2026年7月28日の令和8年熊本地震(M7.1・最大震度7)のあと、「地震に強い家 ランキング」という言葉で検索する方が急に増えました。キーワード調査ツールのデータでは、月間の検索数が7月に前月の2倍近くになっています(2026年9月時点)。大きな地震の映像を見て、「どの会社で建てれば安心なのか、順位で教えてほしい」と思うのは自然なことだと思います。
ただ、検索して出てくるランキング記事を眺めていると、順位の根拠がよく分からないものが少なくありません。1位の理由が「耐震等級3が標準だから」、2位の理由が「実大の振動実験をしているから」。それなら、どちらも当てはまる会社は何位なのでしょうか。
木造の注文住宅を手がける工務店の立場で書いていますので、その点は最初にお断りしておきます。そのうえで、この記事では、世の中の「地震に強い家ランキング」がどう作られているのか、なぜ順位を鵜呑みにしない方がよいのか、そして順位の代わりに使える「自分の物差し」の作り方を、専門知識のない方にも分かるように整理します。ぜひ最後までご覧ください。
⇒地震のニュースを見て「地震に強い家ランキング」を検索し、会社選びに迷っている方
⇒大手ハウスメーカーと工務店、鉄骨と木造、どちらが地震に強いのか知りたい方
⇒ランキングの順位がどんな根拠で作られていて、どこに限界があるのか
⇒会社の規模や工法ではなく、自分の土地と間取りで比べるための8つの物差し
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「地震に強い家 ランキング」はどう作られているのか
順位の根拠は、だいたい5種類
ネット上の「地震に強い家ランキング」や「地震に強いハウスメーカー比較」を読み比べると、順位の根拠はおおむね次の5つに分かれます。
| 順位の根拠 | 分かること | 限界 |
|---|---|---|
| 耐震等級 | 設計上の強さ | ほぼ全社が等級3 |
| 実大振動実験 | 実験条件での挙動 | 条件が各社バラバラ |
| 独自技術・商品 | 技術の有無 | 効果の横比較は困難 |
| 口コミ・評判 | 満足度の傾向 | 地震の実績ではない |
| 広告・紹介料 | ― | 順位に影響しうる |
耐震等級や実験は、それ自体は立派な根拠です。問題は、その根拠で本当に「順位」が付けられるのかという点にあります。詳しくは次の章で見ていきますが、等級は多くの会社が同じ最高等級を取っていますし、実験は会社ごとに条件が違うため、点数のように並べることができません。
ランキングの根拠は「等級・実験・技術・口コミ・広告」の5つ。どれも横一列に並べて点数を付けられる性質のものではありません。
広告目的のランキングも混ざっている
もう1つ、知っておいていただきたいことがあります。住宅の比較サイトやランキング記事の中には、掲載企業からの紹介料(アフィリエイト)や広告費を収入源にしているものも含まれます。資料請求や来場予約のボタンが順位のすぐ横に付いているページは、その可能性を考えてよいと思います。
2023年10月1日からは、広告であるのに一般の消費者が広告だと判別できない表示(いわゆるステルスマーケティング)が景品表示法の規制対象になりました(消費者庁)。「PR」「広告」の表記が付くようになったのはそのためです。ただし、表記があれば中身が中立になるわけではありませんし、順位の付け方そのものは法律で決まっていません。
もちろん、広告を含むサイトがすべて悪いという話ではありません。大切なのは、「この順位は誰が、何を根拠に、何のために付けたのか」を一度考えてから読むことです。
ランキングを読むときは「誰が・何を根拠に・何のために」を先に確かめる。それだけで受け取り方が変わります。
ランキングが当てにならない5つの理由
理由① 耐震等級3は、どの会社でも取れる
耐震等級3は、住宅性能表示制度で定められた地震に対する強さの最高等級で、建築基準法の1.5倍の地震力に対して倒壊・崩壊しない水準です(制度の詳しい中身はこちらの記事で解説しています)。ランキング記事では「耐震等級3が標準」が上位の理由によく挙がります。
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ところが、住宅性能評価・表示協会が公開している統計を見ると、令和6年度に建設住宅性能評価書(工事中の検査を経て交付される評価書)が交付された一戸建て79,154戸のうち、耐震等級3は77,320戸。割合にして97.7%です。令和5年度も97.6%でした。え、ほとんど全部?と思いませんか。
つまり、正式に評価を受けている一戸建てでは、耐震等級3はすでに「当たり前」に近い水準です。木造軸組でも2×4でも鉄骨でも、制度上は同じ物差しで等級が付きますから、「等級3だから上位」という理由では、会社の間に差が付きません。差が出るとすれば、正式な等級3なのか「耐震等級3相当」なのか、どの計算方法で確認したのか、という一段深いところです(これもこちらの記事で詳しく解説しています)。
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評価を受けた一戸建ての約98%が耐震等級3。等級3は差別化ポイントではなく、比較のスタートラインです。
理由② 実大振動実験は、横並びで比較できない
「実物大の家を揺らす実験で倒れなかった」という映像は説得力があります。実大の振動実験そのものは、とても価値のある取り組みです。兵庫県三木市にある防災科学技術研究所のE-ディフェンスは、20m×15mの震動台に実物大の建物(戸建て2棟分)を載せ、前後・左右・上下の三次元に揺らせる世界有数の施設で、2005年から本格的な実験が行われています。外部の機関も利用を申し込める施設です。
ただ、ランキングの根拠として見るときには注意が必要です。どの地震波を、どの強さで、何回加えたのか、試験体はどんな間取り・仕様だったのか、内装や設備は付いていたのか。こうした条件は実験ごとに違い、各社が公開している範囲もまちまちです。A社の「震度7を◯回」とB社の「◯◯地震の波形を再現」は、同じ土俵の数字ではありません。
言い換えると、実験は「その会社の、その仕様の、その条件での挙動」を示すものであって、他社との優劣を決める共通テストではないのです。実験をしていること自体は好材料ですが、順位の根拠にはなりにくいと考えています。
実大実験は価値のある取り組み。ただし条件が各社で異なるため、「実験した会社が上位」という並べ方はできません。
理由③ 工法だけで強さは決まらない
「鉄骨だから強い」「木造だから弱い」という並べ方も、ランキングでよく見かけます。ここは2016年(平成28年)熊本地震のデータで確かめておきたいところです。
国土交通省の委員会が益城町中心部の木造住宅を1棟ずつ調べた結果、倒壊率は旧耐震(1981年5月以前)で28.2%、新耐震(1981年6月〜2000年5月)で8.7%、2000年基準以降で2.2%でした。耐震等級3の木造住宅16棟は倒壊ゼロ・14棟が無被害です。そして鉄筋コンクリート造についても、倒壊・崩壊した10棟はすべて旧耐震の建物で、現行基準を満たす建物で倒壊したものはなかったと報告されています。
木造も鉄筋コンクリートも、「いつの基準で、どう設計され、どう施工されたか」で結果が分かれているのであって、構造の種類だけで線が引けるわけではありません。工法ごとの考え方の違いは次の章で中立に整理しますが、ここでは「工法=順位」ではないことだけ押さえておいてください。
2016年の熊本地震では、木造もRC造も被害を分けたのは「基準と設計と施工」。工法名だけで順位は付けられません。
理由④ 同じ会社でも、間取り・地盤・施工で結果は変わる
ランキングは「会社」に順位を付けますが、地震に耐えるのは会社ではなく「その家」です。同じ会社の同じ商品でも、大きな吹き抜けや1階の大開口が多い間取りと、総二階でシンプルな間取りでは、構造の余裕は変わります。
地盤も同じです。地盤が弱ければ、建物がどれだけ強くても不同沈下や液状化は防げません。さらに、図面どおりに金物が付いていなければ、計算上の強さは発揮されません。「上位の会社で建てたのに、自分の家は等級3の設計になっていなかった」ということは、制度上あり得ます。
順位が付くのは会社、地震を受けるのは自分の家。間取り・地盤・施工の3つは、会社名では決まりません。
理由⑤ 上位の会社が、自分の土地・予算・間取りに合うとは限らない
最後は当たり前のようで、いちばん見落とされる点です。ランキング1位の会社が、希望のエリアで施工していない、予算に合わない、希望する平屋やコの字の間取りが得意ではない、ということは普通にあります。
耐震は家づくりの土台ですが、家づくりのすべてではありません。耐震性を確保したうえで、その会社が自分たちの暮らしの希望をどこまで形にできるか。ここまで含めて初めて「自分たちにとっての1位」が決まります。
万人共通の1位はありません。あるのは「自分たちの土地・予算・暮らしに合う1位」だけです。
地震に強い工法は? 木造軸組・2×4・鉄骨・RCを中立に比べる
「地震に強い工法」で検索する方も多いので、主な4つの工法を並べておきます。木造工務店の立場ではありますが、それぞれの長所は素直に認めたうえで書きます。
| 工法 | 地震への考え方 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 木造軸組 | 柱・梁+耐力壁で耐える | 間取りと改修の自由度 | 壁の量と配置・接合金物 |
| 2×4(枠組壁) | 床・壁・屋根の面で受ける | 力が分散しやすい | 大開口・後の間取り変更 |
| 鉄骨造 | 粘り強い鋼材の骨組み | 大空間・大開口に強い | 重さ・防錆・耐火被覆 |
| RC造 | 重く硬い一体構造 | 剛性・防音・耐火 | 重さ→地盤負担・コスト |
木造軸組は、柱と梁で骨組みを作り、筋交いや構造用合板の耐力壁で地震の力を受け止めます。間取りの自由度が高く、将来の改修もしやすい半面、耐力壁の量と配置、柱を抜けさせない接合金物が性能を左右します。2×4(枠組壁工法)は、日本ツーバイフォー建築協会の説明にあるとおり、床・壁・屋根の面を一体化した「六面体構造」で力を家全体に分散させる考え方です。面で持たせる分、大きな開口や後からの間取り変更には制約が出ます。
鉄骨造は、木材より強度が高く鉄筋コンクリートより軽い鋼材の粘り強さを生かし、柱の少ない大空間や大開口を作りやすいのが持ち味です。一方で、錆への対策や火災時の耐火被覆が必要になります。RC造(鉄筋コンクリート造)は、重く硬い一体の構造で、剛性・防音・耐火に優れます。その重さは地盤への負担とコストにもつながるため、地盤調査と基礎の設計がいっそう大切になります。RC造の暮らし心地については、以前の記事で正直に書いています。
どの工法にも、その工法なりの「弱くなるポイント」があり、そこをきちんと設計・施工で押さえた家が地震に強い家です。工法名でランキングを作るより、「この工法の注意点を、この会社はどう押さえているか」を聞く方が、ずっと実のある比較になると思います。
4つの工法に優劣の順位はなく、それぞれに「押さえるべき弱点」がある。比べるべきは工法名ではなく、弱点の押さえ方です。
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自分でランキングを作る 8つの物差しと比較表
8つの物差し
ここからが本題です。世の中の順位の代わりに、次の8つを会社ごとに確かめて、自分たちのランキングを作ってみてください。
① 正式な耐震等級3か、「耐震等級3相当」か。第三者機関の評価書が出るのか、会社の自己申告なのか。正式な等級3なら地震保険の耐震等級割引(50%)も受けられます(財務省の公表資料、2026年9月時点)。
② どの計算方法で確認しているか。壁量計算(建築基準法の簡易な方法)、性能表示計算(等級を出すための計算)、許容応力度計算(部材ごとの本格的な構造計算)のどれか。
③ 制震・免震の有無と、その位置づけ。制震は揺れを吸収する装置を建物に組み込むもの、免震は地面と建物を切り離すもので、日本免震構造協会によると戸建ての免震住宅は全国で約4,000軒です(2026年9月時点)。どちらも「耐震の上に重ねるもの」であって、耐震の代わりではありません。制震装置を付けているから上位、という見方は順番が逆です。
④ 地盤調査と地盤改良、基礎の考え方。新築住宅は住宅瑕疵担保責任保険(構造と雨漏りの欠陥を10年間保証する仕組み)に入るのが一般的で、その保険では地盤調査が原則必要とされています。「調査済み」の一言で終わらせず、結果をどう基礎に反映したかを聞いてみてください。
⑤ 施工品質の確認体制。瑕疵保険の現場検査は工事中に保険法人が行い、建設住宅性能評価を受ける場合は基礎の配筋・構造躯体・内装下地前・完成の計4回、評価機関の検査が入ります。これに加えて、現場写真を施主に開示しているか、社内検査の記録が残るかを確かめましょう。
⑥ 引き渡し後の点検と保証。地震に強い家も、10年後・20年後にシロアリや雨漏りで構造材が傷めば性能は落ちます。定期点検の頻度、保証の延長条件、有償メンテナンスの目安を確認します。保証の読み方は以前の記事で詳しく書いています。
⑦ 過去の地震での自社物件の被害状況を開示しているか。「全棟無事でした」という言葉だけでなく、どの地震で、何棟中何棟を調べ、どんな被害があったかまで話してくれるかどうかです。
⑧ 間取りの希望との両立を、どう提案してくれるか。「吹き抜けは無理です」で終わるのか、「この壁を残せば両立できます」と代案が出るのか。ここに設計力が表れます。
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そのまま使える比較表
| 物差し | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| ①正式な等級3か相当か | |||
| ②計算方法はどれか | |||
| ③制震・免震の位置づけ | |||
| ④地盤調査と基礎の考え方 | |||
| ⑤第三者検査・現場写真 | |||
| ⑥点検・保証の内容 | |||
| ⑦過去の地震の被害開示 | |||
| ⑧間取り希望との両立案 |
◯・△・×でも、一言メモでも構いません。3社分を埋めてみると、ネットの順位とはまったく違う景色が見えてくるはずです(正直なところ、順位を付けろと言われたら実務者でも困る項目ばかりですね。。。)。
8つの物差しを3社分埋めた表が、自分たち専用の「地震に強い家ランキング」です。
大手ハウスメーカーと工務店、どちらが地震に強いのか
「結局、大手と工務店はどちらが地震に強いのですか」という質問には、会社の規模では決まらず、中身で決まります、というのが正直な答えです。
大手ハウスメーカーの研究開発力や実験設備は本物の強みです。実大の振動実験を重ね、部材や接合部を自社で開発し、工場生産で品質のばらつきを抑える。この積み重ねは、地域の工務店には簡単に真似できません。ここは素直に認めるべき点だと思います。
一方で、工務店は1棟ごとに構造計算をして、現場で図面どおりに作り込むことで勝負します。標準仕様の枠にとらわれず、その土地の地盤と、その家族の間取りに合わせて構造を組み立てられるのは、規模が小さいからこそできることでもあります。ただし、工務店の中には壁量計算だけで「耐震等級3相当」と言っている会社もあり、ばらつきが大きいのも事実です。だからこそ、先ほどの8つの物差しで一社ずつ確かめる必要があります。
木造工務店の立場としては、「大手だから安心」「工務店だから丁寧」のどちらも思い込みだと感じています。大手でも担当者と現場によって差はありますし、工務店でも構造に無頓着な会社はあります。見るべきは看板ではなく、計算書と現場と説明の中身です。
大手の研究開発力も、工務店の1棟ごとの構造計算と現場の丁寧さも、どちらも本物。規模ではなく中身で比べましょう。
愛知で建てるなら 順位より「自分の土地の震度」
愛知県は2026年6月、12年ぶりに見直した南海トラフ地震の被害予測を公表しました。県内では最大震度7が想定され、揺れによる建物の全壊は約5万棟と推計されています。名古屋市の想定でも、過去の地震を考慮したケースで最大震度6強、あらゆる可能性を考慮したケースでは震度7です(いずれも2026年9月時点の公表資料)。
全国向けのランキングは、この「自分の土地で想定される揺れ」を一切考慮していません。同じ会社の同じ仕様でも、想定震度5強の土地と震度7の土地では、求められる余裕がまったく違います。名古屋・小牧エリアで建てる方は、会社の順位を調べる前に、愛知県防災学習システムや各市のハザードマップで、建築予定地の想定震度と液状化の危険度を確認してみてください。それが8つの物差しの④(地盤と基礎)を会社に聞くときの、いちばんの材料になります。
愛知は最大震度7が想定される地域。全国ランキングより先に、自分の土地の想定震度を知ることが比較の出発点です。
モデルハウスや打ち合わせで聞きたい質問リスト
8つの物差しを、そのまま口にできる質問の形にしておきます。
1. この家は正式な耐震等級3ですか、それとも「相当」ですか?評価書は出ますか?
2. 耐震性はどの計算方法で確認していますか?計算書を見せてもらえますか?
3. 制震装置を勧める理由は何ですか?付けない場合の耐震性能はどうなりますか?
4. 地盤調査はどの方法で何か所行い、結果を基礎の設計にどう反映しますか?
5. 工事中の検査は誰が何回行いますか?現場写真は見せてもらえますか?
6. 引き渡し後の点検は何年ごとで、保証を延長する条件は何ですか?
7. 過去の大きな地震で、御社の建てた家はどうでしたか?調べた棟数と結果を教えてください。
8. この間取りの希望を通したまま等級3にするには、どこをどう変えればいいですか?
答えが「大丈夫です」の一言で終わる会社と、図面や書類を出して説明してくれる会社では、安心の中身が違います。質問することは失礼ではありません。むしろ、良い会社ほど、この手の質問を歓迎してくれるものです。
8つの質問への答え方そのものが、その会社の「地震に対する姿勢」を表します。
Q&A|地震に強い家ランキングでよくある質問
Q1. ランキングはまったく見ない方がいいですか?
そんなことはありません。会社名を知る入口としては便利です。ただし、順位そのものを判断材料にせず、「この順位は何を根拠にしているか」を読み取る練習台として使うのがおすすめです。
Q2. 2026年の熊本地震で、どの工法・どの会社の家が強かったかは分かりますか?
2026年9月時点では分かりません。国土交通省は8月18日に原因分析の委員会の設置を発表し、8月31日に第1回を開いたばかりで、建築年代や工法と被害の関係の本格的な分析はこれからです。速報では古い基準の木造に被害が集中したと報告されていますが、「今回の地震で◯◯が強かった」と断定している記事は、まだ根拠がない段階だと受け止めてください。
Q3. 制震ダンパーが付いている会社を上位にしてよいですか?
順番が逆です。まず耐震性能(正式な等級3と計算方法)を確かめ、そのうえで制震を「上乗せ」として評価してください。耐震が不十分な家に制震だけを足しても、効果は限られます。
Q4. 鉄骨と木造で迷っています。地震だけで決めてよいですか?
2016年の熊本地震のデータが示すとおり、どちらも現行基準で正しく設計・施工されていれば、構造の種類だけで大きな差が出るわけではありません。地震への強さは「工法」ではなく「中身」で確かめたうえで、暮らし心地・コスト・メンテナンス・間取りの自由度も含めて選ぶことをおすすめします。
まとめ
「地震に強い家 ランキング」の順位は、耐震等級・実大振動実験・独自技術・口コミ・広告といった、横並びにできない根拠を無理に並べたものです。評価を受けた一戸建ての約98%が耐震等級3を取っている今、「等級3だから上位」では差が付きませんし、実験は条件が各社で異なるため共通テストにはなりません。
2016年の熊本地震では、木造も鉄筋コンクリート造も、被害を分けたのは工法名ではなく「いつの基準で、どう設計され、どう施工されたか」でした。2026年の熊本地震については、国の委員会の分析がこれからで、まだ結論は出ていません。
だからこそ、順位の代わりに8つの物差し(正式な等級3か・計算方法・制震免震の位置づけ・地盤と基礎・施工の確認体制・点検と保証・過去の地震の開示・間取りとの両立)で、一社ずつ確かめてみてください。大手の研究開発力も、工務店の構造計算と現場の丁寧さも、どちらも本物です。比べるべきは看板ではなく中身。最大震度7が想定される愛知で建てるなら、なおさらです。
ネットの順位で決めた家ではなく、自分たちの土地と暮らしに合わせて納得して選んだ家。その方が、10年後・20年後に「この家にしてよかった」と家族が思える住まいになるはずです。
8つの物差しの土台になる「地震に強い家の特徴」は、こちらの記事でまとめています。
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なお、本記事の統計・制度・被害状況は2026年9月時点の情報です。令和8年熊本地震の分析結果は今後公表されますので、最新の情報をご確認ください。






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