注文住宅建築時は坪単価の違いに要注意!|失敗しない業者選びのコツ【業者・エリア・構造別坪単価相場】
注文住宅を建てる、という大きな目標に向かいワクワクした気持ちでこちらのページを開いて頂けた方もいらっしゃるでしょう。
それとも『注文住宅を建てるには、どのくらいお金がかかるか知りたくて坪単価を調べていた』という方もいらっしゃるかも知れませんね。
坪単価だけを見て注文住宅を新築すると、「え?!結局こんなに色々お金がかかるもの?!想定してた範囲を数百万円オーバーしてるんだけど!」ということになりかねません。
この記事では、こんな気持ちになることなく、納得して満足のいく注文住宅を建てていただくため、失敗なく業者を選ぶ際に重要な3つのポイント、坪単価の計算方法についての業界裏話(?)をメインに取り上げます。
併せて業者タイプ別・エリア別・構造別に坪単価の相場はどのくらいか、ということもお伝えしていきますので、是非最後までご覧ください。
⇒注文住宅を建てたくて業者を探している
⇒建築コストは抑えたいから坪単価の安い業者を探したい
◆この記事を読むと分かること
⇒坪単価以外に注文住宅新築時に見るべきお金のポイント
⇒想定外の費用に悩まされずマイホームを持てる
注文住宅の坪単価とは|坪単価は業者により含まれる費用が違う
この記事のもくじ
坪単価とは一坪(≒3.3m2)にかかる建築費用です。一般的には『坪単価 = 建物の本体価格 ÷ 延床面積』と説明されています。とはいえこの計算方法では、注文住宅新築時に支払うのは、単純に坪単価に坪数をかけた費用とはなりません。坪単価の表記方法には明確なルールがないからこそ業者により坪単価の算出方法も違うのです。
ですから、当社としては過去記事:坪単価とは、、、魔法の言葉。で詳しくお伝えしているように、注文住宅建築業者を選ぶ際には、坪単価でなく建築にかかる総額をしっかりチェックしていただくことをおすすめしています。
坪単価の算出方法次第で同じ建築総額でも坪単価は倍ほど違うこともある
坪単価は計算方法に明確なルールがないので、算出方法によっては同じ建築費総額でも坪単価表示は倍ほどかわることもあります。
建築費用総額は同じく2500万円であっても、建物本体価格を基準とするか、建築費総額を基準とするかで差が開きます。あわせて、坪数を施工面積(外構含む)とするか、延べ床面積に限るか、でも大きく違いがでてくることに。
お客様からみて一番『安い!頼みたい!』と感じていただく数字を出そうとすると、【建物本体価格 ÷ 施工面積】で算出した坪単価を表記する選択をとるでしょう。実際このように表記して安く見せる業者もいます。
ですが、実際に支払うことになるのは『建築費総額』です。分母が大きくなる分、確実に坪単価表記は大きくなります。建物本体価格以外に建築費としてかかる費用は数百万円。とはいえ外構費用まで坪単価に含めるのは…ということで、【(建物本体価格 + 付帯工事費用) ÷ 施工面積】で算出するケースもあります。
なぜ後者は延べ床面積でなく施工面積で坪単価を算出するのか、については当然そのほうが数字としてインパクトを下げられるためです。※この計算についてはこちらの資料:坪単価の仕組みで別途まとめているので参照してください。
エンズホームの坪単価の計算方法
エンズホームではお客様に「こんなはずじゃなかった!」と感じさせるような数字は出したくありません。そのため、上記とも異なり以下の計算方法で算出しています。
当然、先にご紹介したどちらのケースよりも、分母が大きく分子が小さくなるため、パッと見数字のインパクトは大きく不利かも知れません。
ですが、支払うことになる総額で坪単価を見せなくては意味がない。
あわせてお客様が気にしている坪数は、庭を含めた坪数でなく、住居部分の面積としての坪数。であれば、当社はお客様のニーズをくみ取り、このように算出しよう、という方針になったのです。
建築費用総額ですから当然、付帯工事費用も外構費用も含めて計算しています。これ以外にかかるものとしては登記に関わる費用など、法的に必要になる費用です。
坪単価で注文住宅建築業者を選ぶ時に失敗しないコツ
坪単価はあくまで参考程度に見て欲しい、とお伝えしてきましたが、目安が無ければ比較検討しずらい…ですよね。
坪単価を目安として業者比較を行っても、業者選びに失敗しないコツはあります。以下を参考にして業者選びをしてください。
1.坪単価がどのように算出されているかチェックする
坪単価を目安として業者選びをする以上、「延べ床面積」を元にしたのか、「施工面積(外構など含む)」で算出されているのかを確認することは必須です。どちらの面積を基準にしたのかチェックしたら、「建物本体価格」・「請負価格の総額」から算出したのかもチェックしてください。
面積と金額の明確な基準を確認したら、最終的に「え?!こんなに高いの?!」とならないためにできれば、『請負価格の総額を施工面積で割って、坪単価を算出』してみましょう。
2.坪単価に含まれる費用がどこまでか確認する
坪単価として業者が提示しているものには、どこまでの費用が含まれているのか、それぞれの標準設備といっているのはどういった設備なのかも確認しましょう。
特に、注文住宅を新築する上で『絶対に外せない設備』にかかる費用が追加費用となっている場合、その価格もチェック必須です。
坪単価は抑えたほうが未来の施主さんにとってイメージが良いことは、周知の事実。ですから、外構費用や地盤改良(どの程度必要になるのかは、土地や建物の構造によっても異なりますが)が含まれていないことがほとんどです。正直に申し上げると、地盤改良は着工してみて正確な数字(現状把握には現場での調査が必要です)が出せる、という点も併せてお伝えさせていただきます。
3.建築費用総額でどれだけかかるのか見積もりをとる
住まう家をどのような間取り・設備で建築したいか、希望をしっかりと出した上で見積もりをとりましょう。
坪単価としてホームページに記載されているものは、基本的なプランをベースにしたもの。土地の形や、追加設備により変動します。正確な情報で比較検討するためには、面倒でもプランを相談した上で、見積もりを取って比較することをおすすめします。
ハウスメーカー・工務店というだけで注文住宅の坪単価の相場に違いはない
気になっている方が多い部分でもある、「ハウスメーカーと工務店、で注文住宅の坪単価相場に違いがあるのか」という点に関しても、お答えしておきます。
でも…
「坪単価だけで比較してよいというものじゃない」
ということは、ここまで読んでいただいた皆さんならもうおわかりのはず。
そう。大手ハウスメーカー同士、工務店同士なら坪単価で比較しても業者選びに失敗はない、ということはありません。表記方法に違いはあれど、メーカーだから、工務店だから、ということでは相場は変わらないのです。
続けて、業者ごとに「坪単価に含まれる費用は何か把握し、坪単価を見るべき」、ということを念頭にいれ、業者タイプ別の坪単価の解説に進んでください。
【業者タイプ別】注文住宅の坪単価
業者タイプ(ローコスト路線・ラグジュアリー路線・工務店)の注文住宅の坪単価相場を表にまとめました。以下の表に記載した坪単価は、基本的に建物に関してかかる費用(建物本体価格)から算出されています。
業者タイプ | 業者名 | 坪単価相場 | 坪単価に含まれる費用 | 特長 |
---|---|---|---|---|
ローコスト系 | タマホーム株式会社 | 30~50万円 | 基礎工事費、建物本体工事費、標準仕様設備費、設計費用、保証費用 | コスパの良さと標準設備の充実度がウリ |
アイフルホーム | 40~60万円 | 基礎工事費、建物本体工事費、標準仕様設備費、設計費用、保証費用 | 子育て世帯向けプランが充実・住宅性能表示対応済み・安全性と快適性を追求 | |
ラグジュアリー系 | 住友林業株式会社 | 80~150万円 | 基礎工事費、建物本体工事費、高級仕様設備費、設計費用、保証費用 | 木のぬくもり・高耐久・高カスタマイズ性がウリ |
積水ハウス株式会社 | 100~200万円 | 基礎工事費、建物本体工事費、高級仕様設備費、設計費用、保証費用 | 断熱・防音・アフターサービスの充実度がウリ | |
工務店 | アキュラホーム | 50~80万円 | 基礎工事費、建物本体工事費、標準仕様設備費、設計費用、保証費用 | 品質・コスパ・顧客ニーズへの柔軟性がウリ |
三井ホーム | 70~150万円 | 基礎工事費、建物本体工事費、高級仕様設備費、設計費用、保証費用 | デザイン性・耐久性・耐震性・カスタマイズ性の高さがウリ |
こうみると、ハウスメーカーであっても、工務店であっても、大きな違いがあるというものではないことも、おわかりいただけるのではないでしょうか。それぞれの業者が建築業界で生き残りをかけてしのぎを削っています。業者ごとに坪単価に含まれるものも少し違いがありますね。
業者選びの際には、坪単価に何が含まれていて、そこで建てるとしたら何を追加しないと希望の家にならないのか、追加設備などの価格を含めて検討するようにしてください。
【エリア別】住宅金融支援機構による注文住宅の坪単価
すでに建築済みのおうちの坪単価はどのくらいかまとめてみました。エリア別の注文住宅の坪単価を、フラット35を提供している住宅金融支援機構の調査データを元に表にまとめているので、参考にご覧ください。
エリア | 坪単価【建設費総額÷延べ床面積】 |
---|---|
三大都市圏 | 約105万円 |
首都圏 | 約107万円 |
近畿圏 | 約104万円 |
東海圏 | 約101万円 |
東京 | 約118万円 |
愛知 | 約102万円 |
参考:地域別都道府県別主要指標|2022年フラット35利用者調査(注文住宅)
上記の表に記載している坪単価は、当社と同じく「建築費用の総額に対して、延べ床面積で割り出した坪単価」となっています。「建物本体価格」に対する坪単価ではないため、WEBで調査するとでてくる「建物本体価格から割り出した坪単価」よりも高くなっていることに注意して確認してください。
【構造別】注文住宅の坪単価の相場もチェック
一般的に注文住宅建築となると木造をご希望されるケースが多いですが、
- 住宅の一部を賃貸としたい
- 3階建て以上の2世帯住宅にしたい
- 打ちっぱなしの家にしたいから鉄筋コンクリート(RC)造を検討している
といった風に、木造以外の注文住宅を検討される方もいらっしゃいます。
構造によっても注文住宅の建物本体価格に対する坪単価は変わるので、目安として相場をまとめました。併せてそれぞれの構造の特長や、建築時の注意点も併せてお伝えしますね。(以下の相場は外構費用・付帯工事費用を除いた費用で算出されているものも含まれます)
構造種類 | 坪単価相場 | 特長 | 耐久性 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
木造 | 50~70万円 | 自然素材で吸湿効果あり 一般的な構造 | 30~40年 | シロアリ対策必須・定期的なメンテナンスも必要 |
鉄骨造 | 70~90万円 | 耐震性に優れている・広い空間を確保しやすい | 40~60年 | 防サビ対策必須・経年劣化の確認・メンテナンス必須・重量があるのため地盤改良費用かさむ可能性あり |
鉄筋コンクリート(RC)造 | 80~100万円 | 防音・断熱・耐火性に優れている・広い空間を確保しやすい | 60~100年 | 重量があるのため地盤改良費用かさむ可能性あり・工期が他より長い |
注文住宅新築時は坪単価だけをみて業者選定しないでください
坪単価の表記方法には明確なルールがないため、業者ごとに算出方法が異なることはお伝えした通りです。
そのうえで、すでにローンの支払いを開始している方の建築費用総額に対する坪単価、構造別の坪単価、業者タイプ別の坪単価についてもご覧いただきました。
いかがだったでしょうか。
坪単価はを安く見せることは簡単です。お客様により坪単価という言葉の認識も異なる側面もありますが、それ以上に業者によっても違うということを踏まえ、注文住宅新築時に業者を選ぶ際には、坪単価だけを見て判断しないでいただきたい理由もご理解頂けたのではないでしょうか。
『注文住宅を建てる』ということを人生最大の夢としてお持ちになる方もいらっしゃいます。夢とはいいつつ、家は、大切な家族とかけがえのない日々を過ごすことになるスペースです。皆さんの夢を素敵な現実として実現するため、お役に立ちたいと日々精進してまいります!