夏の梅雨時や冬に窓やサッシに結露が発生して、カーテンの開け閉めをすると生地やサッシが濡れてしまい「あちゃー」ってなりませんか?涙
発生した結露はそのままにしておくとカビが発生してしまい、見栄えだけでなく健康にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
一方で、これから家を建てる方からは「気密性の高い家は空気がこもって、かえって結露しやすいのでは?」というご質問をいただくことがあります。高気密高断熱住宅は結露が発生しにくい構造ではありますが、環境条件によっては生じてしまうケースもあるため、気密性と結露の関係を正しく知っておくことが大切です。
この記事では、気密性と結露の関係(気密が高いと結露しやすいのか、しにくいのか)、高気密高断熱住宅でも結露が発生する原因、そして今すぐできる対策まで、工務店の目線で分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※この記事は2026年9月に内容を加筆・更新しました。
⇒高気密高断熱住宅でも結露が出る?
⇒結露でカビが発生するのに悩んでいる
◆この記事を読むと分かること
⇒気密性と結露の関係・除湿対策がわかる
⇒結露の発生を抑える方法がわかる
高気密高断熱住宅は結露に強い家と言われる理由

高気密高断熱の家は結露に強い家と言われていますが、その理由は気密性が高く、断熱によって外の温度の影響を受けにくい作りをしているからです。
そもそも結露とは、暖かく湿った空気が冷たい面に触れたときに水滴になる現象です。冷たい飲み物を入れたコップの表面に水滴がつくのと同じ仕組みで、家の中では外気で冷やされた窓ガラスや壁の表面がその「冷たい面」になります。
高気密高断熱住宅は、室内に屋外の空気が出入りするすき間が少ないので、外気の影響を受けにくいと考えられます。壁や床、天井などに断熱材を施しているので室内と屋外の熱を遮断し、建物のすき間をなくすことで気密性が高まり、暖冷房効果のアップにもなるのです。窓や壁の表面が冷えにくい家は、結露の起点となる「冷たい面」ができにくい家とも言えます。
エアコンを自動運転に設定しておけば一定の温度を保ちやすく、無駄な電気代を抑えることにもつながります。
暑い夏は外気の熱さを遮って室内は冷房による涼しさを保ちやすく、寒い冬は外気の冷たい空気を遮り室内の暖かい空気を逃がさないため快適に過ごしやすいです。1年を通して室内の温度を一定に保ちやすいことから、急激な寒暖差によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかるヒートショックのリスクを減らすことにもつながります。ヒートショックの怖さについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
気密性と結露の関係|気密が高いと結露しやすい?しにくい?
ここからが本題です。「気密性が高い=空気がこもる=結露しやすい」というイメージを持たれている方は少なくありませんが、結論から言うと気密性が高いこと自体は結露の原因ではなく、むしろ結露対策そのものです。
え、逆なの?と思われたかもしれません。順を追って説明していきます。
結露には「表面結露」と「内部結露」がある
まず、ひとくちに結露と言っても、住宅で問題になる結露には2種類あります。
一つ目は表面結露です。冬の朝に窓ガラスやサッシがびっしょり濡れている、北側の部屋の壁紙が湿っぽい、といった目に見える結露のことで、暖かく湿った室内の空気が冷えた窓や壁の表面に触れて水滴になります。冒頭の「あちゃー」はこちらですね。
二つ目は内部結露です。これは壁の中(断熱材の中や柱の表面)で起きる結露で、室内の湿った空気が壁の内側に入り込み、外気で冷やされた部分で水滴になります。内部結露は壁を開けてみないと分からないため、気づいたときには柱や土台が傷んでいた、というケースもある厄介な結露です。
表面結露は拭き取ればひとまず対処できますが、内部結露は暮らしの中で気づきようがありません。だからこそ、家を建てる段階で「壁の中に湿った空気を入れない作り」にしておくことが大切で、ここに気密性が深く関わってきます。内部結露と断熱材の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
気密が低いと壁の中で結露する(気密性は結露対策そのもの)
気密性とは、簡単に言えば「家にどれだけすき間が少ないか」のことです。壁と窓の取り合い、コンセントまわり、配管の貫通部など、家には目に見えない小さなすき間がたくさんあります。
気密性が低い家では、このすき間から室内の暖かく湿った空気が壁の中へ入り込みます。冬の壁の中は、室内側から外側に向かうほど温度が下がっていくので、湿った空気は壁の中のどこかで露点(空気中の水蒸気が水滴に変わる温度)に達し、そこで結露します。これが内部結露の主な仕組みです。
つまり、気密性を高めてすき間をふさぐことは、湿った空気を壁の中に入れないための施工であり、内部結露を防ぐ対策そのものなのです。「気密が高いと結露しやすい」というイメージとは、実際は逆と言えるでしょう。
もう一つ、気密性には「換気を計画どおりに働かせる」という役割もあります。すき間だらけの家では、換気システムがすき間から近くの空気を吸ってしまい、家全体の空気がきちんと入れ替わりません。気密性が高いからこそ、換気システムが設計どおりに湿気を外へ運び出せるわけです。
ちなみに「気密」と「透湿(湿気を通す性質)」は別の話です。気密性を高めたうえで、室内側には湿気を止める防湿層、外側には壁の中に入った湿気を外へ逃がす通気層を設けるのが一般的な考え方で、この組み合わせで壁の中を乾いた状態に保ちます。
家のすき間の量はC値という数値で表され、気密測定で確かめることができます。C値の見方や目安については、こちらの記事をご覧ください。
気密が高い家でも結露するときの原因3つ
では、気密性の高い家で窓が結露するのはなぜでしょうか。原因はおおむね次の3つに絞られます。
1つ目は、換気システムを止めていること。気密性が高い家は、すき間からの自然な空気の出入りが少ない分、換気システムが動いていて初めて湿気が外へ出ていきます。電気代や冬の寒さが気になって換気を止めてしまうと、生活で発生した湿気の行き場がなくなり、室内の湿度が上がって結露しやすくなります。
2つ目は、加湿しすぎていること。冬の加湿器、室内干しの洗濯物、鍋料理やお風呂の湯気など、暮らしの中で発生する水蒸気は思いのほか多いものです。気密性が高く湿気を保ちやすい家で、さらに加湿器を強めに運転すると、室温が高くても窓の表面で結露が起きてしまいます。
3つ目は、窓の性能が足りていないこと。壁の断熱がしっかりしていても、窓が昔ながらのアルミサッシや1枚ガラスだと、その部分だけが冷えて結露の起点になります。家の中で最も熱の出入りが大きい窓は、結露が最初に現れる場所でもあります。
まとめると、「気密が高いから結露する」のではなく、「気密が高いのに、換気が計画どおりに動いていない(または湿気が多すぎる・窓が冷えすぎる)」ときに結露が起きる、と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
高気密高断熱住宅でも結露が発生する?その原因は?

前の章で見てきたとおり、「高気密住宅だから結露しにくいから安心」ということはありません。
計画的な換気がうまくいっていないと、湿気を含んだ空気を外に逃がせず結露が発生する可能性があります。室内で生活するときにどうしても発生してしまう湿気が、常に家の中にこもってしまいがちなのです。
結露というと「冬に発生しやすい」という印象があるかもしれませんが、夏でもエアコンで室内を涼しく保っていると、温度の高い室外との温度差が生じるため結露が生じやすくなります。
結露が発生してしまうとカビが生じやすくなるので、高気密高断熱住宅であっても「換気・湿気・窓」の3点は、住み始めてからも意識しておく必要があります。
結露が暮らしに及ぼす影響

結露が発生するとカビが発生しやすくなります。暮らしにどのような影響をもたらすのかを以下で解説するので、結露対策をするためにも押さえておきましょう。
家が老朽化しやすい
結露は家の老朽化を促進させる原因の一つでもあります。室内と室外の温度差で湿気が冷やされ、壁の内部で発生する「内部結露」や、夏に冷房で冷やされた室内側で起きる「夏型結露」によって引き起こされます。
内部結露は外からでは把握しにくいため、家の土台や柱などが気づかないうちに腐食してしまう可能性があるので注意が必要です。
建物全体の老朽化が進むと、地震などの大きな衝撃を受けたときに本来の強さを発揮できない可能性もあります。10年後・20年後の家の健康状態は、壁の中の湿気で大きく変わると言っても言い過ぎではないでしょう。
カビやダニが発生しやすい
室内が十分に換気されていないと、湿度が高くカビやダニが発生しやすい環境になってしまいます。
カビは壁紙やカーテンなどの内装の見栄えを悪くするだけではなく、カビから空気中に放出される胞子を人が吸い込むことによって、皮膚や鼻のトラブル、アレルギー症状などの原因になるといわれています。
さらに、結露によって発生したカビをエサとしてダニが増えてしまうので気をつける必要があります。
アトピーや喘息といった症状が起きやすい
結露を放置すると、壁や床や天井、カーテン、タンスの裏側などに水のシミができたり、室内はもちろん押し入れやシューズクローゼットなどにもカビが生えたりしてしまいます。
見た目が悪いのはもちろん、カビをエサとしてダニが増えるため、アトピーやぜんそくといったアレルギー症状の原因になるともいわれています。小さなお子さまがいるご家庭では、特に気になるところではないでしょうか。
高気密高断熱住宅での結露対策4つ

結露は室内外の湿度と温度差で起きやすいですが、適切に換気(空気が動いている状態)ができれば、結露の発生をある程度防ぐことができます。
下記では結露を防ぐ4つの対策について紹介するので、家の老朽化やカビ・ダニの繁殖を抑え、快適な暮らしを実現していきましょう。
断熱性を高める設備を選ぶ
結露は室内外の気温差によって起こりますが、窓や壁が冷えていない状態だと表面結露は起こりにくくなります。
そのため、外気温に触れやすい窓ガラスを高性能サッシにしたり、壁を断熱性の高い断熱材にするといった建材資材を活用したりすることで、結露の発生を緩和させることが可能です。エリアによりますが、室内側に可変透湿シート(季節によって湿気の通しやすさが変わるシート)を貼るのも有効です。
先ほどの「気密が高い家でも結露する原因3つ」のうち、窓の性能不足はこの対策で解消できます。壁の断熱・気密だけでなく、窓まで含めて「冷たい面」をつくらないことが、結露に強い家の条件です。
換気システムのスイッチを切らない
建築において断熱性や気密性の高い住宅が多くなっていますが、一方で気密性の高さから、住宅の建築資材に含まれる化学物質が室内に滞留し、シックハウス症候群やアレルギー症状を訴える人が増えたことが問題になりました。
そのため、2003年の建築基準法改正により、全ての住宅に24時間換気システムを設置することが義務化されました(制度の詳細は最新の情報をご確認ください)。
換気システムは2時間に1回、部屋の中の空気を入れ替える能力が必要となります。これにより新鮮な空気が入れ替わるという考えのようです。空気中のハウスダストやシックハウス症候群の原因となる物質が室内に留まることを防いだり、空気をクリーンにしたりできます。
電気代が気になって換気システムをオフにする方もいますが、先ほど解説したとおり、気密性の高い家で換気を止めると湿気の行き場がなくなります。カビの発生を防ぐためにも、換気システムは24時間つけておきましょう。
「換気を止めたくなる一番の理由は冬の寒さ」という方も多いはず。換気システムが寒いと感じる原因と、止めずにできる寒さ対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
部屋干しする際は早く乾かすようにする
洗濯物を部屋干しする際は、一時的に窓を開けて換気して洗濯物を干す場所を工夫したり、除湿剤や除湿器を使用してみてください。
エアコンのドライ機能を使うときは、扇風機やサーキュレーターで人工的に風を当てることで、より洗濯物の水分を空気中に放出しやすいです。(水分湿気が移動するイメージも持つと良いかも)
多湿の環境下では洗濯物が乾きにくくなる(水分湿気の移動がしづらい)ほか、雑菌が繁殖して部屋干し臭やアレルギーになったり、部屋のカビが発生したりする要因になります。
湿気のこもりやすい押入れは定期的に扉を開ける、家具の配置を変えるなどして湿度が高くならないように気を付けるといった対策が有効かと。
部屋干しは天候や時間帯に左右されることなく洗濯ができ、花粉や黄砂、PM2.5などの付着を防げますが、湿気対策をしないと洗濯物が臭くなりやすいので気をつけましょう。(換気不足)
高気密高断熱住宅が得意な業者に依頼する
ハウスメーカーや工務店が多すぎると選べないですよね。。。しかもどの会社のいう事が本当なのか?それぞれの会社にはそれぞれの考え方もあって、いう事がバラバラであったり、、、
耐震性や間取り、デザイン面など、家づくりでこだわる部分は人によって多種多様ですが、判断基準や軸が定まらないままマイホームづくりを進めてしまうと「こんなはずではなかった、、、」と後悔してしまうでしょう。
気密性は、図面や仕様書を見ただけでは分かりません。同じ断熱材を使っていても、すき間をきちんとふさぐ施工ができているかどうかで、壁の中の結露リスクは変わってきます。気密測定を実施しているか、その数値を見せてもらえるかは、業者選びの分かりやすい判断材料の一つです。
家は一生に一度の大きな買い物だからこそ、ハウスメーカーや工務店の使用材料やその選定理由を比較検討することが不可欠なので、選ぶ際には直接担当者さんに聞く。しかも別の担当者さんにも聞くと良いかもしれません。なぜなら個々の担当者の考えではなくて、その会社の考え方であればどの担当者さんでも話す内容は同じなはずです。万一それぞれの方の話す内容が違えばそれはちょっと、、、です。
気密性と結露に関するよくある質問
最後に、気密性と結露についてよくいただく質問にお答えします。
Q.気密性が高いと結露しやすいのですか?
A.いいえ、むしろ逆です。気密性が高い家は、すき間から壁の中に湿った空気が入りにくく、換気も計画どおりに働きやすいため、結露しにくい家と言えます。ただし、換気を止めたり加湿しすぎたりすると、湿気の行き場がなくなって窓などに結露が出ることがあります。気密性の高さと計画換気はセットで考えることが大切です。
Q.高気密高断熱住宅なのに窓が結露するのはなぜですか?
A.主な原因は「換気システムを止めている」「加湿しすぎている」「窓の性能が足りていない」の3つです。特に冬は、加湿器の運転と部屋干しが重なって室内の湿気が増えがちです。まずは換気が動いているかを確認し、それでも結露するなら加湿の量と窓の仕様を見直してみてください。
Q.内部結露はどうすれば防げますか?
A.すき間をふさぐ気密施工、室内側の湿気を止める防湿層、壁の中の湿気を外へ逃がす通気層、この3つをきちんと施工することが基本です。内部結露は住んでから対処するのが難しいため、家を建てる段階で施工会社に気密の考え方と壁の構成を確認しておくと安心です。本文で紹介した内部結露の記事も参考にしてみてください。
Q.冬に加湿器を使っても大丈夫ですか?
A.使って構いませんが、湿度を上げすぎないことがポイントです。気密性の高い家は湿気を保ちやすいため、加湿器を強めに運転し続けると窓に結露が出やすくなります。朝、窓ガラスが濡れ始めたら加湿しすぎのサインと考え、運転の強さや時間を調整してみてください。
家族が健康で暮らせる家づくりをしよう

高気密高断熱住宅は一般住宅よりも結露が発生しにくいと言われていますが、窓のサッシや断熱材が断熱性能に優れていなかったり、換気が不十分であったりした場合には結露が生じるケースもあるので注意が必要です。
大切なのは、気密性が高いことは結露の原因ではなく、壁の中に湿った空気を入れないための対策であり、計画換気とセットで働いてこそ効果を発揮するということです。「気密が高いから結露しやすい」という思い込みで気密をおろそかにしてしまうと、目に見えない内部結露という形で10年後・20年後に後悔することにもなりかねません。
結露が発生する仕組みや対策を把握しておくことで、窓や壁のカビの発生や壁の中の内部結露を防ぎ、家の状態を長持ちさせることができます。結露の発生を防ぐことができれば、カビやダニで引き起こるアレルギーなどの症状を緩和させられるので、家族が健康で暮らせる家づくりにもつながります。
気密や断熱の性能は、カタログの数字だけではなかなか実感できません。冬の窓辺の空気感や、換気システムが動いている家の空気の質は、実際の建物で体感してみるのが一番です。愛知県小牧市のモデルハウスで、結露に強い家の暮らし心地をぜひ確かめてみてください。
家つくりの裏話も含めなんでも話します!ブログに書けない建築業界のヤミ・業者の本音は、メルマガでお届けしています↓
今日お話しした内容をぜひ参考にして、後悔しない家づくりと快適な暮らしに役立ててみてくださいね。



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