名古屋の工務店として注文住宅の相談は体感型モデルハウスがある丸協。名古屋のスノーピーク代理店として心地よさとスノーピークの遊び心を併せ持つ提案をしています。 

Ua値はあてにならない/快適設計

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こんにちは

エンズホームのオガタです。いきなりですが下記のような住宅があった場合どちらを購入検討しますか?

【Ua値は同じ】使用しているサッシが

【樹脂サッシトリプルG】

OR

【樹脂サッシペアG】

価格は若干ペアの方がお値打ち(←この数字が大切かもしれませんが)

 

 

纏めると

Ua値は同じで仮に0.49同士、使用しているサッシが違う、そこの違いなわけです。

 

樹脂サッシサッシトリプルG

樹脂サッシペアG

 

きっと9割の方は 樹脂サッシトリプルガラスの住宅を性能の良い家=快適な家と思い建築検討や購入検討をするのかなと思います。が、今回はじゃあ~絶対樹脂トリプルガラスでしょ!っていう方!本当に良いんですか~?

◆今回はこんな方の為に書いています。

⇒Ua値を絶対的な性能指標と思っている方へ

⇒快適ってそもそも何なの?と思っている方へ

◆今回の記事を読むとこんなことがわかります。

⇒Ua値以外の大切なモノ

⇒五感の重要性

 

快適設計とは

快適設計とググるとおむつの記事が出てきます(笑)そんな中、よくこのブログにたどり着いていただけたと感謝です!

 

では早速。

 

今の時代はネットやSNS等いろんな所で情報が転がっていて、日々その情報もアップデートされたり昨日までは〇だったものがXになったりと、、、って、これはさすがにないでしょうけどある人ある会社は良いと言っていてもう一方の会社はダメと言っていたりと、、、これから未来の建築主さんはどちらの情報や言っている事を信じたらいいのか?ってなると思います。

 

オガタ自身も同じ立場だったらそうなると思います。

 

Ua値が良い事(数字が低い)と快適?

このUa値って住宅の性能を測る(知る)のに重要な数値ではありますが、そこだけを信じてしまうと、、、Ua値は良いけど【暑い~】または【寒い~】となりかねません。それは何故かという事を今回は同一プランを用いてシミュレーションしてみたいと思います。

 

使うシミュレーションソフトは新住協のQPEX4.0(最近アップデートされたばかりです)を使って早速行ってみたいと思います。

 

まずは 地域を変えてみました。

その前に*断熱材などは一切入力項目を変えずにという前提です。

 

Ua値/地域の違い

 

結果はこちらです。まずは名古屋

Ua値0.87  年間暖冷房費¥100,359円

続いてエリアを浜松にしてみました

Ua値0.87  年間暖冷房費¥85,030円

 

な、なんと同じプランでもエリアが違うだけで年間暖冷房費にこんなにも違いがあります。これって逆に言うと大手HMさんなどで同一プランの使いまわしだったりすると知らず知らずにお金のかかる家になりそうな気配です。

二つを並べてみるとこんな感じです。

見えないですね、、、<(_ _)>

 

名古屋:Ua値0.87  年間暖冷房費¥100,359円

浜松 :Ua値0.87  年間暖冷房費¥85,030円

 

次行きます~

Ua値/隣地を考慮する?

 

実際建築する土地の周辺環境は何かしらの建物が建っている場合が多いのではないかと思います。過去に建築させて頂いたお客様の土地で周りに建物(当該地に日陰を落とすような)が無かった事って記憶の中にはありません。何かしら建物が建っていた。

 

市内の地価が高いところに行けば行くほどその傾向にあります。だってせっかくなら土地を有効利用したいから目いっぱい建てたくなりますよね?建ぺい率・容積率を守っていたら違法じゃないんだしって。因みに建ぺい率・容積率とは

建ぺい率って何? 

 

 

容積率って何?って思いません? 

はい、本題に戻ります。

これは隣地の状況を無視した場合の計算結果です↓

 

Ua値0.87  年間暖冷房費¥106,793円

続きまして隣地を考慮した場合はこちら↓

 

Ua値0.87  年間暖冷房費¥98,834円

 

二つを並べてみました

見えないですね、、、<(_ _)>

 

隣地考慮:Ua値0.87  年間暖冷房費¥106,793円

隣地考慮:Ua値0.87  年間暖冷房費¥98,834円

 

 

これは明らかに日射取得面(南・東・西)に建物がある場合、その建物が作る影を少しでもよけて建築したかどうかの違いです。

こんなにも違いが出ました!同じ敷地でも建物の配置次第でこんなにも変わります。。。気を付けなければ。

 

次はこれを変えててみましょう!

 

Ua値/窓種(ガラス等) アルミサッシ LOW-E ガラス/樹脂サッシ 断熱ガラス

いきなり結果発表~

アルミサッシ LOW-E ガラス

 

Ua値0.76  年間暖冷房費¥89,531円

 

樹脂サッシ 断熱ガラス

 

Ua値0.59  年間暖冷房費¥73,132円

 

ん~サッシ種やガラスを変えるとぐんぐんUa値が下がって来る事が確認できます!

見えないですね、、、<(_ _)>

 

アルミサッシ LOW-Eガラス:Ua値0.76  年間暖冷房費¥89,531円

樹脂サッシ 断熱ペアガラス:Ua値0.59  年間暖冷房費¥73,132円

 

6地域では、断熱材や構成を変えることなく(QPEXのデフォルトのまま)ZEH基準をクリアです、、、ここでの感想は、、、え~本当に???

 

これが正直な感想です。特に何か頭を使って快適に~、とか日射取得をどうしようか~、なんて考えずに机上ではもうZEH。

 

となると~ Ua値を下げるには窓(外皮の弱点とされる)を強化する、若しくは逆に少なくすると?Ua値って低くなるんじゃない?って思ったあなたは素晴らしい。

その通りです。

 

Ua値が低い≠快適

 

Ua値を下げるべくプランの中のサッシを少しいじってみました。

 

いわゆるシンプルモダンの様に窓を少なく庇をなくし、シンプルにシンプルにしてすっきりと見える外観。それに加えて使用するサッシを樹脂サッシトリプルガラスにしました。

樹脂サッシトリプル使用でUa値が0.49まで下がりました。

Ua値0.49  年間暖冷房費¥78,740円

では、これは?

同じ間取りですが、方位ごとの窓の窓数・大きさ・庇の出幅や取付高さ・気積等を年間暖冷房費が少なくなるように変えたものがこちらの計算結果。いわゆる日射取得を考えたプランです。

 

こちらもUa値0.49で同じです。

Ua値0.49  年間暖冷房費¥68,322円

見えないですが一応貼っときます。

え~~~ どういう事???だって樹脂サッシトリプルガラス使っている建物よりも、樹脂サッシのペアガラスを使っている建物の方が年間暖冷房費が安い???

 

おかしくないか?と思うかもしれませんが、これは事実です。

 

その理由は簡単で冬場は太陽の光を多く取り入れた方が室内が温められて、その分暖房費が削減できるという理屈。一方夏の日差しは【庇や軒の深さ】で日射を遮蔽(入れない工夫)をするという理屈。

 

だから、Ua値や建材/設備がいくらいいもの(高価なもの・名前が通っているもの)を使用しているからといって【快適な住まい】とは直結しないという事です。

 

 

 

日射取得を意識しない:Ua値0.49  年間暖冷房費¥78,740円

日射取得を意識した :Ua値0.49  年間暖冷房費¥68,322円

 

 

ここではUa値を否定するつもりはありませんし、性能が良いに越したことはありません。お客様がその建物の性能(車でいうなら燃費)を知りたいというのは自然の事。しかしその数値もあまり意味を持たない現実があります。では何を頼りにしたらいいのか?それは年間の暖冷房費や自然温度差なんです。

 

Ua値を下げるには

これ簡単!住宅を構成する部材で断熱性能の良いものを組み合わせるだけ!

 

【弊社の建物性能はUa値○○でサッシは▲▲を使ってますから高性能なんです~】って、、、高性能、、、嘘ではないけどなんか薄っぺらく感じてしまう。

 

高性能の先に何があるのかを示してもらえるとお客さんとしてはわかりやすいだろうと思います。住宅を使用材の高性能化する事が目的ではないはずです。

 

本当に高性能化した先にはこんな事が待っています。

 

・冬暖かく夏涼しい暮らし。

・心身ともにストレスの少ない室内環境。

・年間暖冷房費が少なく部屋中の温度差が少ない。

・冬場の部屋間の移動が億劫にならない。

・居住者の生涯医療費が安くなる(という研究データもあったりします。)

・冬布団がいらなくなる。

・朝までぐっすり眠れる。

・夜トイレに起きることが少なくなった。

・夜中子供のトイレに付き添う時寒くない。

等々。

 

 

という事で、Ua値をゴリゴリに押してくる会社さんや担当者さんに遭遇したら、【年間暖冷房費はいくらですか?】【自然温度差はいくつですか?】と聞いて確認してみても良いかもしれませんね。

 

次回は快適とはについてです。

 

 

 

 

 

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