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24時間換気システムが寒い原因3つと寒さ対策5つ!止めてはいけない理由を工務店が解説

リビング

『せっかくの新築なのに、給気口から入ってくる風が冷たい、、、』

『24時間換気システムって、寒かったら止めてもいいの?』

 

冬になると、こうしたお悩みやご質問をよくいただきます。24時間換気システム(家の空気を機械で常に入れ替える設備)は法律で設置が義務付けられていますが、「寒さの原因になっている気がする」と感じている方も多いのではないでしょうか。

 

結論からお伝えすると、どんなに寒くても24時間換気システムを止めるのはNGです。ただし寒さには必ず原因があり、原因に合った対策をすれば、換気しながら暖かく暮らすことは十分できます。

 

そして工務店の本音を言うと、寒さの原因が換気システムではなく、家の気密・断熱不足であるケースも少なくありません。

 

この記事では、24時間換気システムが寒いと感じる原因3つと寒さ対策5つ、止めてはいけない理由、そして基礎断熱の家の換気のことまで分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は2026年9月に内容を加筆・更新しました。

 

◆こんな方におすすめの記事
⇒24時間換気システムが寒くて困っている
⇒止めていいのか、何をすれば暖かくなるのか知りたい
◆この記事を読むと分かること
⇒寒いと感じる原因3つと寒さ対策5つ
⇒熱交換型換気や基礎断熱の家の換気のこと

24時間換気システムはなぜ必要?

換気口

 

24時間換気システムは、シックハウス対策として2003年7月に施行された改正建築基準法で、設置が義務付けられた設備です。

 

住宅の高気密・高断熱化が進んだ一方で、建材に含まれる化学物質による空気の汚れや、湿気がこもることによるカビ・ダニの繁殖が問題になったことが背景にあります。

 

国土交通省の資料では、住宅には換気回数0.5回/h以上、つまり「1時間に部屋の空気の半分が入れ替わる」換気設備の設置が原則として必要とされています。

 

現在は建材に含まれる化学物質の規制も進み、安心感は高まりました。それでも家具や日用品から出る化学物質はありますし、人が暮らせば湿気や二酸化炭素も出ます。計画的な換気は、家と家族の健康を守る土台なんです。
※換気の義務など制度に関する内容は2026年9月時点の情報です。最新の情報は国土交通省のホームページ等でご確認ください。

 

24時間換気システムが寒いと感じる原因3つ

寒い

 

では、なぜ24時間換気システムをつけていると寒いと感じるのでしょうか?主な原因は次の3つです。

  • 外の冷たい空気がそのまま入ってくる
  • 家の気密・断熱性能が低く、計画外のすき間風が入る
  • 給気口の位置や風向きが悪い

 

順番に見ていきましょう。

 

①外の冷たい空気がそのまま入ってくる

 

住宅で多く採用されている第3種換気(後の章で詳しく解説します)は、外の空気が温度調整なしで、給気口からそのまま入ってくる仕組みです。

 

気象庁の平年値(1991〜2020年)では、名古屋の1月の平均気温は4.8℃、日最低気温の平均は1.1℃です。室温が20℃だとすると、15℃以上も冷たい空気が常に入ってくるわけですから、給気口の近くが寒いのは当然といえば当然ですね。

 

暖房をつけても給気口からの冷気は続くため、「暖房の効きが悪い」「すき間風のようで不快」と感じる原因になります。

 

②家の気密・断熱性能が低く、計画外のすき間風が入る

 

実は、ここが工務店として一番お伝えしたいところです。え、寒いのは換気のせいじゃないの?と思いますよね。

 

気密(家のすき間の少なさ)が低い家では、給気口以外の壁や床のすき間からも冷気が入り込みます。この場合、「換気システムが寒い」ように見えて、実際は計画外のすき間風が寒さの正体です。

 

その証拠に、こうした家では換気を止めても寒さはあまり変わりません。しかも、すき間の多い家では空気が計画どおりに流れず、換気の効果そのものも下がってしまいます。(換気システムが少し気の毒でもあります)

 

さらに断熱性能が低いと、壁や窓の表面温度が下がって体感温度も下がります。寒さの原因を換気システムだけに求めず、家全体の性能を疑ってみることが大切です。

 

③給気口の位置や風向きが悪い

 

給気口の真下や真横に、ソファ・ベッド・勉強机など長い時間過ごす場所があると、冷たい空気が直接体に当たり、実際の温度以上に寒く感じます。

 

同じ部屋でも、給気口と過ごす場所の位置関係だけで体感は大きく変わります。間取りの打ち合わせの段階で「給気口の近くで誰が過ごすか」まで確認しておくと、入居後の後悔を減らせます。

 

寒くても24時間換気システムを止めるのはNGな理由

NG

 

「原因は分かったけど、寒い日くらい止めてもいいのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、寒くても24時間換気システムを止めるのはNGです。

 

換気を止めると空気の入れ替えが止まり、湿気がこもって結露やカビ・ダニが発生しやすくなるからです。

 

結露は窓ガラスだけでなく、壁の中など見えない場所でも起こり、建物を傷める原因になります。カビやダニはぜんそくやアレルギーなど健康への影響につながる可能性がありますし、化学物質がこもればシックハウス症候群のリスクも高まります。

 

寒いからと止めてしまうと、家と家族の健康の両方にツケが回ってきます。止めるのではなく、この後ご紹介する対策で「止めなくても寒くない状態」をつくることが大切です。

 

24時間換気システムの種類と寒さの関係

換気口2

 

対策の前に、24時間換気システムの種類を整理しておきましょう。機械換気は、給気(外の空気を取り入れる)と排気(中の空気を出す)のどちらを機械で行うかによって、3つの方式に分かれます。どの方式かによって、寒さの感じ方も変わってきます。

 

第1種換気

 

第1種換気は、給気と排気の両方を機械で行う方式です。空気の流れをコントロールしやすく、安定した換気ができます。

 

寒さ対策として重要なのはここからです。第1種換気には「熱交換型」といって、排気する空気から熱を回収し、外気を室温に近づけてから取り入れられるタイプがあります。

 

大手設備メーカーの資料には、温度交換効率80%の場合を例にした解説がみられます(2026年9月時点。効率は機種や条件によって異なります)。仮に効率80%とすると、外気0℃・室温20℃なら、計算上はおよそ16℃まで暖められた空気が入ってくるイメージです。「給気口からの冷たい風」の悩みがぐっと軽くなりますよね。

 

一方で、機器の構成が複雑なぶん導入コストは高くなる傾向があり、フィルターなどお手入れの項目も増えます。

 

第2種換気

 

第2種換気は、給気のみを機械で行う方式です。室内の気圧が高くなるため外からほこりや汚れた空気が入りにくく、手術室やクリーンルームなどで使われるとされています。

 

住宅では、湿気を含んだ室内の空気が壁の中へ押し込まれて結露の原因になるおそれが指摘されており、採用はまれです。外気がそのまま入ってくる点は第3種と同じなので、寒さの面でのメリットは特にありません。

 

第3種換気

 

第3種換気は、トイレや洗面所などの排気だけを機械で行い、各居室の給気口から自然に外気を取り入れる方式です。構成がシンプルなため、導入コストや電気代を抑えやすく、住宅で多く採用されています。

 

ただし外気が温度調整なしで入ってくるため、冬は給気口の近くが寒くなりやすいのが弱点です。また、室内を負圧にして給気口から空気を吸わせる方式なので、気密の低い家ではすき間から空気が出入りして、計画どおりの換気になりにくいという注意点もあります。

 

3つの方式の違いを表にまとめると、次のようになります。

 

項目 第1種換気 第2種換気 第3種換気
仕組み 給気も排気も機械 給気のみ機械 排気のみ機械
冬の寒さ 熱交換型なら緩和 給気口近くは寒い 給気口近くは寒い
コスト 高くなる傾向 ― 抑えやすい
お手入れ 項目が多め ― シンプル

※この表は一般的な傾向の整理です(2026年9月時点)。第2種換気は住宅では採用がまれなため「―」としています。機種や住宅の条件によって異なります。

 

24時間換気の寒さ対策5つ

暖かい

 

ここからは、24時間換気を止めずにできる寒さ対策を5つご紹介します。

  • 熱交換型の第1種換気を選ぶ
  • 家の気密・断熱性能を上げる
  • 給気口の位置を工夫する・専用フィルターをつける
  • 換気口のお手入れを定期的にする
  • 断熱カーテンやサーキュレーターを併用する

 

①と②はこれから新築・リフォームをする方向けの根本対策、③〜⑤は今の住まいですぐ取り入れられる対策です。

 

①熱交換型の第1種換気を選ぶ

 

これから家を建てる方や、大きなリフォームを予定している方の根本対策です。熱交換型の第1種換気なら、「冷たい外気がそのまま入ってくる」という原因そのものをなくせます。

 

前の章でお伝えしたとおり、外気を室温に近づけてから取り入れるため、給気口まわりの不快な冷気がぐっと減ります。捨てていた熱を回収するので、暖房の熱のロスを減らせるのもうれしいところです。

 

一方で、導入コストが高くなる傾向があること、ファンが増えるぶん換気にかかる電気代は大きくなりやすいことは、正直にお伝えしておきます。ただ、熱交換で暖房のロスが減る効果もあるため、電気代だけで優劣は決められません。初期費用・光熱費・お手入れの手間をトータルで比較して選ぶことが大切です。

 

②家の気密・断熱性能を上げる

 

原因②でお伝えした「計画外のすき間風」への根本対策です。気密の高い家なら、冷気の入り口は計画された給気口だけになり、換気も計画どおりに働きます。

 

あわせて断熱、特に熱の出入りが大きい窓の断熱を強化すると、壁や窓の表面温度が下がりにくくなり、体感温度が上がります。遠回りに見えますが、「換気しても寒くない家」をつくることが、一番確実な寒さ対策だと考えています。

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③給気口の位置を工夫する・専用フィルターをつける

 

新築の間取り打ち合わせでは、ソファやベッドと給気口の位置関係を確認しておきましょう。風向きを調整できるタイプの給気口もあるので、担当者に相談してみてください。

 

今の住まいでできる対策としては、ホームセンターや100円ショップでも手に入る、給気口(換気口)専用のフィルターがあります。冷気の勢いを和らげられるほか、花粉やホコリの対策にもなります。

 

ただし、給気口を完全にふさいでしまうのはNGです。換気を止めるのと同じことになってしまうので、必ず通気を妨げない専用品を使ってください。

 

④換気口のお手入れを定期的にする

 

換気口やフィルターがホコリで詰まると、空気の流れが悪くなって換気量が落ち、湿気もこもりやすくなります。

 

お手入れの頻度は機種によって異なりますが、月に1回程度を目安に、フィルターや換気口のホコリを取り除くと安心です。詳しくはお使いの機種の取扱説明書を確認してください。

 

掃除を楽にしたい方は、市販の「ホコリ取りフィルター」を活用するのもおすすめです。

 

⑤断熱カーテンやサーキュレーターを併用する

 

窓は、家の中でも熱の出入りが特に大きい場所です。冬は室内の空気が窓で冷やされて足元に流れ落ちる現象(コールドドラフト)が起こり、「換気のせいで寒い」と感じる一因になっていることもあります。

 

そこで、カーテンを断熱カーテンや厚手のカーテンに変えると、窓からの冷気を抑えて室内の暖かさを保ちやすくなります。ちなみに「遮光カーテン」は光を遮るためのもの、「遮熱カーテン」は主に夏の日差し対策のものなので、冬の寒さ対策には「断熱」の表示があるものを選んでください。

 

また、暖かい空気は天井近くにたまるので、サーキュレーターやシーリングファンで空気を循環させるのも効果的です。吹き抜けにシーリングファンを付けるなら、お掃除のことも考えて、ワイヤーで降ろせる昇降装置を付けておくと良いかも?

 

基礎断熱の家の24時間換気は寒くない?

 

ここからは、これから家を建てる方からよくご質問いただく「基礎断熱と24時間換気」の話です。

 

基礎断熱とは、基礎(建物を支える鉄筋コンクリート部分)を断熱材で包み、床下まで断熱ラインの内側、つまり室内側として扱う工法です。一般的な床断熱(1階の床のすぐ下に断熱材を入れ、床下は外気が通る空間として扱う工法)とは、床下の扱いが正反対になります。

 

基礎断熱の家では、床下も“室内の一部”として、24時間換気の計画に含めるのが基本です。床下に空気の通り道をつくり、床下の空気がよどまないように計画します。床下に冬の冷たい外気が入らないため、床の表面温度が下がりにくく、足元の寒さを感じにくいと実感しています。

 

また、床下が室内側になっているからこそ、床下に暖気を送って家全体をふんわり暖める「床下エアコン」という暖房も選べるようになります。基礎断熱と、床下を含めた換気計画がセットで整っていることが前提の暖房方法です。

 

なお、床断熱・基礎断熱のどちらにも良さがあり、どちらが正解というものではありません。そして、どちらの工法でも24時間換気が必要なことに変わりはありません。大切なのは工法の名前よりも、換気計画と気密・断熱の施工が丁寧に行われているかどうかです。

 

24時間換気に関するよくある質問

 

最後に、24時間換気の寒さについてよくいただく質問にお答えします。

 

Q.24時間換気は寒いので、冬だけ止めてもいいですか?

A.冬だけでも、止めるのはおすすめできません。24時間換気はシックハウス対策として常時運転が前提の設備で、止めると湿気や化学物質がこもり、結露・カビ・健康被害につながるおそれがあります。寒い場合は止めるのではなく、専用フィルターや断熱カーテンなどの対策を試してみてください。機種によっては、取扱説明書で認められた範囲で風量を調整できるものもあります。

 

Q.24時間換気システムの電気代はどれくらいかかりますか?

A.機種や方式によって幅がありますが、思っているより小さな金額のことが多いです。家電の電気代計算に使われる目安単価31円/kWh(2026年9月時点)で計算すると、仮に消費電力5Wのファンを1年間動かし続けた場合で年間約1,360円(月約110円)、30Wでも年間約8,100円(月約680円)という計算になります。第1種換気は第3種換気より消費電力が大きくなる傾向がありますが、熱交換型なら暖房の熱ロスを減らせるため、電気代だけで優劣は決められません。

 

Q.熱交換型換気とは何ですか?

A.排気する室内の空気から熱を回収し、外気を室温に近づけてから取り入れる換気のことです。主に第1種換気で採用されています。業界団体の資料では、温度(顕熱)と湿度(潜熱)の両方を交換する「全熱交換型」と、温度だけを交換する「顕熱交換型」があるとされています。冬の給気の冷たさを和らげたい方に向いた仕組みです。

 

Q.賃貸やマンションでもできる寒さ対策はありますか?

A.あります。給気口の専用フィルター・断熱カーテン・サーキュレーターの併用など、工事なしでできる対策から始めましょう。いずれも本文の対策③〜⑤で紹介した方法です。ただし、給気口をテープなどで完全にふさいだり、換気システムを止めたりするのは、結露やカビの原因になるため避けてください。

 

まとめ:24時間換気は止めずに、寒さの原因に合った対策を

あたたかいリビング

 

24時間換気システムが寒いと感じる原因は、「外の冷たい空気がそのまま入る」「気密・断熱不足による計画外のすき間風」「給気口の位置や風向き」の3つでした。

 

どんなに寒くても、換気は止めずに、原因に合った対策を選ぶことが大切です。今の住まいなら、専用フィルター・お手入れ・断熱カーテン・サーキュレーター。これから建てるなら、熱交換型換気や気密・断熱の強化という根本対策が選べます。

 

ちなみに冬場、トイレの換気扇を切っていると、冷気がス~ッと降りてくることがあります。これも換気扇をONにして空気の流れを整えてあげれば解決します。換気は「止める」より「正しく動かす」が正解なんですね。

 

寒さ対策として床暖房などの暖房設備を検討する方も多いですが、設備を足す前に家そのものの性能を見直す方が、10年後・20年後まで効いてきます。

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高気密高断熱の家が冬にどれくらい暖かいのか、給気口の近くでどう感じるのかは、数字よりも体感が一番です。ぜひモデルハウスで、換気しながらでも寒くない空気を確かめてみてください。

 

家族全員が「この家にしてよかった」と感じられる、冬も心地よい住まいづくりを目指しましょう。

 

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