い
もうひとつ混同されやすいのが、「着工(ちゃっこう)」と「上棟式(じょうとうしき)」です。時系列で並べると分かりやすいですよ~。
・着工=工事の始まり。一般的には、地盤の工事や基礎工事(建物を支える鉄筋コンクリートの部分をつくる工事)が始まるタイミングを指します
・上棟=骨組みが完成する節目。基礎の上に土台を敷いた後、柱を立てて棟木を上げるタイミングです
・上棟式=上棟の節目に行うお祝い・祈願の式。工事の名前ではなく「式」の名前です
つまり、着工は「工事のスタート」、上棟は「骨組み完成の節目」、上棟式は「その節目に行う式」という関係です。「着工から上棟まで」は基礎などの工事期間、「上棟から完成まで」は屋根・外壁・内装などの工事期間、と大きく2つに分けてイメージしていただくと、家づくり全体の流れも見えやすくなると思います。
上棟はどこからどこまでの工事?
「上棟ってどこからどこまでを言うの?」という質問、実は結構多いんです。基本の範囲は、土台の上に柱を立てるところから、梁を架けて、一番高いところに棟木を上げるまでです。
上棟で組み上げていく骨組みの構成を、下から順番に紹介しますね。
・柱(はしら)=土台の上に垂直に立てて、建物の重さを支える部材。上棟はこの柱を立てるところから始まります
・梁(はり)=柱と柱の上に水平に架けて、床や屋根の重さを受ける部材
・棟木(むなぎ)=屋根の一番高いところに水平に架かる部材。これが上がると「上棟」です
建て方で使う柱や梁は、あらかじめ「ほぞ」や「継手(つぎて)」と呼ばれる接合部の加工を工場の方でいれたものを建築地に持っていき、大人数の職人さんたちが一気に組み立てていきます。わかりやすく言うと、レゴのパズル?のように、掛矢(かけや)と呼ばれる木でできた大きいハンマーで頑丈に組み立てていきます。
屋根はどこまでできる?
「上棟で屋根まで出来るの?」というのも、よく聞かれる質問です。棟木が上がった後は、垂木(たるき・棟木から軒先に向かって斜めに架ける屋根の骨組み)を架けて、屋根下地の合板である野地板(のじいた)を貼るところまで、上棟当日に進めることが多いです。
野地板まで貼れると建物の上部がふさがるので、構造材を雨から守りやすくなります。瓦や金属屋根などの仕上げ材を葺くのは後日の工事なので、上棟当日は「屋根の下地まで」というイメージですね。
ただし、どこまでやって上棟とするかは、会社や地域によって範囲の考え方に幅があります。棟木が上がった時点で上棟とする考え方もあれば、野地板まで貼って上棟とする考え方もあるので、正解はひとつではありません。気になる方は「上棟の日はどこまで進みますか?」と建築会社に聞いてみると確実ですよ~。
RC造・鉄骨造にも上棟はある?
「上棟」は棟木を上げる木造ならではの言葉ですが、RC造(鉄筋コンクリート造)や鉄骨造にも、上棟にあたる節目はあります。
RC造には棟木がないため、躯体(くたい・建物の骨組み)の一番上のコンクリートを打ち終わった時点を、上棟にあたる節目とすることが一般的です。鉄骨造の場合は、鉄骨の建て方(組み立て)が完了した時点を節目とすることが多いです。
構造によって呼び方や、式をするかどうかの慣習も様々なので、木造以外で建てられる方は担当の会社に確認してみてください。この記事では、このあとも木造住宅の上棟を前提に紹介していきますね。
上棟当日の流れ

上棟日でまず気にされる方が多いのが日柄です。カレンダーを見て、吉日かどうかを確認して決められる方が今でも多いですよ~。あとは業者さんや現場監督さんが、大工さんやレッカー(クレーン車)の手配などなど、いろいろと連絡をしながら準備をしていくので、上棟日は早い段階である程度決まっていることが多いです。
上棟当日は5~8人くらいの大工さんが集まって、朝の7時とか7時半とかから事前打ち合わせが始まります。打ち合わせが終わり次第、大体8時くらいから上棟工事がスタートします。(大工さんの朝は早いです。)
工事は安全に慎重にかつスピーディーに進めていきます。住宅の骨組みになる大切な作業なので、柱が斜めに傾いていないか、しっかりと柱と梁がはまっているかを確認しながら作業していきます。上棟は朝早くから始められて、お昼くらいには家の形が立ち上がっている状態になります。(とても速いんです!)

その後は棟木を上げて、垂木を架けて、最後に屋根下地の合板(野地板)を貼って、上棟ということになります。上棟日は大きな行事なので、多くの大工さんが助っ人としてお手伝いをしに来てくれます。上棟日以降の工事は、棟梁(とうりょう・その現場をまとめている大工さん)が進めてくれることになります。
現在は柱や梁、屋根をかけるのにクレーンを使用して上に引き上げていますが、昔は建築地で木材を切り出して、それを滑車を使って人の力で引き上げて建てていたそうです。今よりも何倍何十倍もの時間をかけて「上棟」はされていたそうです。
昔は「上棟」って言うと何日もかけて建てていくものだったのに、、、
とーさん
時代も変わると技術も進化していくものね~
かーさん
上棟式とは?しなくてもいい?
「上棟」「棟上げ」「建て方」と一緒に聞くことが多いのが、「上棟式」というものです。聞いたことがある方も多いのではないですか?
上棟式とは

「上棟式」とは、柱や梁などの住宅の骨組みができたとき(上棟の工程が完了したとき)に、ここまで無事に工事が進んだことの感謝と、これからの工事も安全に完成できるようにと祈願する式のことです。
しかし今では、「祈願する式」という面では薄れているかもしれません。もちろん安全を祈ることも忘れませんが、職人さんとお施主様の紹介や顔合わせという形で行われている傾向にあります。なので地鎮祭のように神主さんを呼んで上棟式をする!ってことはなく、棟梁が仕切って行うっていうのが多いかな~と思います。
上棟式はしないといけないの?

上棟式ってやった方がいいのかな~?でも何をするのかも、用意するものもわからないし。と迷っている方も多くいるはずです。上棟式にはしないといけない!という決まりはありません。以前までは儀式として上棟式は行われていましたが、地域ごとに事前に用意するものや差し入れ、ご祝儀など、何かとお金がかかってきてしまうものなので、最近では上棟式をしないという方も増えてきているみたいです。
しかし、上棟式はしないけど建て始めは見たい!上棟の日はせっかくだから見に行こう!ってことでも大丈夫です!自分たちの住宅をどんな大工さんが建ててくれるのか、「これからよろしくお願いします」という気持ちを込めてちょっと差し入れをもっていったり、どうやって建てられていくのかを見に行く良いチャンスです。お客さまにとっては一生に一度、自分たちの家が建てられていく瞬間なので、せっかくなら見に行くってこともいいかもしれませんよ~。(大迫力の工事が近くで見えるのでおススメします!)
ちなみに、家づくりの節目の式には、着工前に行う「地鎮祭(じちんさい)」もあります。地鎮祭の流れや準備が気になる方へ、関連記事はこちら
上棟は雨の日でも大丈夫?

「雨が降るけど建て始めて大丈夫?」「住宅の骨組みになる木が濡れても大丈夫なの?」って心配になる方も多くいるのではないでしょうか?お施主様にとっては一生に一度、この先何十年も暮らしていく場所なので、心配になるのも当然のことです。
木造住宅と言われるものの多くは、木造軸組工法(柱と梁で骨組みをつくる工法で、「在来工法」とも呼ばれます)で建てられています。2×4工法もありますが、今回は木造軸組工法で話していきますね。木造軸組工法の場合、上棟の際に雨が降っていて材料が濡れてしまったとしても、外部部分と内部部分の壁が貼られるまでに木材が乾燥する期間があれば問題はありません。
また、上棟の時に屋根の下地までつくってしまうので、木材が長い期間濡れるってことはあまりないかな~と思います。(かなり多くの雨が予想される時は、上棟が中止になるケースもあります!)化粧柱や化粧梁になる部分には少しだけ染みが残ってしまった、、、ということもあるかもしれませんが、塗装や染み抜きなどで補修することができます。どれだけ大丈夫です!っていっても心配にはなりますよね。そんなときは、遠慮なく設計士さんや現場監督さんに聞いてみてくださいね。
上棟に関するよくある質問
最後に、上棟についてよくいただく質問にお答えします。
Q.上棟はなんて読みますか?
A.「じょうとう」と読みます。棟上げは「むねあげ」、建て方は「たてかた」です。どれも家の骨組みを組み上げる工事にまつわる言葉で、意味はほぼ同じものとして使われています。
Q.上棟と棟上げはどちらが正しいですか?
A.どちらも正しい言葉です。どちらも「屋根の一番高いところに棟木を上げること」を指していて、意味に大きな違いはありません。地域や場面によって使い分けられているだけなので、どちらを使っても通じますよ。
Q.上棟はどこまでの工事を指しますか?
A.基本は棟木を上げるまでで、屋根下地まで含むことも多いです。土台の上に柱を立て、梁を架けて、一番高いところに棟木を上げるまでが基本の範囲です。実際には、垂木や野地板(屋根下地の合板)まで当日に進めることが多いですが、範囲の考え方は会社や地域によって幅があるので、建築会社に確認すると確実です。
Q.上棟の日、施主は何をすればいいですか?
A.必ず行かないといけない、というものではありません。お仕事などで行けなくても工事はきちんと進みます。ただ、見学や差し入れは大工さんたちにも歓迎されることが多いですし、家の形が一日で立ち上がる様子は一生に一度の見どころです。伺うタイミングなどは、建築会社に確認してみてください。
まとめ:上棟と棟上げはほぼ同じ意味、一生に一度の見せ場です
今回は「上棟」について紹介していきました。住宅の建て始めを表す言葉にも「上棟」「棟上げ」「建て方」などなど、こんなにも種類があるなんて、って思った方もいると思います。(全部大体の言葉の意味は同じなんですけどね、、、)地域によって細かい違いはあると思いますが、「上棟」は住宅の一番上で屋根を支える「棟木」を設置することを目標に進めていきます。
どこからどこまでが上棟かと言えば、柱を立ててから棟木を上げるまでが基本で、屋根下地の野地板まで進めることが多い。着工は工事の始まりで、上棟式はその節目に行う式。ここまで読んでいただけたら、打ち合わせで「上棟」「棟上げ」「建て方」のどの言葉が出てきても、もう迷わないと思います。
上棟って、住宅を建てるお客さまにとっては一生に一度のことです。自分の住んでいる近くで建て始める!ってことが無い限り、見られる機会はほとんどないと思います。上棟式はやらないでおこうかな、って思っていても、一度見に行くのもいいかもしれませんよ~。上棟についてわからないことがあれば、設計士さんや営業の方に聞いてみるのもいいかもしれません。
上棟で組み上がった骨組みは、このあと筋交い(すじかい・柱と柱の間に斜めに入れる補強材)や構造用合板で補強されて、地震に強い壁になっていきます。構造の話をもっと知りたい方へ、関連記事はこちら
愛知県小牧市のモデルハウスでは、柱や梁がどう組み上がって家になるのか、構造や建て方の話も実物を見ながら聞いていただけます。気になる方は、ぜひ一度遊びに来てください。
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